ゲーム株概況　決算発表受けグリーが下落、一時は上げる場面も　前日売られたファルコムは値を戻す

11月14日の東京株式市場ではグリー<3632>株が売られた。終値は前日比20円（2.3％）安の851円だった。前日に発表した2014年6月期第1四半期（7～9月）の決算内容（関連記事）を嫌気した売りに押されたようだ。もっとも、売り一巡後は下げ渋りも目立つなど、売り一辺倒とは言えない。日本ファルコム<3723>やケイブ<3760>、クルーズ<2138>など、ゲーム株には上げる銘柄も多かった。

朝方の売り一巡後、グリー株は上げに転じる場面もあるなど、売り買いが交錯した。一部外資系証券はグリーの決算内容について「コスト削減による利益改善はおおむね織り込み済み」「売上の落ち込みが想定以上」として、目標株価を引き下げている。会社側が示した4Q（2014年4～6月）にかけての売り上げ反転シナリオも、現時点では不透明感が強いという。

日本ファルコムは前日の決算発表前に思惑的に買っていた向きの売りが一巡したとみられる。終値は69円（7.4％）高の996円で、前々日の終値（999円）とほぼ同水準まで戻した。クルーズも125円（3.9％）高の3350円で取引を終えた。5日の決算発表後に続いた売りに一巡感が出たとの見方から買われたとする声があった。ケイブも特に材料は見当たらないが、13％高と急伸した。

ゲーム株で上昇する銘柄が目立ち始めた背景には、信用取引（借金して株を買う取引）の資金返済期日を迎えた売りが徐々に和らぎ始めているとの見方もある。信用取引の多くは買ってから半年後に決済期日を迎える。今年の5月に日本の株式相場が上昇した際、ゲーム株にも大きく上げる銘柄が多かった。5月の上昇局面で信用取引で株式を買った投資家は、半年後の11月に決済しなければならず、手じまいの売りを進めているとみられる。


以下、14日の主なゲーム企業の株価と騰落（単位は円）。

銘柄名	証券コード	終値	前日比	前日比率
ケイブ	3760	116,900	13,700	13.28%
日本ファルコム	3723	996	69	7.44%
クルーズ	2138	3,350	125	3.88%
マーベラスＡＱＬ	7844	592	22	3.86%
コーエーテクモＨＤ	3635	1,236	41	3.43%
ガンホー・オンライン	3765	62,100	1,900	3.16%
ドリコム	3793	94,500	2,400	2.61%
エイチーム	3662	2,487	63	2.60%
エイティング	3785	1,979	41	2.12%
バンダイナムコＨＤ	7832	2,053	32	1.58%
コナミ	9766	2,498	35	1.42%
ボルテージ	3639	1,025	14	1.38%
カプコン	9697	1,824	20	1.11%
トーセ	4728	674	6	0.90%
ネクソン	3659	901	7	0.78%
日本一ソフトウェア	3851	775	5	0.65%
スクウェア・エニックスＨＤ	9684	1,781	10	0.56%
オルトプラス	3672	4,760	20	0.42%
ＫＬａｂ	3656	681	2	0.29%
ｅｎｉｓｈ	3667	2,701	2	0.07%
コロプラ	3668	2,513	-2	-0.08%
ＧＭＯインターネット	9449	1,120	-1	-0.09%
ディー・エヌ・エー	2432	1,844	-4	-0.22%
アエリア	3758	898	-3	-0.33%
任天堂	7974	12,430	-70	-0.56%
サイバーエージェント	4751	3,295	-25	-0.75%
アクセルマーク	3624	730	-7	-0.95%
モブキャスト	3664	1,070	-13	-1.20%
セガサミーＨＤ	6460	2,573	-42	-1.61%
グリー	3632	851	-20	-2.30%