【インタビュー】『サモンズボード』×『メルクストーリア』の1周年コラボ概要を開発陣に直撃。コラボ限定の小粋な演出が随所に散りばめられている
ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>は、スマートフォン向けボードゲーム『サモンズボード』で、Happy Elementsの人気ラインストラテジーRPG『メルクストーリア - 癒術士と鈴のしらべ -』とのコラボレーション企画を近日実施する。
そこで本稿では、ガンホーから『サモンズボード』のプロデューサー・荻原氏、そしてHappy Elementsから『メルクストーリア』のプロデューサー・松村氏より、コラボの経緯や概要についてインタビューを実施してきた。
■コラボ限定の小粋な演出が、随所に散りばめられている
ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
『サモンズボード』プロデューサー
荻原氏(写真右)
Happy Elements 株式会社
『メルクストーリア』プロデューサー
松村氏(写真左)
――:本日はよろしくお願いします。今回、『サモンズボード』と『メルクストーリア』がコラボするとのことですが、まずは、そもそものコラボ経緯について教えてください。
荻原氏(以下、荻原):じつは、もともと『サモンズボード』と『メルスト』は非常に近い時期にリリースされたタイトルになります。
当時から気になっており、私もよくプレイさせていただいているのですが、とにかくクオリティの高さに驚きました。ラインディフェンスの新しいタイプのRPGというだけではなく、キャラクターも個性的で可愛く、ギルドシステムについても感心させられることが多々ありました。
そして2014年の夏頃に具体的なコラボの話が社内でも持ち上がり、気を利かせたマーケティングチームが担当の方と繋いでくれたのです。そこからは、企画書を手に直接Happy Elementsさんにお伺いし、コラボを提案しに行きました。なかば「(ゲームが)好きです、(コラボ)やらせてください!」と熱意をぶつけていった感じですね(笑)。
――:パッションですね(笑)。当時、ガンホーさんが訪問されたとき、Happy Elementsさんはいかがでしたか。
松村氏(以下、松村):ガンホーさんからお声がけいただいたことも驚きですし、何より『メルスト』が好きという想いが本当に強く伝わってきたのが、光栄でした。双方、戦略性のあるタイトルということもあり、これは楽しいコラボになりそうだと思い、お引き受けしました。
――:それでは、具体的なコラボ概要についてお聞きしていきます。まず『サモンズボード』では、どのような立て付けになっていますか。
荻原:『サモンズ』側では、大きく「専用のイベントダンジョン」「専用ガチャ」の2つを考えています。「専用のイベントダンジョン」では、『メルスト』のコラボダンジョンが登場します。従来通り難易度は4つありますが、一番簡単なものに関しては、チュートリアル終了後のユーザーさんでもクリアーできるレベルに抑えています。
ダンジョン構成は、『メルスト』にも実際ある風景を参考に、背景をこちらで描き下ろさせていただき、楽曲はHappy Elementsさんにご提供いただきました。また、今回はテクニカルダンジョン形式を採用しており、マス目は通常の4×4ではなく、5×5となっています。
――:5×5を採用した理由などは。
荻原:ダンジョンの最後には、『メルスト』の主人公でもある癒術士が待ち構えているのですが、彼はゲームの通り様々なキャラクターを召喚していきます。加えて、召喚するキャラクターを倒しても、ボスの癒術士を倒すまでキャラクターが召喚されてしまうため、より広いダンジョンが望ましいと考え、今回のコラボダンジョンでは5×5を採用しています。とはいえ、いつかは『メルスト』で言う癒力も枯渇するため、永遠にユニットが召喚され続けることはありません。
ただし、難易度が上がると苦戦が強いられると思います。召喚されるキャラクターには回復スキルを使用するキャラクターも出てくるため、「誰から倒していいか…」という戦略性が問われる瞬間が出てきます。既存ユーザーさんにとっては、これまでとは違う新しいボスの仕組みとして楽しめますし、なおかつやり応えのあるバトルが展開できると思います。
▲最後に待ち構える癒術士
――:なるほど。このほか、『メルスト』ならではの演出は取り入れたのでしょうか。
荻原:工夫したのは、敵の登場シーンです! 通常『サモンズ』では敵が地面から出てくるのですが、今回は『メルスト』のライン感を意識して、敵を左から右にスライドして登場させるという演出に切り替えました。一番奥に癒術士がボスとして待ち受けているため、彼が召喚したキャラクターを送り込んでいるというイメージとなっています。
また、ボス出現時のアラートも『メルスト』の演出を踏襲しています。そういう意味では、『メルスト』のユーザーさんが初めてプレイしても「ちゃんと『メルスト』だ」と感じていただけるように工夫しました。
――:なかなか芸が細かいですね。
