CRI・ミドルウェア<3698>は、「東京ゲームショウ」のビジネスデイ(9月17日・18日)で、超高速・高精度な楽曲解析を実現する新製品「BEATWIZ(ビートウィズ)」を出展した。
「BEATWIZ」は、楽曲を入力するだけでテンポ(BPM=Beat Per Minute、速さ)、ビート(拍子)、サビ(盛り上がり)などの情報を瞬時に解析・検出する楽曲解析ミドルウェアとなる。
ブースでは、「BEATWIZ」の楽曲解析の様子がビジュアルでわかるビジュアライザーツールや、好きな楽曲をその場で解析して自動で音楽ゲームを生成するサンプルデモを行った。
今回、サービスの特徴についてショートインタビューを行った。サービスの詳細は関連記事やサービス紹介サイトを参照のこと。
―――:開発の経緯を教えていただけますか?
ご存知のように最近、音楽ゲームが非常に流行しています。そのなかでもモバイルゲームなどについては、端末に入っている楽曲を使って音楽ゲームが遊べるようにできないか、というお話をいただくことが増えてきました。当社は、昔から楽曲からビートを取り出す技術を開発していましたので、そのまとめとして開発しました。
オーディオフォルダに楽曲のファイルを入れ、「BEATWIZ」を起動し、ボタンを押すだけですぐに解析を行います。画面をご覧になるとわかりますが、楽曲の長さ、BPM(音楽で演奏のテンポを示す単位)、拍子、オフセットなどを解析します。今回の事例では、3分の曲は0.73秒で解析しています。700~800倍の速さです。楽曲の盛り上がりなどもビジュアルとして表示できます。
―――:プレスリリースだと0.1秒でしたね。さらに早くなっているんですね。
はい。バッチ処理による解析だけでなく、リアルタイムでの解析にも対応しています。いまお話したところがここまでがメインですが、おまけ機能として、音楽の盛り上がりを計測して、わかりやすく表示するといったことも行っています。さらに、バスドラムのような特定の打楽器を追跡して光らせることもできます。お聞きになって分かるように高い精度で解析が可能になっています。
―――:(聞いてみて)たしかにかなりの精度ですね。
ここから先はゲーム会社の行うことになりますが、例えば、テンポの落ち着いたところでは抑えたダンスモードを、そして盛り上がっているときは盛り上がっているダンスモードを入れることで、ユーザーが好きな楽曲を読み込んでリズムゲームが楽しめるようになります。
―――:こちらを使って音楽ゲームを作ると、かなり作業負担が楽になりそうですね。
いままでゲーム会社では先ほど表示したデータを手で計算しながら打ち込んでいったのですが、「BEATWIZ」を使うことでその作業負担を減らすことができます。正答率は90%くらいです。ただ、テンポの変動する曲など、どうしても解析できない楽曲がありますので、そちらは昔ながらのやり方でやっていただくことになるかと思います。
―――:ゲーム会社などにテスト版を提供しているかと思いますが、反響はいかがでしょうか。
具体的な社名は出せないですが、数社に使っていただいています。作業時間は5分の1程度になった、ワークフローの短縮が進んだというお話をいただいており、総じて好評です。
―――:作業負担の軽減以外のメリットとしてどういったものが考えられるでしょうか。
コンテンツの寿命の長期化にも寄与できると思います。ゲームユーザーが自分の好きな曲を使って音ゲーを楽しめるようになりますし、これは著作権との関連で注意する必要がありますが、ユーザー同士で同じ楽曲のダンスデータをやりとりするといったことも可能になります。
―――:楽曲追加の作業量も減るわけですからアップデートの頻度も高くできますね。今回出展されていて反響はいかがですか?
ゲーム業界の方や組み込み業界など様々な方面から興味を持っていただいています。今後もバージョンアップを重ね解析の精度と速度をあげていき、多くの方に利用していただきたいと考えています。
―――:お忙しい中、ありがとうございました。
(編集部 木村英彦)
■関連サイト
会社情報
- 会社名
- 株式会社CRI・ミドルウェア
- 設立
- 2001年8月
- 代表者
- 代表取締役会長 鈴木 正彦/代表取締役社長 押見 正雄
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高31億6700万円、営業利益3億6800万円、経常利益3億8300万円、最終利益3億400万円(2024年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3698