グリー<3632>は、2月14日、2014年6月期第2四半期累計(2Q、2013年7~12月)の連結決算を発表し、都内で記者向けの決算説明会を開いた。
主力ソーシャルゲームタイトルの売り上げが低迷し、2Q(2013年10~12月)の売上高は326億円と第1四半期(13年7~9月)に比べて27億円減った。一方、営業利益は、売上高減少による減益はあったものの、コスト削減を進めたことで、同6億円減の92億円にとどまった(関連記事1)。
説明会に臨んだ田中良和社長は「2Qで事業再編していき、3Qで事業を仕込み、4Qで新しいゲームを出して売上を伸ばしていく」という方針を強調し、4Q(2014年4~6月)に売上高の増加を目指すと述べた。
その「足固め」として、海外事業が2Qで単月黒字化を達成したことを述べ、現在「利益貢献しているフェーズ(段階)に入った」と述べ、海外向けネイティブゲームアプリ『Knights & Dragons』の好調を示した。また、売上高減少の原因である国内向けゲームについては、「12月より復調しつつある」ことを強調した。
なお、前回の説明会(1Q)の「2013年4Qから2014年4Qで前年比15%減」というコスト削減目標に対して、田中社長は「前倒しで目標を達成し、責務が果たせた」「引き続き、広告宣伝費の効率化を進めていきたい」と述べた。(以下かぎ括弧内は断りが無ければ田中社長の発言。)
2Qの売上高は減収減益となったが、前回の説明会時に約束した削減目標を前倒して達成した。「売上は下がったものの、コスト削減が進み、営業利益率でみると前四半期よりも改善している」(秋山仁・執行役員常務兼管理統括本部長)と述べた。また、「1Qまでゲーム関連の特損が多く出ていたが、今回は出ていない」(秋山氏)とし、当期純利益は前期比50億円増の74億円と示した。
費用の内訳は、変動費が前期比14億円減の93億円、うち広告宣伝費が11億円減の33億円。固定費が7億円減の142億円、うちその他(業務委託費、外注費、外注加工費)が5億円減の50億円。広告宣伝費とその他(業務委託費、外注費、外注加工費)が、マスプロモーション・ネット広告の効率化、運用の効率化、中途採用抑制で会社計画よりも削減できており、「コスト削減が思ったよりもできたことで、営業利益が6億円の減少で抑えられている」(秋山氏)という。
売上の減収の背景には、コイン消費量の落ち込みがある。グリーのコイン消費の総量は470億コインとなり、久しぶりに500億コインを下回る結果となった。また、スマートフォンユーザーのコイン消費量は前期比9億減の322億コインで、コイン消費の構成比率は68%となった。
コイン消費の中でも減少が続いているウェブゲーム(ブラウザゲーム)事業に関して、田中社長は「国内のマーケットは軟調な部分もあったが、ちゃんと復調してきている」と述べた。コイン消費の月次推移は、12月に前月比15%増と復調している。これは、組織再編などの影響があっためといい、「10~11月の組織再編が完了した」ことで12月に復調。12月、1月に新しい施策として、①注力タイトルの絞り込みと既存タイトルのテコ入れ、②テレビCM及びクロスイベントの実施をしたことも奏功した。
ブラウザゲームのコイン消費は、フィーチャーフォンを中心に減少傾向であったが、自社タイトルが秋以降のテコ入れ・プロモーション効果で12月に伸び、サードパーティーの消費も新規タイトルリリースにより立ち上がりを示した。田中社長は、国内のフィーチャーフォンとスマートフォン向けブラウザゲームのコイン消費が12月に伸びていることを強調し、「ここから挽回していきたい」との意気込みを述べた。
また、「7〜12月にリリースされたサードパーティーのゲームの売上が伸びていること」も指摘。田中社長は「継続的に新しいコンテンツを出していくことで成功できると思うので、我々も作っていく」とも述べた。1月には『魔装詠唱バトルスター』をリリース、2月には『モンスターハンター ロア オブ カード』のリリースを予定(2月19日)している。同社は、下半期に順次、新規ゲームタイトルをリリースしていく方針だ。
一方、今回の説明会で田中社長が強調した海外のネイティブゲーム事業は成長は、『Knights & Dragons』の寄与が大きかった。『Knights & Dragons』は、前年度2Q(2012年10~12月)にiOS版、4Q(2013年4~6月)にAndroid版のリリース以降、約1年で月間500万ドル(約5億円)を売り上げるまでに成長した。
