【モブキャスト決算説明会】研究費用の先行投資で赤字幅拡大も、スマホ版『ルミネス』のマルチ対戦導入に意欲 『18』『ダッシュ』のTVCMも予定
モブキャスト<3664>は8月6日、2015年12月期第2四半期(2Q、4-6月期)の連結決算を発表し、都内で決算説明会を開催した。売上高は17億6800万円(前年同期比13.0%減)、営業損益1億5800万円の赤字(前年同期2億1200万円の黒字)、経常損益1億5200万円の赤字(同2億1300万円の黒字)、四半期純利益1億2700万円の赤字(同1億5800万円の黒字)となった。
説明会で藪考樹社長は、ネイティブゲームへの先行投資により営業損失になったことを説明。また、『【18】』と『爆走!モンスターダッシュ』のネイティブゲーム2タイトルにて、テレビCMを含む大規模プロモーションを予定していることも明らかにした。(以下、かぎ括弧内は藪社長の発言)
業績を四半期別(QonQ)で見てみると、売上高は8.4%と微増。おもなハイライトでは、2015年3月12日にリリースされたネイティブゲーム『【18】』が順調な立ち上がりを見せ、2Qの売上に貢献したことが挙げられる。同作は韓国版のリリースを控えているが、国内版が好調に推移していることから「子会社・mobcast koreaによる韓国版の開発を一度緩め、日本チームと合流して国内版を強化している」と、現在の開発体制について触れた。ゲーム内では、新ステージの追加やアニメ「サイコパス」のIPコラボなどを実施。また、売上への寄与は第3四半期(3Q、7-9月期)以降だが、新作ネイティブゲーム『爆走!モンスターダッシュ』が2015年7月2日にリリースされた。
ブラウザゲームは、プラットフォーム「mobcast」の新規獲得会員数が約11万人(前四半期:約16万人)と引き続き10万人以上を維持している。パートナーゲームは、『ボクらのポケットダンジョン2』(enish<3667>)と『桃色大戦ぱいろん~モバ雀~』(エクストリーム<6033>)の2タイトルが配信開始。
海外展開では、新作サッカーゲーム『Football Master -Chain Eleven-』(以下、『Football Master』)を、Gala Sports Technology(本社:中華人民共和国香港特別行政区)と共同開発契約を締結した。同作は2015年9月にリリース予定。また、世界最大のゲーム見本市・E3(Electronic Entertainment Expo)に出展し、既存タイトルの欧米展開の取引先を開拓開始。
▲QonQでは、2Q期間は売上高が9億2000万円(前四半期比8.5%)と7四半期ぶりの増収に転じる一方で、営業損益は1億800万円の赤字(前四半期5000万円の赤字)、経常損益9600万円の赤字(同5600万円の赤字)、四半期純損益7200万円の赤字(同5500万円の赤字)と赤字幅が拡大した。ちなみにネイティブゲーム関連の売上は1億円に到達せず。売上のほとんどは『【18】』で『ドラゴンスピンZ』の寄与は軽微とのこと。
▲費用の推移では、ロイヤリティで6000万円、その他で5000万円増加。前者は、海外含めサッカーゲームの開発に伴い発生した一時的なFIFProライセンス料の支払い。後者は、来年度以降にリリースするスマホ版『ルミネス』『メテオス』の開発基盤のエンジンを開発するための研究費用で増加したとのこと。それらを合算して、前述した1億円の営業損失に繋がっている。
続いて2015年12月期3Qの施策について。リリースされたばかりの『爆走!モンスターダッシュ』は、わずか3週間で100万ダウンロードを達成するなどの好調な初速を見せる。本作は、個性豊かなモンスターが彩り豊かな大地を駆け抜けるダッシュバトルゲーム。最大の魅力である"マルチ対戦機能"では、最大4人が同時にダッシュバトルを楽しむことができ、同社の大ヒットタイトル『モバプロ』『モバサカ』を開発した国内の精鋭メンバーたちによる最新作でもある。
「競合他社にはないレースゲームを展開。時間に限らず積極的に4人でマルチプレイを遊ぶ人が多い」と藪氏。今後はインセンティブなどを付けて、さらにマルチプレイの盛り上がりを促していくという。
