【モバイルファクトリー決算説明会】『駅メモ!』中心に位置情報ゲームの売上が2期連続で倍増 『君の名は。』などIPコラボ奏功、DAUも過去最高に
モバイルファクトリー <3912> は、1月20日、東京都内で証券アナリスト・機関投資家向けの決算説明会を開催した。発表した2016年12月期の連結は、売上高20億7200万円(前の期比18.3%増)、営業利益6億1100万円(同94.6%増)、経常利益6億1100万円(同100.0%増)、最終利益4億1100万円(同122.2%増)と大幅な増益での着地となった。過去最高業績でもある。好業績の要因は、主力タイトル『ステーションメモリーズ!(駅メモ!)』を中心とする位置情報ゲームが2期連続で売上高が倍増となるなど好調だったことだ。
宮嶌裕二社長(写真)は、「位置情報ゲームは、ニッチと見られているサービスで、一部で伸びないと見られていたが、大きく伸ばすことができた。第3四半期にDAUが過去最高を更新したとアナウンスしたが、前の四半期に続き、過去最高を更新した」と総括した(「」内の発言は宮嶌社長の発言)。『ポケモンGO』の普及で位置情報ゲームへの認知度が上がっていたことも追い風になったようだ。今回の記事では、第4四半期(16年10~12月期)の業績と、続く第1四半期の展開を中心にまとめていく。
■IPコラボと広告宣伝でDAUと売上高は過去最高に
まず、第3四半期(7~9月)決算の状況をおさらいしていこう。売上高は前四半期比(QonQ)で0.2%減の4億9900万円とほぼ横ばいの推移となった一方、営業利益は同9.5%増の1億6200万円、経常利益は同9.0%増の1億6200万円、最終利益は同7.5%増の1億700万円と増益を確保し、四半期ベースで過去最高の営業利益を更新した。
増益となったのは、売上原価が減少したことによるもの。これは「減価償却の完了により減価償却費が減少した」ことが要因だった。その一方で、広告宣伝費は、前四半期の6800万円から7400万円に増加しており、これを吸収しての過去最高益を達成した。
今回発表になった第4四半期は、売上高が前四半期比18.4%増の5億9000万円と四半期ベースで過去最高を更新した。営業利益は8.0%減の1億4900万円、経常利益が7.9%減の1億4900万円、最終利益が1.3%減の1億0600万円だった。
減益となったのは、広告宣伝費と売上原価を増やしたことが要因。特に広告宣伝費は前四半期の7400万円から1億2800万円に大幅に伸びた。大ヒット映画『君の名は。』コラボに加え、あわせて交通広告などこれまで試していなかったプロモーション手法が奏功し、DAU(日次アクティブユーザー数)が過去最高を更新した。
広告宣伝費の増加やIPコラボが成功した結果、同社のソーシャルアプリの売上高は、QonQで31.3%増の2億9300万円と驚異的な伸びにつながった。位置情報ゲームに限定すれば、売上高が同34.9%増の3億5900万円となる。けん引役となったのは、もちろん『駅メモ!』である。
■第1四半期は利益の出やすい状況に
続く2017年12月期は、売上高24億8600万円(前期比20.0%増)、営業利益7億6100万円(同24.6%増)、経常利益7億4700万円(同22.2%増)、最終利益5億1600万円を見込む。
第1四半期の業績予想の開示はないが、「広告宣伝費が前年並みか、プラスアルファ程度にとどまる」ため、「アクティブユーザー数と売上は過去最高の更新は難しいかもしれないが、第4四半期に比べて利益が出やすい状況になる」。
同社では、業績予想については、保守的な数字を出しているとのことだが、「今の状況から見ると、業績予想は十分達成可能な水準とみている」という。実際、今年の年始については、『駅メモ!』がアプリストアの売上ランキングで一時40位台に入るなど好調な出足だったようだ。
なお、すでに報じたように、今春、新作をリリースするとのアナウンスがあったほか、昨年に引き続き有力IPとのコラボを行っていく考え。IPコラボについては新規ユーザーの獲得と、休眠ユーザーの復帰に効果的だったという。体験型イベントも組み合わせることで引き続き『駅メモ!』を中心に展開していく計画だ。
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(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社モバイルファクトリー
- 設立
- 2001年10月
- 代表者
- 代表取締役 宮嶌 裕二
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高33億7000万円、営業利益9億4500万円、経常利益9億4000万円、最終利益ゼロ(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3912