また、同アプリは、米国Google Playの「Players’ Choice: Top Google Play Apps and Games of 2013」というアワードの「I Can’t Quit You」部門でユーザー投票1位を獲得。田中社長は、「アメリカでも認められるゲーム作りが、我々の会社にもできると思っている」と述べた。
田中社長は海外事業を振り返り、「この3年間で売上がほぼ無いところから、現在の年間200億円までに至った」と述べ、「これから来年に向けて年300億、400億円の売上まで伸ばしていかないといけない時期に入っている。ここから利益貢献を出していきたい」と意欲を示した。
今後の売上施策について、田中社長は、『Knights & Dragons』を例にあげ、「iPhone版、Android版、多言語版、フランチャイズ版(同じゲームデザインで違うモチーフのゲームを展開していくこと)と順次リリースすることで進化させ、売上を伸ばしていく」と指摘。市場の動向をみながらフランチャイズ化を進めていく方針を示した。
なお、『Knights & Dragons』はヨーロッパ向けに他言語版のリリースを予定しており、「多言語版だけでも、売上は最低10%〜20%伸びていくことがわかっている。開発中のフランチャイズ版で売上を伸ばしていく」との期待を述べた。
ネイティブゲーム事業は「海外マーケットが順調に伸びているのに比べて、国内マーケットは若干弱い」として、国内マーケットの不調を海外マーケットが補っている状況を指摘した。国内は主にポケラボのゲームタイトルが原因としている。(関連記事2)
ポケラボは、セガと共同で『運命のクランバトル』を提供しているほか、『栄光のガーディアンバトル』、『ソード オブ ファンタジア』、『三国インフィニティ』、『戦国幻想曲』などのカードバトルをスマートフォン向けネイティブゲームアプリとして展開している。秋以降、注力タイトルの絞り込みを進め、既存のヒットタイトルや新規開発にリソース(経営資源)を再配置したことで、12月より復調しているという。
なお、ポケラボは下半期に、スマートフォンならではのゲーム性を取り入れた”アクションバトルRPG”、”横スクロールアクションRPG”、”リアルタイムストラテジー”、”アクションタワーディフェンス”の4ゲームカテゴリのリリースを予定している。
田中社長は、ネイティブの開発力強化について「USスタジオ、日本スタジオ、ポケラボの各スタジオで、課金を伴わないようなミニゲーム的なものの開発・リリースを進めている」と述べ、2月13日にリリースした『パズパズファンタジー』を例にあげた。
『パズパズファンタジー』の開発メンバーは2人で、開発期間は数週間から1か月とのこと。田中社長は『パズパズファンタジー』について、「こういうパズルゲームがうちでも作れるんだと、いうと語弊があるが、ちゃんとしたゲームに仕上がっている」と驚きと期待感をあらわにした。
田中社長は、「そもそもゲームを作る力を強化するということを考えた時、操作性や演出などの部分は、我々はまだ学んでいく途中だと思っている。小さなゲームを作りながら、どのような演出であるか、どのようなゲームデザインが受け入れられるのか、ということを探していく」と指摘。ミニゲームで得た結果を「大型ゲームへ移植して伸ばしていく」と述べ、新規タイトルや既存タイトルの開発に活用していく方針を説明した。
同社は、来期の業績予想について、前四半期までは口頭で説明していたが、今回から、新たに決算説明会資料に盛り込んだ。3Qの売上高は前期比15億円減の311億円、営業利益は前期比11億円減の81億円と減収減益を見込む。同社によれば、この数値は保守的に検討したものとのこと。秋山氏は「数字でみると2Qと比べて落ちているが、社内の状況は明るく、"新規プロダクトを出すためにこの仕込みの時期をがんばろう"と全社的に前向きな姿勢である」と述べた。
