スクエニ株がS高、前日リリースのiOS版『ドラクエモンスターズ』がいきなり売上トップ10に食い込む サイバーエージェント株も急騰

1月24日の東京株式市場でスクウェア・エニックス<9684>株が取引制限値幅の上限(ストップ高)である前日比400円(23.8%)高の2081円まで上昇した。とういうのも、前日にリリースしたばかりの『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』がApp Storeの売上ランキング(ゲームカテゴリー)でいきなり9位(14時調べ)とトップ10に登場し、市場関係者の驚きを誘っているからだ。開発にグループ会社のCygamesが関わっていることから、サイバーエージェント<4751>株も一時ストップ高まで上げた。

『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』は人気RPG『ドラゴンクエストモンスターズ』シリーズ初の、スマートフォン・タブレット向け完全新作タイトルとなる(関連記事)。基本無料でアイテム課金型。さすが「ドラクエ」というべきか、無料人気ランキングで首位に急浮上、課金も初日から伸びている。Google Playのランキングをにぎわすのもそう遠くないだろう。

操作感はスムーズで、家庭用ゲームの「RPGらしさ」がある。分かれ道のある碁盤の目のようなダンジョンを、スライド操作で道を選びながら進んでいく。ダンジョンの気になるところはタップで調べられる。家庭用ゲーム機のRPGにあった「自分の操作でダンジョンを探索していく」というゲーム性を、完全ではないにせよ、上手く再現している。戦闘はコマンド選択型だが、タップでも戦闘を進められる。ユーザーが『ドラクエ』に期待するものを表現できていると言える。
 
 


ふくびき(ガチャ)では地図を引き、そのマップにいるモンスターを倒すと仲間にできる。課金はこのふくびきに必要なアイテムの購入のほか、モンスターや地図の所持枠を増やすときに必要となる。
 

■『ドラクエ』だからこそのスタートダッシュか

ここ最近、基本無料のゲームで売上ランキングトップ10に入ってきた話題作というと、ミクシィ<2121>の『モンスターストライク』があるが、トップ10に達するまでは3~4か月かかっている。これが通常のタイトルの推移だろう。『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』の伸びは驚異的ともいえる。
 

急速にランキング上位に顔を出した例でいえば、同じくスクエニの『ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君』。昨年12月12日に配信されたが、その当日、わずか数時間で売上ランキングの2位に浮上した。2800円の買い切りタイトルではあるが、『黒猫のウィズ』『LINEポコパン』といった人気タイトルを押しのけて、『パズル&ドラゴンズ』の背中につける力は『ドラクエ』のブランド力と言えよう。
 


『ドラクエ』というブランドによる集客力とキャラの魅力に、ユーザーが『ドラクエ』に期待するものを表現できたゲームの開発力、そして適切な運営。驚異的な売上の伸びは、この3つが重なりあっての総合的な成果だろう。このところランキング上位に入る頻度が減ったスクエニだが、新たな上位常連タイトルが出てきたと期待できる作品だ。

今後も、家庭用ゲームソフト大手が、蓄積したコンテンツを適切な形でモバイルに投入すれば、ランキング構成は大きく変動してくる可能性がある。


■『ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト』

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株式会社スクウェア・エニックス
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会社情報

会社名
株式会社スクウェア・エニックス
設立
2008年10月
代表者
代表取締役社長 桐生 隆司
決算期
3月
直近業績
売上高2428億2400万円、営業利益275億4800万円、経常利益389億4300万円、最終利益280億9600万円(2023年3月期)
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