D2Cは、開発協力を行ったライオンが提供するスマートフォン向けアプリグロンサン「お疲れさん アラーム」の利用状況を、アプリへのアクセスログを集計・分析を行い、スマートフォンを活用したマーケティングの活用事例として発表した。アクセスログやアンケートに基づくものであり、アプリの認知経路や利用頻度の変化、ブランド認知への影響など通常公表されないデータも含まれており、非常に興味深い事例紹介となっている。
このアプリは、ライオンが2011年11月より提供を開始したスマートフォン向けアラームアプリ。栄養ドリンク剤「グロンサン」のプロモーションを目的として提供されているもので、20代、30代のビジネスマン層がメインターゲット。アラーム利用時に「お疲れさんにはグロンサン」と表示させる形で、利用者に継続的にブランドイメージを想起させる効果を演出した。
アプリ提供開始後、「グロンサン」の売上は、前年同期比(1-6月)で1割増加し、また提供開始直後である今年1月のブランドサイトへのアクセス数は対前年同月比400%を超えたとのこと。
同時に、D2Cは、アプリ利用者を対象に、アプリの利用状況に関するユーザアンケートをライオンと共同で実施。アンケート実施期間は、7月17日~7月23日で、有効回答数は3406件だった。回答者の属性は以下のとおり。
■アプリダウンロード数と認知経路
まず、アプリのダウンロード数推移は、10月末日時点で20万ダウンロードを超えた。提供開始後、1月のスマートフォンサイトへの広告出稿と交通広告への出稿時にはダウンロード数が大幅に伸び、それ以前の2倍以上のダウンロード数だった。その後は、順調にダウンロード数を伸ばし、5月21日にテレビ番組で紹介された際には約5万以上のダウンロードが発生した。
アンケートで、アプリの認知経路を聞いたところ、「アプリマーケットのランキングを見て」が28.0%でもっとも多く、続いて「交通広告を見て(18.1%)」、「TV番組を見て(16.9%)」となた。アクセスログにも表れていたように、交通広告、スマートフォン広告への出稿、テレビ番組の紹介によって、各媒体からのユーザが流入した。
■ユーザのアプリの利用状況に関するデータ
月間のユニークユーザ数は、1月の広告出稿時や5月のテレビ番組における紹介時には高まる動きを見せたが、基本的には、1万~2万の間で推移しており、こちらからも、安定的なユーザのアプリ利用状況がうかがえる。
アンケートで、アプリの利用頻度を聞いたところ、56.0%が「毎日」と回答し、続いて、「週に2~3回(28.1%)」、「週に1回(6.5%)」と続いた。9割以上のユーザが週1回以上、利用していた。
■アプリ上のブランドロゴ表示状況に関するデータ
「お疲れさん アラーム」では、アラーム完了時にアプリ上に「グロンサン」のブランドが表示される仕組みとなっており、アラームの完了回数のログを指標として、ブランド名露出回数を検出した。その結果、広告出稿時に回数が高まる形となったが、その後は1ヶ月あたり15万回前後で推移した。
■アプリの起動回数
5月21日のテレビ番組紹介時には、1日で12万回と極端に多い回数となったが、それ以外の期間は1日あたり2万回前後、月間では60万回前後を推移しており、こちらからもアプリの安定的な利用状況がうかがえる。
アンケートでは、アプリ利用後に「グロンサン」への興味が高まったかを聞いたところ、全体で「そう思う」が15.8%、「まあそう思う」が33.1%となり、48.9%の利用者が興味が高まったと回答した。
利用頻度別に見てみると、「週1回未満」では41.6%、「週1~3回」では47.1%、「毎日」では51.3%の利用者の興味が高まった結果となっており、利用頻度が高い層ほど、「グロンサン」に対する関心が高まる傾向があった。
D2Cでは、今回、グロンサン「お疲れさんアラーム」について、ユーザーに長期継続・高頻度で利用してもらうため、アンケート調査や、アクセス解析などのデータマネジメントを通じてPDCAを実践したという。その結果、毎日利用するユーザが約56%、半年以上の利用者20%と、ユーザの高頻度での継続利用を実現し、商品への興味関心や購買意欲の向上を図ることに成功したとしている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社D2C
- 設立
- 2000年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 高田 了/代表取締役副社長 新谷 哲也
- 決算期
- 3月