質疑応答では、3Qが2Q比で減収減益見込みと底入れ感が無い点を追求する質問が相次いだ。秋山氏は「コスト削減で、現状の業績予想よりも良い数字にもっていきたい」といい、「数字に新規プロダクトの貢献が始まるのは4Qからと見込んでおり、それまでは我慢の時期・仕込みの時期である」と述べた。一方で、秋山氏は「やらなければいけないことやリリースするものは、はっきりとしている」といい、「今は我慢の時期で4Qで反転する」ことを強調した。
田中社長は、現在、新規事業の仕込みを進めていることを明らかにし、「新規事業に、営業利益の5%(の約4.6億円)の先行投資を実施し、約30人程度のチームを作っている」と述べた。「6月までにはリリースできるように作業を進めている」と説明した。先行投資はM&A(合併&買収)ではなく、人件費などだという。
また、新規事業の詳細に関する質問については、田中社長が「今はいろんなアイデアを試している段階。Eコマース(電子商取引)のようなものもあれば、新しいメディア事業のようなもの、新しいコミュニケーションのようなものもある。今は30人くらいのチームで動いているので、様々なビジネスが検討段階にある」ことを明らかにし、「ただリリースされるかどうかはまだ分からない」と明言を避けた。
トレーディングカードゲーム事業については、「自社及び他社の有力IP(キャラクターなどの知的財産)を用いた新作トレーディングカードゲームのリリースを予定している」と述べた。地域復興を目的としたキャラクター事業については、「新しく決まっていることがあるが、またタイミングがあった時に話したい」と説明した。広告事業はリワード事業中心に好調に伸びている。
なお、決算説明会当日はバレンタインデーということもあり、来場者には同社で人気の”クリノッペ”が描かれたキットカットが配られ、同社の温かな心配りを感じた。
(C)GREE
主力ソーシャルゲームタイトルの売り上げが低迷し、2Q(2013年10~12月)の売上高は326億円と第1四半期(13年7~9月)に比べて27億円減った。一方、営業利益は、売上高減少による減益はあったものの、コスト削減を進めたことで、同6億円減の92億円にとどまった(関連記事1)。
説明会に臨んだ田中良和社長は「2Qで事業再編していき、3Qで事業を仕込み、4Qで新しいゲームを出して売上を伸ばしていく」という方針を強調し、4Q(2014年4~6月)に売上高の増加を目指すと述べた。
その「足固め」として、海外事業が2Qで単月黒字化を達成したことを述べ、現在「利益貢献しているフェーズ(段階)に入った」と述べ、海外向けネイティブゲームアプリ『Knights & Dragons』の好調を示した。また、売上高減少の原因である国内向けゲームについては、「12月より復調しつつある」ことを強調した。
なお、前回の説明会(1Q)の「2013年4Qから2014年4Qで前年比15%減」というコスト削減目標に対して、田中社長は「前倒しで目標を達成し、責務が果たせた」「引き続き、広告宣伝費の効率化を進めていきたい」と述べた。(以下かぎ括弧内は断りが無ければ田中社長の発言。)
■【2Q概要】コストコントロールの徹底、ゲーム資産関連の特損ゼロ
2Qの売上高は減収減益となったが、前回の説明会時に約束した削減目標を前倒して達成した。「売上は下がったものの、コスト削減が進み、営業利益率でみると前四半期よりも改善している」(秋山仁・執行役員常務兼管理統括本部長)と述べた。また、「1Qまでゲーム関連の特損が多く出ていたが、今回は出ていない」(秋山氏)とし、当期純利益は前期比50億円増の74億円と示した。
費用の内訳は、変動費が前期比14億円減の93億円、うち広告宣伝費が11億円減の33億円。固定費が7億円減の142億円、うちその他(業務委託費、外注費、外注加工費)が5億円減の50億円。広告宣伝費とその他(業務委託費、外注費、外注加工費)が、マスプロモーション・ネット広告の効率化、運用の効率化、中途採用抑制で会社計画よりも削減できており、「コスト削減が思ったよりもできたことで、営業利益が6億円の減少で抑えられている」(秋山氏)という。
■ 【コイン消費】コイン消費額が500億コインを下回る
売上の減収の背景には、コイン消費量の落ち込みがある。グリーのコイン消費の総量は470億コインとなり、久しぶりに500億コインを下回る結果となった。また、スマートフォンユーザーのコイン消費量は前期比9億減の322億コインで、コイン消費の構成比率は68%となった。
