​【速報2】ドリコム、2018年3月までに7~8本のIPタイトルをリリース 内藤社長「上期が多め」「IPタイトルの開発は相当難しい」



ドリコム<3793>の内藤裕紀社長(写真)は、この日(2月3日)、東京都内で開催した第3四半期の決算説明会で、2018年3月までに7~8本のIP(知的財産権)タイトルをリリースする考えを示した。発表済みのタイトルとして、フォワードワークスとの共同開発タイトルの『みんゴル』(今春)や、バンダイナムコエンターテインメントとの『Project LayereD(プロジェクトレイヤード)』などがあげられる。

気になるリリース時期は「上期が多め」とのことで、多くのラインが開発の佳境に入っている。同社で気をつけているのは、同じ時期にターゲットとなるユーザー層の被るゲームがリリースされないようにしていることだ。これは、同じ会社のアプリ同士が競合し、ユーザーや売上を取り合うことになるという、いわゆる「カニバる」状況を防ぐためである。

 


また、アニメや家庭用ゲームソフトなどの「IP」を使ったゲーム開発・運用について「業界の方からも難易度が低いように思われているが、むしろ相当難易度が高い。当たる確率が高いことと、実際に当てることは別の問題」とコメントした。売上ランキング上位におけるIPタイトルの比率は上がっているものの、タイトルによっては序盤から苦戦し、短期間でサービス終了に至ってしまうタイトルも決して少なくない。

 


内藤社長は、IPタイトルの開発でのポイントについて、作品に熱心なファンがいることや、ファンの求めているゲームにきちんと仕上げられることなど、いくつかの条件を満たしているだけでなく、開発者自身がその作品のファンでなくてはならない、と指摘した。そして、作品に合ったゲームを作るため、既存のゲームのエンジンを活用した、いわゆる"側替え"ではなく、スクラッチで作ることも重要だという。

ここ最近の決算発表で、IPタイトルに注力するとアナウンスする会社が増えているが、版権使用料の高騰などはあるかとの会場からの質問に対して、他社のことはわからないと前置きしつつ、「当社は満足できる条件でできている」と否定的な見方を示した。「一時期見られたコンペが減り、版権元から開発して欲しいと指名を受けることが増えてきた」ことも背景だ。実績だけでなく、版権元から信頼を得られていることが大きいと分析した。

「版権元にも様々な考え方があるが、その多くは、短期的に収益だけをあげようと考えているわけでは決してない。じっくりと作品やキャラクターを育ててきて、中長期的にさらに育てるためにはどうしたら良いかと考えている」。ゲーム開発や運用で実績を出すだけでなく、IP全体を中長期でどう育てていくか、という観点・姿勢で企画を提案をできていることがドリコムの強みであり、評価ポイントになっているというのだ。

IPタイトルのリリースラッシュ後の展開についても大いに気になるところだが、「すでに次の一手は打っている」。新規IPプロジェクトに取り組むだけでなく、新規事業も始める計画だ。決算説明会においては、新規事業の詳細については明かされなかったが、すでに「人員を相当数、割きはじめている」とのこと。短期的な収益拡大だけでなく、中長期的な成長を実現するための施策にも余念がない。


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(編集部 木村英彦)
株式会社ドリコム
http://www.drecom.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ドリコム
設立
2001年11月
代表者
代表取締役社長 内藤 裕紀
決算期
3月
直近業績
売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3793
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