【レビュー】Fuji&gumi Games期待の第3弾『シノビナイトメア』を紹介 和風テイストの世界観で描く3D探索型RPG アニメ型のストーリー演出も魅力
各社期待のオリジナルタイトルの新作がこのところ好スタートを切るケースが目立っている。今回紹介する『シノビナイトメア』もそうしたタイトルの1つで、『ファントム オブ キル』『誰ガ為のアルケミスト』に続く、Fuji&gumi Games期待の第3弾タイトルだ。
本作は、リリース間もなく、10万ダウンロードを突破しているほか、App Storeの売り上げランキングで最高28位を記録するなど、順調なスタートを切った。もともとメインテーマをジブリ作品などで知られる久石譲氏が手掛けるなど話題性も大きく、3Dの探索型RPGというジャンルに挑戦した意欲的なタイトルだったが、前評判に違わぬスタートを切ったと言えるのではないだろうか。
出所:AppAnnie
■ストーリー性の高さと本格的な探索型RPGの楽しさが魅力
では、実際にゲームをプレイしてみると、まずはオープニングからアニメーションが流れ、1話目が始まるなど非常にストーリー性の高い作りになっている。各章ごとにすごろく型になっているフィールドマップを進めていくとストーリーが進んでいくのは、昨今のスマホゲームで比較的増えてきた形と言えるだろう。
ここからさらに各フィールドに入ると、3Dで描画されたフィールドを探索する形となる。探索は基本的にタッチ操作で可能で、フィールド上で目的(目的地への到達や大ボスの撃退)を果たすべく探索していくことになるが、途中で宝箱を拾ったり、敵とエンカウントしてバトルを繰り広げることになる。
敵とのバトルは、主人公たち4人の「クノイチ」が召喚した「サムライ」が行う形で、3D描画されたキャラクターによるコマンドバトル形式のバトルが展開される。この「サムライ」たちのレベルをアップさせて、強化していくことがパーティーの強化につながっていく。また、「サムライ」たちには「武器」を装備させることもでき、この「武器」は強化や進化を行うことが可能だ。
ゲームのマネタイズとなるのは、この「サムライ」と「武器」だ。いわゆるガチャとなる召喚は、「サムライ召喚」や「武器召喚」などがあり、これらを引くために必要なのがゲーム内有償アイテムである「幽晶石」となっている。ゲームの配信直後に本作の売り上げが伸びたのは、まずはゲーム開始後72時間限定で引くことができる「スタートダッシュ10連召喚」で初期パーティーの強化を図ったユーザーが多かったためと思われる。
■アニメ仕立てのストーリーはユーザーを引き込む上でプラス 読み込みの遅さなどに課題も
さて、ここまでゲーム内容をざっくりと紹介してきたが、ここからは実際にプレイしてみた感触などを紹介したい。
おそらく本作の売りの1つとなる3Dフィールドの探索だが、基本的には良くできているのだが、斜め移動など自由な移動はできないため、やや窮屈さを感じさせるかもしれない。コンシューマーゲームで一世を風靡したダンジョン探索型のRPGの作りに近く、それを3D描写したイメージだ。ただ、エンカウントバトル時など全般的に読み込みに時間がかかることはやや気にかかった。
ストーリーがオープニングアニメから始まり、次回を紹介するエンディングで終わるという、アニメのように進行していくのは、ゲームの世界観にユーザーを引き込んでいく上でプラスの要素になっていると感じられた。コンシューマゲームなどではそうした演出も過去にもあり、そうした作品はメディアミックスなども上手くいっていたケースが多く、そうした展開は今後期待できる可能性があるだろう。
その一方で、ストーリー性が強いため、一定のストーリが続くと物語を完結させる必要性が生じる可能性はある。そこからユーザーを継ぎ止めるために、どうやって話を広げていくのかは先々の大きな課題になるかもしれない。とはいえ、そこまで話が続くようならば、1つのタイトルとして大成功を収めたと言えそうだ。
タイトル全体としては、和風テイストの世界観などがよく作り込まれており、コアなユーザー層が定着する可能性を秘めたタイトルなのではないだろうか。
(編集部:柴田正之)
■『シノビナイトメア』
(C)Fuji&gumi Games
会社情報
- 会社名
- 株式会社gumi
- 設立
- 2007年6月
- 代表者
- 川本 寛之
- 決算期
- 4月
- 直近業績
- 売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3903
会社情報
- 会社名
- 株式会社Fuji&gumi Games
- 設立
- 2014年1月