■ 【ブラウザ】12月から復調、サードパーティーの新規タイトルが立ち上がり
コイン消費の中でも減少が続いているウェブゲーム(ブラウザゲーム)事業に関して、田中社長は「国内のマーケットは軟調な部分もあったが、ちゃんと復調してきている」と述べた。コイン消費の月次推移は、12月に前月比15%増と復調している。これは、組織再編などの影響があっためといい、「10~11月の組織再編が完了した」ことで12月に復調。12月、1月に新しい施策として、①注力タイトルの絞り込みと既存タイトルのテコ入れ、②テレビCM及びクロスイベントの実施をしたことも奏功した。
ブラウザゲームのコイン消費は、フィーチャーフォンを中心に減少傾向であったが、自社タイトルが秋以降のテコ入れ・プロモーション効果で12月に伸び、サードパーティーの消費も新規タイトルリリースにより立ち上がりを示した。田中社長は、国内のフィーチャーフォンとスマートフォン向けブラウザゲームのコイン消費が12月に伸びていることを強調し、「ここから挽回していきたい」との意気込みを述べた。
また、「7〜12月にリリースされたサードパーティーのゲームの売上が伸びていること」も指摘。田中社長は「継続的に新しいコンテンツを出していくことで成功できると思うので、我々も作っていく」とも述べた。1月には『魔装詠唱バトルスター』をリリース、2月には『モンスターハンター ロア オブ カード』のリリースを予定(2月19日)している。同社は、下半期に順次、新規ゲームタイトルをリリースしていく方針だ。
■【ネイティブ・海外】『Knights & Dragon』は月5億円の売上、海外事業の単月黒字化へ寄与
一方、今回の説明会で田中社長が強調した海外のネイティブゲーム事業は成長は、『Knights & Dragons』の寄与が大きかった。『Knights & Dragons』は、前年度2Q(2012年10~12月)にiOS版、4Q(2013年4~6月)にAndroid版のリリース以降、約1年で月間500万ドル(約5億円)を売り上げるまでに成長した。
また、同アプリは、米国Google Playの「Players’ Choice: Top Google Play Apps and Games of 2013」というアワードの「I Can’t Quit You」部門でユーザー投票1位を獲得。田中社長は、「アメリカでも認められるゲーム作りが、我々の会社にもできると思っている」と述べた。
田中社長は海外事業を振り返り、「この3年間で売上がほぼ無いところから、現在の年間200億円までに至った」と述べ、「これから来年に向けて年300億、400億円の売上まで伸ばしていかないといけない時期に入っている。ここから利益貢献を出していきたい」と意欲を示した。
今後の売上施策について、田中社長は、『Knights & Dragons』を例にあげ、「iPhone版、Android版、多言語版、フランチャイズ版(同じゲームデザインで違うモチーフのゲームを展開していくこと)と順次リリースすることで進化させ、売上を伸ばしていく」と指摘。市場の動向をみながらフランチャイズ化を進めていく方針を示した。
なお、『Knights & Dragons』はヨーロッパ向けに他言語版のリリースを予定しており、「多言語版だけでも、売上は最低10%〜20%伸びていくことがわかっている。開発中のフランチャイズ版で売上を伸ばしていく」との期待を述べた。
■ 【ネイティブ・国内】ポケラボは12月より復調、4ジャンルの新作を投入予定
ネイティブゲーム事業は「海外マーケットが順調に伸びているのに比べて、国内マーケットは若干弱い」として、国内マーケットの不調を海外マーケットが補っている状況を指摘した。国内は主にポケラボのゲームタイトルが原因としている。(関連記事2)
ポケラボは、セガと共同で『運命のクランバトル』を提供しているほか、『栄光のガーディアンバトル』、『ソード オブ ファンタジア』、『三国インフィニティ』、『戦国幻想曲』などのカードバトルをスマートフォン向けネイティブゲームアプリとして展開している。秋以降、注力タイトルの絞り込みを進め、既存のヒットタイトルや新規開発にリソース(経営資源)を再配置したことで、12月より復調しているという。
