アプリボット『ギャングロード・ジョーカー』のプレイレポート…『不良道』がリアルタイムバトルゲームとなって登場。作りこまれた世界観とシステムには注目

『不良道~ギャングロード~』といえば、2012年2月にリリースされ、2年近くにわたって売上ランキング上位に入る人気カードゲームだ。かつては売上ランキングでも首位を獲得した実績もある。その提供元であるアプリボットは、シリーズ最新作にあたる『ギャングロード・ジョーカー』を1月8日にリリースした。

今回は、『ギャングロード・ジョーカー』のプレイレポートをお届けしたい。『不良道~ギャングロード~』にリアルタイムバトルを追加しただけでなく、爽快感のあるクエスト、ユニークでリッチな演出などあらゆる面でパワーアップしている。2014年上半期の注目タイトルの一つになるとみている。


■ゲームシステム

さて、本作は、ギャングの一員となったプレイヤーは、気の合うプレイヤーとギャングチームを組み、リアルタイム・チームバトル「抗争」を戦い抜き、東京制覇を目指していく内容となっている。ゲームの流れは、クエストに相当する「制圧」でレベル(=デッキコスト)や「コイン」、カードを集めながら、強化合成や限界突破を行う「合成」でカード育成を行いつつ、チームバトル「抗争」に備えていく。



(1)制圧

クエスト「制圧」では、主人公「梅宮 音弥」がギャング同士の抗争に巻き込まれ、刺客として送り込まれてくる不良たちと(いやいやながら)戦っていく様子が描かれる。クエストを開始する時、プロローグでは、マンガでストーリーを読むことができる。3~4ページだが、ストーリー性を際立たせ、ゲームの世界に没入できる。ヤンキーマンガ好きにはたまらない演出といえるだろう。ストーリーや演出の面白さは本作の第一の特徴といえよう。



▲第5章のスタート。3~4ページのマンガでプロローグがまとめられている。ゲーム開始時のアニメーション演出もそうだが、「ここまでやるのか」と驚かされた。


クエストは章立てとなっており、マップ上のステージをクリアしながら進んでいき、途中に遭遇するボスに勝利すると次の章に進むことができる。1章につき、ボスとは3~4回対戦することになる。画面上ではわかりづらいのだが、スピーディで爽快なクエストはやみつきになる。



▲タップするだけで進行するクエスト。スピーディに進行するのだが、効果音とも相まってタップしてて気持ちが良い。





またクエストの途中、「暴襲者」と呼ばれるレイドボスに遭遇することがある。かなり強力な敵のため、1人で倒せないことが多々ある。その場合、他のプレイヤーに応援を依頼することも可能だ。そして、倒すと「暴襲者」に関連したガチャチケットなど報酬がもらえる。



▲レイドボス出現時と討伐報酬。「覚醒」が付いている場合、通常のレイドボスよりも強くなっている。



(2)カードの強化

カードの育成については、「強化合成」と「限界突破」を行うことができる。合成については特に説明はいらないだろうが、念のため書いておくと、ベースとなるカードのレベルを上げるのが「強化合成」、そして、ベースカードのレベルの上限を引き上げるのが「限界突破」となる。「限界突破」には、同じ名前のカードが2枚必要だが、必ずしもレベル上限まで上げる必要はないようだ。






(3)ガチャ

ガチャについては大きく3種類存在する。有料ポイント「ゴールド」を使って引くことのできる「レア」ガチャ、ゲーム内で獲得する「絆P」を使用する「ノーマル」、レイドボス「暴襲者」やクエストボスを倒した時に入手できる「暴襲」ガチャがある。






(4)抗争

本作のメインコンテンツである。1日2回、1回あたり30分間、開催される。自動的に参加するのではなく、チームのヘッド(リーダー)がエントリーして初めて参加できるようになる。

開催時間は、第1戦12:00~12:30、第2戦21:00~21:30とされていたが、アクセス過多に対応するため、以下の開催時間が追加された(※サービス開始後のため、時間設定や開催頻度は今後変更される可能性がある)。

第1戦:18:00~18:30、19:00~19:30
第2戦:20:00~20:30、22:00~22:30

「抗争」は、相手にダメージを与えて「抗争pt」をより多く獲得したチームの勝利となる。前衛と後衛に分かれて戦うが、前衛は、チーム内で戦闘力の高い5名が選出され、通常攻撃だけでなく、手持ちのカードが持つ攻撃アビリティを駆使して相手にダメージを与えて抗争ptを稼ぐ。カードデッキの強さだけでなく、仲間との連携攻撃が勝利のカギを握る。



▲チュートリアル画面。「ねっけつ」と「はなぞの」の対決となっている。開発スタッフは、くにおくんシリーズのファンなのだろうか。プレイ画面を使おうとしたのだが、キャラクター名を消すと目も当てられない状況となるため、こちらを使った。