逐次アップデートを繰り返している『【18】』は、同社が掲げているKPI(重要業績評価指標)において、継続率・課金率のふたつの要素をクリアーしているが、ARPPU(1人当たりの平均売上高)が予想よりも低いとのこと。今後は、ユーザー同士の競争を促すための同社独自のゲーム内システム、「SVS(Social Victory Space)」の概念を取り入れた大型アップデートを2015年9月頭に実施し、巻き返しを図る。
なお、上記2タイトルはテレビCMを含む大規模プロモーションを展開予定。
ブラウザゲームでは、コーエーテクモゲームスとの共同開発タイトル『モバノブ』を「dゲーム」で配信したほか、パートナータイトルを1本配信予定。
海外展開では、『爆走!モンスターダッシュ』の韓国版を8月中旬にリリース予定のほか、『Football Master』を9月末にリリース予定。藪氏は『Football Master』について、「共同開発を行うGala Sportsがすでに自社のサッカーゲームでヒット作を生み出しており、それらの会員数や売上を母体に、モブキャストが持つFIFProのライセンスとノウハウを組み合わせていく。そのため、最低限の売上は見込めている」と意欲を示した。また、現在交渉中とのことだが、『モバサカ』のネイティブゲーム版を中国ゲームデベロッパーと世界配信に向け共同開発を進めているという。
さらに、既存・新作含め、複数タイトルについては中華圏・英語圏をはじめとする複数地域へライセンスアウトを伸張。海外版『【18】』は、香港通信キャリアを経て香港・マカオ・台湾にて展開、そして国内有名アニメIPを中国有力のプラットフォーマーへも交渉中とのこと。
▲韓国版『爆走!モンスターダッシュ』は、日本国内の初速が良かったため『【18】』より優先してリリースしていく。
©mobcast inc. All rights reserved.
説明会で藪考樹社長は、ネイティブゲームへの先行投資により営業損失になったことを説明。また、『【18】』と『爆走!モンスターダッシュ』のネイティブゲーム2タイトルにて、テレビCMを含む大規模プロモーションを予定していることも明らかにした。(以下、かぎ括弧内は藪社長の発言)
■1.58億円の営業赤字を計上するも『【18】』が売上を支える
業績を四半期別(QonQ)で見てみると、売上高は8.4%と微増。おもなハイライトでは、2015年3月12日にリリースされたネイティブゲーム『【18】』が順調な立ち上がりを見せ、2Qの売上に貢献したことが挙げられる。同作は韓国版のリリースを控えているが、国内版が好調に推移していることから「子会社・mobcast koreaによる韓国版の開発を一度緩め、日本チームと合流して国内版を強化している」と、現在の開発体制について触れた。ゲーム内では、新ステージの追加やアニメ「サイコパス」のIPコラボなどを実施。また、売上への寄与は第3四半期(3Q、7-9月期)以降だが、新作ネイティブゲーム『爆走!モンスターダッシュ』が2015年7月2日にリリースされた。
ブラウザゲームは、プラットフォーム「mobcast」の新規獲得会員数が約11万人(前四半期:約16万人)と引き続き10万人以上を維持している。パートナーゲームは、『ボクらのポケットダンジョン2』(enish<3667>)と『桃色大戦ぱいろん~モバ雀~』(エクストリーム<6033>)の2タイトルが配信開始。
海外展開では、新作サッカーゲーム『Football Master -Chain Eleven-』(以下、『Football Master』)を、Gala Sports Technology(本社:中華人民共和国香港特別行政区)と共同開発契約を締結した。同作は2015年9月にリリース予定。また、世界最大のゲーム見本市・E3(Electronic Entertainment Expo)に出展し、既存タイトルの欧米展開の取引先を開拓開始。
▲QonQでは、2Q期間は売上高が9億2000万円(前四半期比8.5%)と7四半期ぶりの増収に転じる一方で、営業損益は1億800万円の赤字(前四半期5000万円の赤字)、経常損益9600万円の赤字(同5600万円の赤字)、四半期純損益7200万円の赤字(同5500万円の赤字)と赤字幅が拡大した。ちなみにネイティブゲーム関連の売上は1億円に到達せず。売上のほとんどは『【18】』で『ドラゴンスピンZ』の寄与は軽微とのこと。
