【コロプラ決算説明会】2Qは「社内の予算をほぼ達成」(馬場社長) 期待の新作『最果てのバベル』を3Q、新しい遊び方を提案するタイトルを4Qにリリースへ


コロプラ<3668>は、5月8日、2019年9月期の第2四半期累計(10~3月)の連結決算を発表するとともに、東京都内で決算説明会を開催した。同日発表した第2四半期決算は、売上高196億2200万円(前年同期比16.7%減)、営業利益4億9200万円(同88.2%減)、経常利益4900万円(同98.7%減)、最終損益6800万円の赤字(前年同期26億円の黒字)となった。

決算説明会では、同社の馬場社長(写真)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■QonQでは売上高横ばい、各利益項目は黒字転換に


まずは、第2四半期期間の業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、売上高は前四半期比0.8%減の97億7400万円とほぼ横ばいの推移となり、営業損益は前四半期の1億9900万円の赤字から6億9200万円の黒字、経常損益は同じく4億1800万円の赤字から4億6800万円の黒字、最終損益は同3億7600万円の赤字から3億800万円の黒字に転換した。

売上高については、6周年を迎えた『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(『黒猫のウィズ』)の周年キャンペーンの実施などでFY13ものが伸長した一方で、『白猫テニス』などのFY16ものが苦戦した。また、利益面については、「一時費用の4億円の減少に加え、費用抑制で四半期黒字化となった」(馬場社長)とし、「社内の予算をほぼ達成した」(同)ともしていた。
 

では、実際に費用面の数字を見てみると、大きく変動しているのは広告宣伝費で、第2四半期実績では前四半期比で約9億円減の7億7000万円となっている。また、外注費も前四半期比で約1億円の減少となっているが、これは前四半期より進めてきたパイプラインの新作タイトルの見直しにより、新作にかける外注費が減少しているためとしていた。
 

従業員数の推移については、第2四半期期末は前四半期比12名減の1288名となった。なお、足元は4月にグループ全体で新卒93名が入社しており、第3四半期末の従業員数は増加する見通しとしている。
 
 

■『黒猫のウィズ』などのFY13ものが伸長 『白猫テニス』などのFY16ものが苦戦


次にリリース時期別等売上推移の詳細を見てみると、前述の通り、周年イベントを実施した『黒猫のウィズ』を含むFY13ものが伸長している。また、主力タイトルである『白猫プロジェクト』を含むFY14ものも前年同期比でほぼ横ばいと健闘しているほか、『アリス・ギア・アイギス』などFY18ものも着実に存在感を強めている。

一方、苦戦が目立つのは、『白猫テニス』などのFY16もので、この四半期は売上高16億円を割り込んだ。FY16ものは『ドラゴンプロジェクト』が2019年6月27日をもってサービスを終了することが決定しているほか、『白猫テニス』もゲームバランス面で課題を抱えているとのことで、立て直しにやや時間がかかりそうだ。

また、FY19ものとなる『バクレツモンスター』については、回線の遅延の問題について対応に取り組んでいるものの、「現状はあまり芳しくない」(同)としていた。
 


海外展開については、期中は4月に繁体字版『ディズニー ツムツムランド』の配信を開始した。なお、繁体字版『ディズニー ツムツムランド』は、台湾のWeGames Corporationにライセンスを許諾する形での展開となっている。
 
 

■『最果てのバベル』を3Q、新しい遊び方を提案するタイトルを4Qにリリース


新作の開発状況については、スマートフォン向けゲームの新作パイプラインについて、この四半期も見直しが行われ、今期(FY19)分については第1四半期決算発表時と同じ5本となっているものの、来期(FY20)以降分のタイトルが1本減の3本となっている。

今期分については、既に『バクレツモンスター』をリリース済みであるほか、期待の新作となる王道ファンタジーRPG『最果てのバベル』を第3四半期にリリースする予定だ。また、馬場社長自身がプロジェクトマネージャー的な役割を務めているという、「新しい遊び方を提案するタイトルを第4四半期にリリースする予定」(同)だという。
 
 

■3Qの広告宣伝費は約6億円を予定 『最果てのバベル』の状況次第で増減も


なお、2019年9月期通期の予想は、グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、グループの業績の見通しについては適正かつ合理的な数値の算出が困難とし、非開示としている。

第3四半期の広告宣伝費については、約6億円の予定としているが、取締役CFOの原井氏によると「新作『最果てのバベル』のリリース後の状況次第で増減する可能性がある」としていた。
 
(編集部:柴田正之)


株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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