【インタビュー】「バトルの爽快感を究極までに引き出した」…元エイリム代表の早貸氏が新天地で挑む新作RPG『グランドサマナーズ』 ゲーム画像を含め詳細に迫る


エイリムの代表取締役社長を務めていた早貸久敏氏は、2016年1月27日に新会社アイディスを設立し、今春リリース予定の新作アプリ『グランドサマナーズ』の監修を担う。
 
早貸氏と言えば、2001年よりモバイル向けゲームの開発に従事し、2013年に総監督として『ブレイブ フロンティア』を生み出し、その後はスクウェア・エニックス社と『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』を開発したゲームクリエイター。そして、先日発表された『グランドサマナーズ』は、早貸氏が監修を務め、パブリッシャーとしてフィギュアメーカーであるグッドスマイルカンパニー、開発にNextNinjaを迎えた3社間による取り組みとなる。
 
本稿では、アイディスの早貸久敏氏、NextNinjaの代表取締役社長 兼 CEO 山岸聖幸氏のおふたりにインタビューを実施。早貸氏の新会社設立の経緯はもちろん、気になる新作アプリ『グランドサマナーズ』(以下、『グラサマ』)のゲーム概要を掘り下げて伺ってきた。

 

■「すべてに愛情を注いだ」…3社間の取り組みで生まれた新作ゲームアプリ

 

株式会社アイディス
代表取締役
早貸 久敏 氏(写真左)

株式会社NextNinja
代表取締役社長 兼 CEO
山岸 聖幸 氏(写真右)
 

――:本日は、新作アプリ『グラサマ』について詳しくお聞きしていきますが、はじめにアイディス設立の経緯から教えてください。以前はエイリムの代表取締役社長でしたが、早貸さん、なぜ今回新会社を設立されたのでしょうか。
 
早貸久敏氏(以下、早貸):一番の理由は、お客様に近いところで、ずっとゲームのことを考えながら開発に臨んでいきたかったからです。いちクリエイターとして、ゲーム作りに集中できるために、このアイディスを設立しました。
 
 
――:思えば2015年10月にgumi<3903>社が連結子会社のエイリム株式を追加取得し、完全子会社化となりました。今回の新会社設立は、あくまでも早貸さんの“再出発”という捉え方がいいんですかね。
 
早貸:そうですね。それに、きちんとした円満退社です(笑)。今でもgumi社とも良好な関係を築いていますし、今後我々が手掛けるタイトルを通しても何か取り組みが出来ないかとも考えております。あくまでもゲーム市場という大きな舞台で、お互い切磋琢磨して伸びていければと思っています。


――:分かりました。さて、そ『グラサマ』ですが、今回3社間による取り組みとなっています。改めて各社の担当について教えてください。
 
早貸:グッドスマイルカンパニーさんはパブリッシャー、NextNinjaさんは開発、弊社アイディスは監修を務めています。
 
 
――:グッドスマイルカンパニー社は、本作に対する出資という形ですか。
 
早貸::はい。また、安藝さん(グッドスマイルカンパニー 代表取締役社長 安藝貴範氏)はクリエイター気質ですので、ゲームにおける演出の見せ方など、様々なところもアドバイスいただいています。
 
 
――:NextNinja社との取り組みについてはいかがでしょうか。
 
早貸:じつは、山岸さんとは以前からお酒を飲みながらゲームの話を語り合う仲でした。その席にて、お互いに「次どういうゲーム作りますか?」など構想を語り合っていたのですが、山岸さんがその構想を元にしたモック版を作って来たのです。(笑)
 
 
――:凄まじいスピード感ですね(笑)。

山岸聖幸氏(以下、山岸):そうですね。グッスマさんとお会いしたタイミングで本格的にプロジェクトとして始動しました。
 
早貸:NextNinjaさんには、優秀なエンジニアが多く在籍しています。加えて、彼らは本当にゲーム好きで、愛情持って開発してくれるスタッフばかりなのが強みですね。
 
 
――:それでは、ここからは『グラサマ』のゲーム概要についてお聞きしたいと思います。PVが公開されていますが、第一印象は『ブレフロ』の進化版のようにも思えました。
 
 
早貸:まあ『ブレフロ』作った本人の新作ですからね(笑)。ドット絵や色味などは僕の癖ではありますが、正直その部分だけです。実際に触れていただければ、別の新しい遊びを『グラサマ』で表現出来ています
 
