KONAMIは「アソビ」の未来を見つめてソーシャルコンテンツ事業に向き合っている。 ソーシャルコンテンツ制作スタジオ 統括マネージャー 車田氏インタビュー
ソーシャルコンテンツの領域において『ドラゴンコレクション』『戦国コレクション』を始めとするヒットタイトルを続々とリリースする株式会社コナミデジタルエンタテインメント。それらの発信源であるソーシャルコンテンツ制作スタジオの統括マネージャー車田氏に、本事業を通じてKONAMIが成し遂げたいビジョンと、そのビジョンを形にする開発環境について語っていただきました。
【インタビュアー】
ソーシャルコンテンツ事業のビジョンについて、詳しく聞かせていただけますか?
【車田】
「ソーシャルコンテンツの市場がなくなったらどうするんですか?」と聞かれた時には、こう答えたいですね。「私たちはソーシャルの世界が生み出す未来を想い描きながらゲームを作っているんです」と。デバイスや遊び方に加え、遊ぶ側のお客様もどんどん多様化しており、半年後、1年後の遊び方がどうなっているかなんて、正直誰にもわかりません。その時代、シーンに合わせて、いかに求められているアソビを提供できるか?ソーシャルコンテンツ事業として、どうマーケットに向き合っていくか?そう考えたら、今やっていることは一つの点でしかないのです。KONAMIはこの事業がない頃から、常にそういうスタンスでゲーム制作に向き合ってきました。「新しいゲームを作っていくこと」。言葉にするとあまりにもシンプルかもしれませんが、これが真の目的なのです。
【インタビュアー】
非常に明快で、ブレないビジョンですね。
【車田】
そう、「なんのための今なのか」ってすごく大事だと思っています。これからもゲームは進化していきますが、ゲームはブラウザベースになろうが、ネイティブベースになろうが、運営ありきで提供されていくことは、きっとこの先も変わらない。それに運営と言っても今は、イベントを開いたり、ゲームデザインを変えたり、タイトルの世界観を活かして別のゲームを作ったりと、新しい仕掛けをすることが多くなってきました。中にはソーシャルコンテンツと聞いて、ポチポチするだけで何が面白いんだ?と思う人もいるでしょう。でも、私たちは今のポイントだけを見て、面白い面白くないという判断はしません。2年後、3年後、5年後を見据えて、今やっておくべきこと、ゲーム制作のあり方を考えていきたい。いま一生懸命にソーシャルコンテンツの運営に取り組んだ経験は、次の世代のゲームを生み出すときに間違いなく活きる。常に先を見据えているのが、私たちであり、KONAMIだと思っています。
【インタビュアー】
そのような先見の姿勢は、どこから生まれてくるんですか?
【車田】
そうですね、メンバー自身の志はもちろん前提にあるのですが、KONAMIが刻んできた歴史も大きく影響していると思います。よく「KONAMIってどんな会社なんですか?」と聞かれます。その時は「チャレンジ」の会社だと答えますね。KONAMIは設立以来40年間、実にさまざまなジャンルのゲームを作ってきました。ファミコンで『グラディウス』が出た年に『悪魔城ドラキュラ』が出たり、『ときめきメモリアル』が出た年に『実況パワフルプロ野球』が出たり、『DanceDanceRevolution』が出た年に『METAL GEAR SOLID』が出たり、本当に同じ会社とは思えないほど、幅広いジャンルでヒットゲームをリリースしています。デバイスにおいても、コンシューマゲーム、アミューズメントゲーム、トレーディングカードゲーム、ケータイ向けゲームなど、常に新しいアソビへのチャレンジを成功に導いてきました。だからソーシャルコンテンツ事業の立上げに関しても、当初は「本当に面白いのか?」という懸念は含みつつも、会社のバックアップは協力的でした。今後は人がつながりあって遊ぶスタイルが確実に主流になる。世の中から求められているのだから、期待に応えよう。こういったチャレンジが、KONAMIの歴史からくるモノづくりの原点なんだと思います。
【インタビュアー】
とは言いつつも、ソーシャルコンテンツの業界は競合が激しいと思います。そんな中でKONAMIさんの制作環境のアドバンテージはどこにあると思いますか?