荻原:じつは、まだあります。『メルスト』ではスキル発動時にカットインが入るのですが、その演出を『サモンズ』で登場する『メルスト』キャラクターにも取り入れています。カットイン演出も1通りではなく、上から下から斜めなど複数パターンを用意しています。大きいサイズで出てくるため、キャラクターの格好いい一面が垣間見られるかと思います。『サモンズ』のキャラクターにはまだ取り入れられていないですが、今後の反響次第では検討していきます。
▲カットイン演出
――:『メルスト』のコラボキャラクターはどのように入手できるのでしょうか。
荻原:ダンジョンでドロップするキャラクターのほか、専用ガチャも実装しますし、コラボ期間中に『メルスト』を遊んでくださったユーザーさんには、『サモンズ』内で「メルク」が手に入ります。また、ダンジョンでドロップするキャラクターに関しては、『サモンズ』のモンスターのスキルレベル上げにも利用できるため、既存のユーザーさんにも役立つものかと思います。
▲メルク
――:コラボキャラクターはだいたい何体ぐらい用意していますか。
荻原:進化後も含めると29体となります。幸いにも『メルスト』で人気投票を開催されていたので、そこから上位のキャラクターを中心に選定していきました。
▲癒術士
▲フィーリア
▲アレク
▲ステラ
▲シエット
▲ハルシュト
▲トレノセリカ
▲つらら
▲アロイス
――:ちなみに、荻原さんが個人的に好きなキャラクターはなんでしょうか。
荻原:アロイスですね! 見た瞬間にビビっときました。また、人気投票の1位のハルシュトには、特別に新スキルを実装しようと進めています。ほかのキャラクターも、既存のスキルを上手く組み合わせるような形でバリエーションを作っていきます。
荻原:アロイスですね! 見た瞬間にビビっときました。また、人気投票の1位のハルシュトには、特別に新スキルを実装しようと進めています。ほかのキャラクターも、既存のスキルを上手く組み合わせるような形でバリエーションを作っていきます。
▲ハルシュトの新スキル
――:今回コラボキャラクターは、ガンホーさんの 描き下ろしとのことですが、Happy Elementsさんにご監修いただいたということでしょうか。
荻原:はい。イラストとバトルアイコンの両方を手掛けました。個人的にバトルアイコンはゲーム内でもとても馴染んでいますし、アニメーションも可愛く動いています。ご監修の際には、たとえば「メルク」の場合に「ここは足は描かないでください」「ここの肌色は見せないでください」など、細かくブラッシュアップしていただけたおかげで、再現度を高めることができました。
荻原:はい。イラストとバトルアイコンの両方を手掛けました。個人的にバトルアイコンはゲーム内でもとても馴染んでいますし、アニメーションも可愛く動いています。ご監修の際には、たとえば「メルク」の場合に「ここは足は描かないでください」「ここの肌色は見せないでください」など、細かくブラッシュアップしていただけたおかげで、再現度を高めることができました。
【バトルアイコン】
――:ガンホーさんが新規に描き下ろしたキャラクターを見て、Happy Elementsさん側はいかがでしたか。
松村:弊社のイラストレーターたちも非常に楽しく監修させていただきました。キャラクターのデザインや表情に関しては、かなり細かいところまでこだわりがあるため、色々ご指摘させていただきましたが、それでも全体的にクオリティが高かったので、作業はスムーズに進んでいきましたね。バトルアイコンは、『メルスト』とは全然違う形でデフォルメされたキャラクターで、スキル発動時の細かいところまで綺麗に動くアニメーションは、チーム一同喜んでいました。
荻原:進化前のキャラクターはスキルを持っていないのですが、きちんとスキルアニメーションを作っております。閲覧方法は、キャラクターのステータス画面でバトルアイコンをタップすることで動いてくれます。
松村:弊社のイラストレーターたちも非常に楽しく監修させていただきました。キャラクターのデザインや表情に関しては、かなり細かいところまでこだわりがあるため、色々ご指摘させていただきましたが、それでも全体的にクオリティが高かったので、作業はスムーズに進んでいきましたね。バトルアイコンは、『メルスト』とは全然違う形でデフォルメされたキャラクターで、スキル発動時の細かいところまで綺麗に動くアニメーションは、チーム一同喜んでいました。
荻原:進化前のキャラクターはスキルを持っていないのですが、きちんとスキルアニメーションを作っております。閲覧方法は、キャラクターのステータス画面でバトルアイコンをタップすることで動いてくれます。
■『メルスト』では主人公の過去と未来の姿が公開…
――:それでは、ここからは『メルスト』におけるコラボ概要をお伺いしたいと思います。
松村:『メルスト』では、同じように「コラボクエスト」を用意しています。これまでも『メルスト』では色々なタイトルとコラボしてきましたが、じつは今回はいつもと違う形になっています。
