ゲーム株概況　スーパーセル買収のガンホーが一時ストップ高　決算発表のKLabは売られる

10月16日の東京株式市場でガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>株が大幅に上昇した。取引制限値幅の上限（ストップ高）である前日比1万5000円（21.2％）高の8万5900円まで上げる場面があった。終値は1万1000円高の8万1900円だった。ソフトバンク<9984>とガンホーは15日夕、共同で、スマートフォン向けゲームアプリの世界大手であるフィンランドのスーパーセルを買収すると発表した（関連記事）。ソーシャルゲーム業界を揺らすビッグニュースに対して株式市場の関心も高く、ガンホーのきょうの売買代金は924億円に膨らみ、国内全上場銘柄のうち2位となった。

ガンホーは『パズル＆ドラゴンズ』、スー パーセルは『Clash of Clans（クラッシュ・オブ・クラン）』や『Hay Day（ヘイデイ）』と、それぞれ大人気ゲームを持っており、両社の連携による開発力強化や販促効果などを期待した買いが入った。また、ガンホーは、スーパーセルの株式を実際に買い取るSPC（特定目的会社）を持分法適用関連会社とし、スーパーセルの損益を持分法で取り込む。スーパーセルの損益取り込みは、ガンホーの1株当たり利益の押し上げにつながるとみられ、市場では買い材料とされた。

一方、KLab<3656>が大幅安。69円（7.6％）安の844円で取引を終えた。15日に発表した第4四半期（2013年6～8月期）の連結決算では、売上高は45億円と前の四半期比で2割増え、営業利益が黒字に転換した（関連記事）。ただ市場は、残り4カ月（第5四半期）で計画通り74億円の売り上げを達成できるかどうかに懐疑的で、「今後、下方修正があるのでは」との思惑から売られた。

コロプラ<3668>の終値は130円安の2990円と下げた。きょうの取引終了後に業績予想修正の発表を控えていたため、いったん目先の利益を確定しようとする売りに押された。なお、コロプラは取引終了後に、2013年9月期通期の業績予想を上方修正した。売上高は従来予想と比べて17億円（11％）多い167億円、営業利益は12億円（27％）多い57億円だった。前日まで2営業日連続でストップ高となったブロッコリー<2706>は9円高の470円だった。

なお、国内全上場銘柄で売買代金首位はネット広告仲介のアドウェイズ<2489>で、きょう1日の売買代金は1028億円と、1000億円の大台を超えた。株価の変動が大きいため、短期売買を手掛ける参加者の注目が集まっている。株価は32円安の2030円と下げた。


以下、主なゲーム企業の16日の株価と騰落（単位は円）。

銘柄名	証券コード	現在値	前日比	前日比率
ガンホー・オンライン	3765	81,900	11,000	15.51%
エイティング	3785	2,640	191	7.80%
マーベラスＡＱＬ	7844	550	39	7.63%
日本一ソフトウェア	3851	823	23	2.88%
ブロッコリー	2706	470	9	1.95%
ボルテージ	3639	1,089	9	0.83%
任天堂	7974	11,360	90	0.80%
トーセ	4728	681	2	0.29%
コナミ	9766	2,370	5	0.21%
ディー・エヌ・エー	2432	2,012	2	0.10%
グリー	3632	772	0	0.00%
バンダイナムコＨＤ	7832	1,867	-8	-0.43%
クルーズ	2138	3,610	-20	-0.55%
ケイブ	3760	107,500	-1,100	-1.01%
サイバーエージェント	4751	2,920	-35	-1.18%
カプコン	9697	1,901	-24	-1.25%
セガサミーＨＤ	6460	2,749	-37	-1.33%
エイチーム	3662	2,634	-40	-1.50%
コーエーテクモＨＤ	3635	1,017	-17	-1.64%
ｅｎｉｓｈ	3667	2,940	-51	-1.71%
ドリコム	3793	111,000	-2,000	-1.77%
オルトプラス	3672	4,345	-80	-1.81%
ネクソン	3659	1,223	-28	-2.24%
アクセルマーク	3624	881	-24	-2.65%
スクウェア・エニックスＨＤ	9684	1,604	-51	-3.08%
日本ファルコム	3723	1,087	-35	-3.12%
モブキャスト	3664	2,090	-72	-3.33%
コロプラ	3668	2,990	-130	-4.17%
ＫＬａｂ	3656	844	-69	-7.56%