 
――:なるほど。本作のコンセプト、あるいは売りとなる部分はどこでしょうか。
 

山岸:やはり一番はバトルです。スピード感溢れるバトル展開は、恐らく従来のスマホ向けRPGのなかでも全く新しい体験が味わえると思っています。
 
 
――:操作方法についてはいかがでしょうか。
 
山岸:登場ユニットは、基本的に自動で攻撃していきます。タップすると通常スキル、ゲージが溜まると奥義が使用できるほか、ユニットには最大3つ装備品を持ち込むことができます。装備品は、おもに回復やバフ・デバフの効果を備えており、ユニットにドラッグすることで使用できます。
 

※画面は開発中です

 
――:マルチプレイでは4人で遊べるとのことですが、どういう形式となるのでしょうか。
 
山岸:遊ぶ人数によって、ユニットを操作できる数も異なっていきます。たとえば、4人の場合は1体ずつ、2人の場合は2体ずつ、3人の場合は誰かひとりが2体…といった具合ですね。画面上では、自分の担当ユニット以外は使えませんが、ほかのプレイヤーが動かしている様子は見られるようにしています。エモーション(感情表現)でコミュニケーションもできるため、一気に攻撃を仕掛けたり、敵が強力な攻撃を準備している際は、全員で装備スキルを使用して守りを固めたりと、本作ならではの息の合ったマルチプレイが体験できます
 
 
――:たしかに。言われてみればかなり新しい体験ですね。個人的にド派手なエフェクトにも驚いています。
 
早貸:バトルの楽しさを追求したゲームですので、エフェクトの格好良さ、それを見たときの気持ち良さなどには徹底的にこだわっています。スマホゲームのなかでも、これほどエフェクトを使用しているタイトルは、そうそうないんじゃないですかね
 
山岸:そうですね。とにかく気持ちよさを重視して作りました。エフェクトもただ激しいだけではなくて、攻撃が当たってエフェクトが出てくるまでのタイミングとか、「本当にこれで気持ちいいと思えるのか…」といった箇所を追求しました。
 
早貸:スマホって、ボタンを押したときの感覚がないため、そこをうまくエフェクトで補わないとなかなか伝わらないと思っています。ダメージ数も一部のエフェクトだと思っているので、弾幕のように表示させるなど細部までこだわっています。
 

※画面は開発中です

 
――:手応えあった感はたしかに大事ですね。加えてぬるぬる動く繊細なキャラクターモーションにもこだわりを感じますが、いかがでしょうか。
 
山岸:モーションについては、本当に色々な動きを用意しており、現在も改良を重ねています。じつは、Spine(スパイン)というソフトを使っているのですが、言わば作り方としてはドット絵のなかに骨を入れている形になりますね。本来ドット絵であれば、コマ送りのように作るのですが、内部にある骨が攻撃モーションを繰り出し、その上から足りない部分をドット絵で描き足しています。こうした作りにしているからこそ、滑らかなモーションを実現できています。

早貸:もうNextNinjaさんのクリエイター魂は半端じゃないですよ。チェックするほうが大変なぐらいです(笑)。
 
山岸:(笑)
 
 
 
――:その動きに関連してですが、ボス……でかいですね(笑)。
 
山岸:はい、ボスの大きさにも凄いこだわりがあります。見ていただくこと分かりますが、ボスは画面一杯に表示されており、ユニットが画面端まで押し込まれるほどの強大さを表現しています。ボスもぬるぬる動きますし、何より様々な攻撃パターンを持っているので、目で見ても楽しめる内容に仕上がっています。そのあたりは、リリース前にどこかで動画でお披露目しようと思っています。余談ですが、ボスは進化するタイプの奴もいるので、ぜひご期待ください。
 

※画面は開発中です


――:そして、音楽は『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス』の楽曲も手掛けた上松範康さんを起用されていますね。
 