また後衛は戦闘力が6位以下のキャラクターもしくは希望者が担当する。エールで前衛の仲間を応援したり、援護攻撃で攻撃したりするほか、前衛で気絶したプレイヤーが出た場合、交代で前衛に出ることもできる。

本作のユニークな点は、抗争中に行われる「タイマンモード」だ。これはお互いのチームから代表者が出て、1対1のバトルを行うもので、デッキにあるカードの強弱で勝敗を決する。チーム全員のHPが3倍になったり、敗北したチーム全員のパラメーターダウンなどのボーナスがあり、「抗争」で劣勢にある場合、うまく活用すれば大逆転も可能になる。逆に有利でも弱いデッキのプレイヤーが出てしまう可能性もあるので注意が必要だ。



▲「抗争」に遅れてログインしたため、タイマンの場面には遭遇できず。自分がタイマンキャラに選ばれて負けたことは確認できた。


このほか、1度のプレイヤーにつき1度だけ「奥義」と呼ばれる特殊コマンドが使用できる。これは「抗争」に参加すると成長させることができるコマンドで、一定時間、仲間全員のHPや攻撃力、防御力を引き上げるなどステータスアップを行うものが多い。奥義発動には待ち時間があるだけでなく、チーム内で同じスキルを二度使えないなど制約もある。「タイマン」と同じく、バトルの勝敗を左右する要素なので使い方には注意が必要だろう。


(5)スキル

このほか、「レベルスキル」、「抗争スキル」、「暴襲スキル」が用意されている。「レベルスキル」は、制圧(クエスト)を進めてレベルが上がると獲得できるスキルで、デッキコストやクエストで使う体力(制圧P」の上限を増やしたりすることができる。「抗争レベル」はmリアルタイムバトル「抗争」に参加すると獲得できるもので、抗争で使う奥義の効果を引き上げる効果がある。また、「暴襲レベル」はレイドボス戦に参加すると獲得できるスキルで、攻撃や防御、HPを上昇させることができる。いずれもレベルアップ時にポイントが入手でき、それを習得したいスキルに振り分けることで初めてスキルが獲得できる。






■まとめ

サムザップの『戦国炎舞-KIZNA-』が大ヒットして以来、リアルタイムバトルゲームにも注力している感のあるサイバーエージェント・グループだが、本作もその流れの一作といっていいかもしれない。プレイしていて、深夜であってもレイドボス戦で応援依頼を出すと、すぐに応援が入って撃破されるなど、アクティブユーザーが多く、かなり賑わっている印象を持っていたが、今後のプロモーション活動次第でさらにプレイヤー数も増えてくるだろう。

なお、売上ランキングでは、1月12日22時現在、105位と決して高くはないものの、初動が遅いのではなく、時間をかけて順位を上げてくるタイプとみている。ゲーム序盤から「こんなにもらっていいのだろうか」と思うくらい、SレアやSSレア、回復アイテムがかなりもらえるため、正直言うと、すぐにお金を使う気分にはならなかった。しかし、カードゲームとしても、リアルタイムバトルゲームとしてもよく作りこまれているため、継続して遊びたいと感じた次第だ。

アプリボットとしては、まずゲームで楽しんでもらい、定着して気に入った人にお金を使ってもらう考えかもしれない。リアルタイムバトルゲームでは、無料でも継続して遊ぶユーザーの存在が重要だ。相手チームのアクティブユーザーが3分の1程度しかいない、力があってすぐに気絶する状況では強くするモチベーションはおろか、ゲームを継続するモチベーションも保ちづらい(参考記事:リアルタイムバトルでgloopsのデータマイニングがどう進化したのか…伊藤学氏が語る)。

本作の展開を考えていく上で、同じアプリボットが2013年8月より提供しているリアルタイムバトルゲーム『カオスドライヴ』がモデルケースになるのだろうか。『カオスドライヴ』はリリース後、1ヶ月程度は売上ランキングで100位程度を推移していたが、その後、徐々に順位を上げ、現在では30~40位を推移する人気タイトルのひとつとなっている。じっくりとタイトルを育てて少しずつマネタイズ局面に移行させていく、という考え方なのだろう。


【カオスドライブの売上ランキングの推移】

▲はじめの1カ月半ほどは100位台で推移していたが、その後、じわじわと順位を上げ、1月12日22時現在、ゲームカテゴリーで31位となっている。


【ギャングロード・ジョーカーの売上ランキング(時間単位)】

出所:AppAnnie




■関連サイト

アプリダウンロード



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株式会社アプリボット
https://www.applibot.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社アプリボット
設立
2010年7月
代表者
代表取締役社長 浮田 光樹
決算期
9月
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