▲費用の推移では、ロイヤリティで6000万円、その他で5000万円増加。前者は、海外含めサッカーゲームの開発に伴い発生した一時的なFIFProライセンス料の支払い。後者は、来年度以降にリリースするスマホ版『ルミネス』『メテオス』の開発基盤のエンジンを開発するための研究費用で増加したとのこと。それらを合算して、前述した1億円の営業損失に繋がっている。
■『【18】』『モンスターダッシュ』のテレビCMも予定
続いて2015年12月期3Qの施策について。リリースされたばかりの『爆走!モンスターダッシュ』は、わずか3週間で100万ダウンロードを達成するなどの好調な初速を見せる。本作は、個性豊かなモンスターが彩り豊かな大地を駆け抜けるダッシュバトルゲーム。最大の魅力である"マルチ対戦機能"では、最大4人が同時にダッシュバトルを楽しむことができ、同社の大ヒットタイトル『モバプロ』『モバサカ』を開発した国内の精鋭メンバーたちによる最新作でもある。
「競合他社にはないレースゲームを展開。時間に限らず積極的に4人でマルチプレイを遊ぶ人が多い」と藪氏。今後はインセンティブなどを付けて、さらにマルチプレイの盛り上がりを促していくという。
逐次アップデートを繰り返している『【18】』は、同社が掲げているKPI(重要業績評価指標)において、継続率・課金率のふたつの要素をクリアーしているが、ARPPU(1人当たりの平均売上高)が予想よりも低いとのこと。今後は、ユーザー同士の競争を促すための同社独自のゲーム内システム、「SVS(Social Victory Space)」の概念を取り入れた大型アップデートを2015年9月頭に実施し、巻き返しを図る。
なお、上記2タイトルはテレビCMを含む大規模プロモーションを展開予定。
ブラウザゲームでは、コーエーテクモゲームスとの共同開発タイトル『モバノブ』を「dゲーム」で配信したほか、パートナータイトルを1本配信予定。
海外展開では、『爆走!モンスターダッシュ』の韓国版を8月中旬にリリース予定のほか、『Football Master』を9月末にリリース予定。藪氏は『Football Master』について、「共同開発を行うGala Sportsがすでに自社のサッカーゲームでヒット作を生み出しており、それらの会員数や売上を母体に、モブキャストが持つFIFProのライセンスとノウハウを組み合わせていく。そのため、最低限の売上は見込めている」と意欲を示した。また、現在交渉中とのことだが、『モバサカ』のネイティブゲーム版を中国ゲームデベロッパーと世界配信に向け共同開発を進めているという。
さらに、既存・新作含め、複数タイトルについては中華圏・英語圏をはじめとする複数地域へライセンスアウトを伸張。海外版『【18】』は、香港通信キャリアを経て香港・マカオ・台湾にて展開、そして国内有名アニメIPを中国有力のプラットフォーマーへも交渉中とのこと。
▲韓国版『爆走!モンスターダッシュ』は、日本国内の初速が良かったため『【18】』より優先してリリースしていく。
来年度にリリース予定のスマホ版『ルミネス』は、前述したように先行投資として研究費用が充てられている。具体的にはマルチ対戦の導入が進められており、藪氏は「『爆走!モンスターダッシュ』の感触が良かったため、必ず『ルミネス』でもマルチ対戦を入れるようにする」とした。
なお、同社は、新規タイトルについての不確実性が高いことから、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるとし、連結業績予想については開示していない。
なお、同社は、新規タイトルについての不確実性が高いことから、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるとし、連結業績予想については開示していない。
(編集部 原孝則)
©mobcast inc. All rights reserved.
会社情報
- 会社名
- 株式会社モブキャストホールディングス
- 設立
- 2004年3月
- 代表者
- 代表取締役CEO 藪 考樹
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3664