本作にはクエストの難易度が初級・中級・上級・特級とあるのですが、今回は『サモンズボード』に登場する時空を司る運命の3女神のキャラクターを中心としたステージにし、過去編・現在編・未来編・異次元編と4つのクエストを用意しました。
過去編は「ウルド」、現在編は「ベルダンディ」、未来編は「スクルド」が登場するような形になっています。はじめは異次元編がロックされている状態になっていますが、過去編と現在編と未来編を何度かクリアーし、それぞれのストーリーを進めていくことでアンロックされます。
▲過去編「ウルド」
▲現在編「ベルダンディ」
▲未来編「スクルド」
――:難易度選択ではないのですね。このほか特徴はありますか。
松村:これまで『メルスト』のコラボイベントでは、特攻効果を持ったユニットを実装していなかったのですが、今回はじめて特攻効果を付けることにしました。手に入るコラボキャラクターの「ウルド」「ベルダンディ」「スクルド」の3人は、それぞれが特攻ユニットとして異次元編のクエストで活躍してくれるようになっています。
そのため、『サモンズボード』からいらっしゃった新規のユーザーさんにおいても、はじめたばかりでは異次元編を攻略するのは難しいですが、今回入手できるコラボキャラクターを育成していくことで、クリアーしやすいような形になっています。
▲コラボクエスト画面
――:また『メルスト』と言えば、賑やかなストーリーも特徴ですよね。
松村:ええ。『メルスト』のユーザーさんも毎回、ストーリーをとても楽しみにしています。『サモンズボード』のキャラクターは、特別喋ることや詳細な設定がないため、弊社のシナリオライターと一緒に3女神が『メルスト』の世界観のなかで、違和感なく馴染んでいくようにコラボストーリーを書き下ろさせていただきました。
荻原:これは私としても嬉しいことです。『サモンズボード』のユーザーさんにも実際にキャラクターが喋って、性格付けがされることを楽しんでいただけるかと思います。
松村:ちなみに『メルスト』のユーザーさんのなかでは、主人公ファンが結構いるのですが、今回「時空を司る3女神」と絡めたストーリーになるため、主人公の若返った姿や年をとった姿など、このコラボイベントのために主人公の新規イラストを描き下ろしました。ぜひ『サモンズボード』のキャラクターと主人公たちの会話劇を楽しんでいただければと思います。
――:松村さんが思う『サモンズボード』の魅力は。
松村:何点かあるのですが、一番は手軽に遊べるルールでありながら、戦略性が深いところですね。また、育成要素もやり応えがあって、進化モンスターや膨大なスキルの数も魅力だと感じています。あとは、リリース当初からUI(ユーザーインターフェイス)にこだわられていて、丁寧な仕事がゲームから伝わってきます。
――:一方、荻原さんが思う『メルスト』の魅力は……冒頭にもお聞きしましたが改めて(笑)。
荻原:やはり洗練されたギルド機能ですね。コミュニティ構築の仕方であったり、コミュニケーションボードの置き方であったり、きちんとギルドを主軸とした遊び方を提案しているのが、ゲームデザインとしても感心しています。それからバトル中に他プレイヤーが参加してくる光景も、画面を見ているだけでも楽しいと感じます。あとは何よりもシナリオですね。ひとつひとつ細かい世界観の作り込みには驚かされます。
――:それでは、各タイトルの今後の展望も含めて、最後にメッセージをお願いします。
荻原:ギルド要素を筆頭に、2015年はみんなで遊べるコンテンツ作りを強化していきたいと思っています。また、間もなくサービス開始1周年となり、アニバーサリーイベントも準備しています。『メルスト』のコラボイベントも様々な演出が随所に散りばめているので、ぜひ楽しみしてもらえればと思います。
松村:『メルスト』に関しても具体的にはまだお伝えできないのですが、ユーザーの皆様に引き続き楽しんでいただけるような機能を追加していきたいと考えております。そして、直近となるコラボイベントでは、ユニークなストーリーが見られると思いますので、ぜひ遊んでみてください。
――:本日はありがとうございました。
(取材・文:編集部 原孝則)
■『サモンズボード』
■『メルクストーリア - 癒術士と鈴のしらべ -』
© GungHo Online Entertainment, Inc. All Rights Reserved.
© Happy Elements K.K All Rights Reserved
会社情報
- 会社名
- ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社
- 設立
- 1998年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森下 一喜
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高1253億1500万円、営業利益278億8000万円、経常利益293億800万円、最終利益164億3300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3765