【車田】
やはり、歴史から生まれる多様性ではないでしょうか。KONAMIはこれまで、グローバルで評価されているゲームブランド、子どもから大人までが楽しめるアミューズメントゲーム、Free to Playで楽しんでいただけるケータイ向けゲームといったように、各事業部それぞれが、さまざまなゲームデザインやビジネスモデルを持ったアソビを提供してきました。その連続によって積み重なっているものは、きっと他社では持ちえない。しかも、各事業は柔軟に連携しており、それぞれが持っている経験・ノウハウ・発想がお互いに絡み合うことで、アソビの化学反応が起きやすい土壌があると思います。各事業はフロアで分かれているのですが、来客したほとんどの人は各フロアの違いを見てビックリしますよ。「本当に同じ会社なのか」と。
【インタビュアー】
なるほど。各事業部が提供するアソビが、横串でつながってるんですね。そうなるとメンバー間のコミュニケーションやアイデア発信も活発そうですね。
【車田】
そうだと思います。これだけアソビが多様化している中で、デバイスで仕事の役割を切るやり方はもう古いのではないでしょうか。制作チーム内での役割分担だって、これはデザイナーの仕事、これはプログラマーの仕事とかいったように、線を引いてはいません。ゲームが面白いか、面白くないかを決めるのはあくまでお客様ですから、そういった意味でも、チーム全員が役割を超越してゲーム作りをしていますよ。
【インタビュアー】
新しいゲームの企画申請は、どのくらいのペースで上がってくるんですか?
【車田】
だいたい週に1つ2つは上がってきますね。企画申請の稟議は1回のみです。その場でプロデューサーなどと協議をし、事業の方向性に合致して、かつ「なんのためにやるのか」という目的が明確であれば、かなり決断は早いと思います。「KONAMIは歴史がある会社だし、いろんな面でスピードが遅いんじゃないか?」と言われることもありますが、全然そんなことはありません。ソーシャルコンテンツ事業を始めて、ますますスピードアップしています。「創造は破壊からしか生まれない」と言いますし、「今までこうだったから」とか「これがルールだから」というものを一切ゼロベースにして、企画申請・稟議がしやすい仕組みなり組織を作ってきました。
【インタビュアー】
今後どのような展望を描かれていますか?
【車田】
新規タイトルはもちろん作っていきます。それと合わせて、タイトル一つひとつを丁寧に育てていく動きをしていきたいですね。最近ではアニメ化やコンビニ等との商品タイアップなど、ゲームを遊んでいない人の目に触れる機会もどんどん増やしています。タイトルを運営していく中で、お客様の声を細やかに、リアルタイムでゲームに反映させていきたいです。継続タイトルで新しいことをするのもよし、ブランドを活かした新タイトルを作るのもよし、シーンに最適なものを提供できればいいと思っています。最近は、北米、北欧あたりから文化、性別問わず遊べるユニークなゲームが生まれてきており、もはや遊ばれる地域の垣根はなくなっています。ですから今後はますます、グローバルで親しまれるゲーム作りが必要になってくるでしょう。
【インタビュアー】
やはりネイティブアプリ環境でのゲーム制作が中心になってきますか?
【車田】
ネイティブアプリの表現力も上がってきていますし、結果としてはそうなっていくと思います。ですが、これもあくまで数ある手段の一つではないでしょうか。ゲームのジャンル、デザイン、国、通信環境などに合わせて、一番フィットする手段を選んでいきたいというのが基本スタンスです。ブラウザベースが良ければ、それはそれで構わないと思っています。
【インタビュアー】
最後に、メッセージをお願いします。
【車田】
これからも時代やお客様に合わせて、ジャンル、デバイスの種類を問わず新しいものに挑戦し続けますし、組織も仕事も常に革新していくと思います。でも、KONAMIにはいついかなる時も変わらない情熱があります。それは「新しいアソビ」を追求することです。KONAMIのメンバーは、事業領域の垣根を越えて、全員がこの情熱をコラボレートさせてゲーム作りに励んでいます。そんな私たちと刺激し合える方を仲間としてお迎えしたいと思っています。
―応募をご検討されている皆さんへ―
今回の取材では、成長著しいソーシャルコンテンツ事業を牽引する車田氏にインタビューを行い、事業のビジョンとそれを形にする開発環境について語っていただきました。筆者の質問に対する答えに一点の曇りもないところに、現場の真っ直ぐな想い、そして未来に向かうKONAMIの姿勢を垣間見ることができました。KONAMIならではのソーシャルコンテンツ制作に共感し、仲間として頑張ってみたいと思われた皆さん。ゲームクリエイターとしての伸びしろを大切にしている採用なので、チャンスの門戸は開かれていると思います。11月より、ディレクター、プランナー、運営担当、エンジニアを対象にゲーム業界経験者限定の「プレミアム採用セミナー」が開催されます。会社説明や現場スタッフとの座談会のほか、希望者はその場で一次面接も受けられ、通過の場合は次回最終選考が案内される特別な選考会となります。「話を直接聞いてみたい」という方はぜひ、応募してみてはいかがでしょうか?
会社情報
- 会社名
- 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
- 設立
- 2006年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 東尾 公彦/代表取締役社長 早川 英樹
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高1940億1100万円、営業利益336億4700万円、経常利益348億9300万円、最終利益278億2800万円(2023年3月期)