早貸:ええ。泣ける楽曲もあれば、なかなかぶっ飛んだ楽曲もあるので、音楽を通してゲームに浸れると思います。
 
 
――:なるほど。ボイスも収録されていますが、色々な場面で喋るのですか。
 
早貸:じつは、シナリオの会話シーンにはボイスをあえて流していません。容量の問題もありますが、読み物として楽しんでもらいたいのと、バトルでより臨場感を味わってもらうために、バトル部分にボイスを注力しています。もちろんユニットを初めて手に入れたときや進化後にも掛け声などは入りますが、基本バトル中にたくさん喋るようにしています。
 
 
――:楽曲・ボイスも含めて、音には並々ならぬこだわりを持っていますね。
 
早貸:そうですね。やっぱりゲームを作る際、音についても当然こだわりを持つようにしています。というのも、僕が昔好きだったゲームとかも、だいたい音から入ってイベントや演出などを思い出したりするのです。今後20年、30年たったときでも思い出してもらえるようなゲームを作っていくつもりですので、そのうえで音はとても重要な役割を担っています。
 
 
――:分かりました。ちなみに、シナリオについてはいかがでしょうか。
 
早貸:ストーリーに沿いながらキャラクターも成長していく、王道RPGとなっています。また、エンディングも取り入れる予定です。
 

 
――:エンディングですか。運営タイプのゲームとしては新しい試みですね。
 
早貸:はい、スタッフロールなども検討中です。やはりRPGですので、物語に終わりがないと違和感があります。ただ、運営としてゲームを続けていかなければならないので、あくまでも一度区切りをつけて、“新章”という形でストーリーを追加していきます。エンディングは、リリースの段階から搭載できるように進めています。
 
 
――:基本はメインストーリーを進めていく形だと思いますが、その後のエンドコンテンツなどはいかがでしょうか。
 
早貸:本作ではマルチプレイのほか、レイドボス戦も用意しています。また、ユニットの成長以外にも装備品の強化もあるため、やり込み・育成要素はボリュームあると思います。ほかにも様々な機能が搭載されているので、飽きさせない作りになっています。
 
山岸:従来のゲームと異なる要素として、よく進化するとレベルが1まで戻ることがありますが、『グラサマ』ではユニットのレベルを引き継げるようになっています。やはり成長を楽しんでほしいので、ここの仕様はあえて変更しています。


――:ちょっと先の話になるかもしれないですが、海外展開についてはいかがでしょうか。過去『ブレフロ』が海外で大ヒットを収めたことを考えるに、本作でも期待してしまいます。
 
早貸:日本で手応えを感じたら、もうすぐに行きますよ。そのぐらいのスピード感で進めて行きたいと思っています。
 
 
――:ちなみに、今回グッドスマイルカンパニー社としては、創業15年にして初のスマホゲームタイトルになりますが、パブリッシャーがフィギュアメーカーだけに、今後色々なマーチャンダイジングも出来るのではないかと思っているのですが……。
 
早貸:こちらについては……ぜひ、楽しみに待っていてください! グッスマさんにしかできないことを用意しています
 

 
――:分かりました。それでは、最後に今後の展望について教えてください。
 
早貸:『グラサマ』は、バトルの気持ち良さを究極までに引き出したRPGです。さらに世界観・シナリオ・音楽、すべてに愛情を注いで手掛けたゲームなので、最高のタイトルが出来たと自負しています。ぜひリリース後は遊んでみてください。
 
また、アイディスとしては今後も面白いゲームを手掛けていきます。日本ユーザーのみならず、世界中のお客さんに面白いと言われるような作品を届けていきますので、ご期待ください。
 
山岸:NextNinjaでは、これまで様々なタイプのゲームを全力で手掛けてきましたが、なかでも『グラサマ』は全身全霊をかけた最高傑作だと思っています。ぜひ、一度触っていただければ幸いです。我々はデベロッパーですので、今後もこうしたクオリティの高いゲームを手掛けてまいります。

 
――:本日はありがとうございました。
 

 
(取材・文:編集部  原孝則@hara_tatsu
 

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■『グランドサマナーズ』
 
■グッドスマイルカンパニー
 


■NextNinja
 


■アイディス
 

企業サイト



 
株式会社アイディス
http://www.aidis.co.jp/corporate/
世界一遊ばれるゲームを創る
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会社情報

会社名
株式会社アイディス
設立
2016年1月
代表者
早貸 久敏
決算期
3月
上場区分
未上場
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