ゲーム株概況　業績期待でクルーズとボルテージが堅調　オルトプラス急伸は電子書籍子会社に着目か？

10月24日の東京株式市場でゲーム株は総じて上げた。特に目立った材料はなかったが、日本株相場全体が下げ止まり、投資家の心理が改善したためとみられる。とりわけ、クルーズ<2138>やボルテージ<3639>など、ゲームタイトルの好調を背景に業績期待のある銘柄の上げが大きかった。オルトプラス<3672>も大きく上げたが、市場では「電子書籍」関連銘柄としての注目が集まっているのでは、との見方があった。


■既存タイトル期待のクルーズとボルテージが堅調
クルーズは前日比385円（9.7％）高の4370円、ボルテージは64円（5.5％）高の1236円で取引を終えた。クルーズ、ボルテージともに既存ゲームタイトルの好調さが業績に寄与してくるとの期待感が支えになっている。決算発表が近づき、思惑的な買いが増えているようだ。


■ベクターは売り続く
ベクター<2656>は13円安の684円と下落。10月22日に4～9月期の決算と10～12月期の業績見通しを発表（関連記事）。10～12月も赤字が継続することを嫌気した売りが続いている。9月後半からベクター株は、400円前後から900円台まで値上がりするなど堅調に推移していた。決算発表で目先の材料出尽くし感が広がり、利益を確定する売りが出ているとみられる。


■オルトプラスは電子書籍関連？
オルトプラスが610円（11.3％）高の6000円と急伸した。目立った買い材料は見当たらないが、資本業務提携しているグリー<3632>の株価が戻り基調にあることを指摘する声や、「ゲーム事業への期待というよりは、子会社の手掛ける電子書籍事業に関心が向かっているのではないか」（オンライン証券）との見方があった。米アップルが22日にiPadの新型モデルを発表したことを材料に、23、24日と連日で、電子書籍関連銘柄のパピレス<3641>が急伸している。オルトプラスとグリーの合弁会社であるオルトダッシュは9月に、ソーシャルゲームを原作とした書籍配信サービスを実施する電子書籍事業を始めると発表している。


以下、24日の主なゲーム企業の株価と騰落（単位は円）。

銘柄名	証券コード	終値	前日比	前日比率
オルトプラス	3672	6,000	610	11.32%
クルーズ	2138	4,370	385	9.66%
ボルテージ	3639	1,236	64	5.46%
マーベラスＡＱＬ	7844	591	22	3.87%
ｅｎｉｓｈ	3667	3,370	100	3.06%
ドリコム	3793	111,900	3,100	2.85%
サイバーエージェント	4751	2,909	64	2.25%
ＫＬａｂ	3656	875	19	2.22%
グリー	3632	815	16	2.00%
ネクソン	3659	1,204	23	1.95%
セガサミーＨＤ	6460	2,671	47	1.79%
ディー・エヌ・エー	2432	2,043	35	1.74%
コロプラ	3668	2,843	43	1.54%
アクセルマーク	3624	949	13	1.39%
任天堂	7974	11,570	80	0.70%
バンダイナムコＨＤ	7832	1,891	13	0.69%
モブキャスト	3664	1,934	10	0.52%
ガンホー・オンライン	3765	80,400	400	0.50%
ＧＭＯインターネット	9449	1,265	6	0.48%
コーエーテクモＨＤ	3635	1,106	5	0.45%
エイチーム	3662	2,707	12	0.45%
ケイブ	3760	108,000	400	0.37%
ブロッコリー	2706	587	2	0.34%
日本ファルコム	3723	1,092	3	0.28%
コナミ	9766	2,335	5	0.21%
日本一ソフトウェア	3851	901	1	0.11%
カプコン	9697	1,960	1	0.05%
トーセ	4728	660	-4	-0.60%
スクウェア・エニックスＨＤ	9684	1,582	-31	-1.92%
エイティング	3785	2,407	-68	-2.75%