なお、ポケラボは下半期に、スマートフォンならではのゲーム性を取り入れた”アクションバトルRPG”、”横スクロールアクションRPG”、”リアルタイムストラテジー”、”アクションタワーディフェンス”の4ゲームカテゴリのリリースを予定している。
■【開発力強化】少人数×短期間で無課金ゲーム開発、新規・既存タイトルへフィードバック
田中社長は、ネイティブの開発力強化について「USスタジオ、日本スタジオ、ポケラボの各スタジオで、課金を伴わないようなミニゲーム的なものの開発・リリースを進めている」と述べ、2月13日にリリースした『パズパズファンタジー』を例にあげた。
『パズパズファンタジー』の開発メンバーは2人で、開発期間は数週間から1か月とのこと。田中社長は『パズパズファンタジー』について、「こういうパズルゲームがうちでも作れるんだと、いうと語弊があるが、ちゃんとしたゲームに仕上がっている」と驚きと期待感をあらわにした。
田中社長は、「そもそもゲームを作る力を強化するということを考えた時、操作性や演出などの部分は、我々はまだ学んでいく途中だと思っている。小さなゲームを作りながら、どのような演出であるか、どのようなゲームデザインが受け入れられるのか、ということを探していく」と指摘。ミニゲームで得た結果を「大型ゲームへ移植して伸ばしていく」と述べ、新規タイトルや既存タイトルの開発に活用していく方針を説明した。
■【業績予想】売上高311億円、営業利益81億円、「まだ3Qまでは仕込みの時期」
同社は、来期の業績予想について、前四半期までは口頭で説明していたが、今回から、新たに決算説明会資料に盛り込んだ。3Qの売上高は前期比15億円減の311億円、営業利益は前期比11億円減の81億円と減収減益を見込む。同社によれば、この数値は保守的に検討したものとのこと。秋山氏は「数字でみると2Qと比べて落ちているが、社内の状況は明るく、"新規プロダクトを出すためにこの仕込みの時期をがんばろう"と全社的に前向きな姿勢である」と述べた。
質疑応答では、3Qが2Q比で減収減益見込みと底入れ感が無い点を追求する質問が相次いだ。秋山氏は「コスト削減で、現状の業績予想よりも良い数字にもっていきたい」といい、「数字に新規プロダクトの貢献が始まるのは4Qからと見込んでおり、それまでは我慢の時期・仕込みの時期である」と述べた。一方で、秋山氏は「やらなければいけないことやリリースするものは、はっきりとしている」といい、「今は我慢の時期で4Qで反転する」ことを強調した。
■【新規事業】営業利益の5%を投資、30名のチーム体制でビジネス育成
田中社長は、現在、新規事業の仕込みを進めていることを明らかにし、「新規事業に、営業利益の5%(の約4.6億円)の先行投資を実施し、約30人程度のチームを作っている」と述べた。「6月までにはリリースできるように作業を進めている」と説明した。先行投資はM&A(合併&買収)ではなく、人件費などだという。
また、新規事業の詳細に関する質問については、田中社長が「今はいろんなアイデアを試している段階。Eコマース(電子商取引)のようなものもあれば、新しいメディア事業のようなもの、新しいコミュニケーションのようなものもある。今は30人くらいのチームで動いているので、様々なビジネスが検討段階にある」ことを明らかにし、「ただリリースされるかどうかはまだ分からない」と明言を避けた。
■【エンタメ事業】新規トレーディングカードゲーム、新規キャラクタービジネスに期待
トレーディングカードゲーム事業については、「自社及び他社の有力IP(キャラクターなどの知的財産)を用いた新作トレーディングカードゲームのリリースを予定している」と述べた。地域復興を目的としたキャラクター事業については、「新しく決まっていることがあるが、またタイミングがあった時に話したい」と説明した。広告事業はリワード事業中心に好調に伸びている。
なお、決算説明会当日はバレンタインデーということもあり、来場者には同社で人気の”クリノッペ”が描かれたキットカットが配られ、同社の温かな心配りを感じた。
関連サイト
(C)GREE
会社情報
- 会社名
- グリー株式会社
- 設立
- 2004年12月
- 代表者
- 代表取締役会長兼社長 田中 良和
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3632