【インタビュー】人気漫画『ふたりモノローグ』が「サイコミ」初の実写ドラマ化…Cygamesだからこそ実現できた映像へのこだわりを訊く


Cygamesのスマートフォン・PC 向け漫画サービス「サイコミ」で連載中の人気漫画『ふたりモノローグ』。
 
『ふたりモノローグ』は、『つまさきおとしと私』などの作品で知られる漫画家・ツナミノユウ先生が描く学園コメディだ。高校で10年ぶりに再会したネクラな麻積村ひなたと、ギャルの御厨みかげが、互いに仲良くなりたいと思いながらもすれ違ってしまう日常が描かれている。
 

そんな本作が、10月よりAbemaTVで福原遥さん、柳美稀さんのW主演で実写ドラマ化されることとなった。「サイコミ」としても初の試みである実写ドラマ化について、今回はCygames漫画事業部の「サイコミ」編集長である葛西歩氏と、ドラマプロデューサーを務めるアニメ事業部の松本准平氏にインタビューを行い、本作への想いを語っていただいた。
 

Cygames漫画事業部・「サイコミ」編集長の葛西歩氏(写真右)
Cygamesアニメ事業部・ドラマプロデューサーの松本准平氏(写真左)
 
 

■『ふたりモノローグ』実写ドラマ化から見えた「サイコミ」の強み

 
――:まずはお二人の業務内容について改めてお聞かせください。
 
葛西歩氏(以下、葛西):2016年10月よりCygames漫画事業部で「サイコミ」という漫画サービスの編集長をしております。主な仕事としては、編集部の統括と作品のクオリティチェック、プロモーションの作り込みなどのまとめ役をしております。
 
――:Cygamesの漫画事業部に入られる前はどのようなことをされていたのでしょうか?
 
葛西:それまでもずっと漫画編集をしており、以前はwebコミック媒体で副編集長をしていました。ずっと漫画というコンテンツをもっと広げたいと思っていて、エンターテインメントの最前線かつゲームやアニメなどと連動もしやすい環境があるCygamesへの転職を決意しました。
 
――:松本さんはいかがですか。
 
松本准平氏(以下、松本):僕はアニメ事業部なので、アニメを作ることが基本的な仕事になります。現在は、『ふたりモノローグ』という作品でCygames初の実写化をやりたいというお話をいただき、漫画を原作とした実写ドラマを制作するプロデューサー業を担っております。
 
――:実写ドラマのプロデューサーという点はご自身としても初のチャレンジになるのでしょうか?
 
松本:僕自身Cygamesに入社する前から実写ドラマを担当した経験はあります。そういった経緯もあり、今回の実写ドラマ化でもプロデューサーを担当しております。

――:『ふたりモノローグ』が実写ドラマ化に至った経緯について教えてください。
 
葛西:まずは、もともと「サイコミ」上で『ふたりモノローグ』の人気が高いので、メディア展開をしていきたいという話は早い段階で挙がっていました。アニメ化という選択肢もあったのですが、ちょうど松本が入社する直前のタイミングということもあり、「実写ドラマ化をしてみない?」という話をアニメ事業部からもらいました。

当初、弊社ではアニメの制作経験はあったものの、実写ドラマは初ということで「しっかり良い作品が作れるかな?」という気持ちもありました。ただ、初めて松本と打ち合わせをした時に、実写ならではの面白さが出せるビジョンが見えたことで、実写化にチャレンジしようと思いました。
 
また、その時点で既に7月28日に単行本の第1巻が発売されることも決まっており、その時期に合わせて「サイコミ」としても何かひとつメディア化でインパクトを作りたいと考えていました。そんな状況の中、、「実写であればきっちりと作り込んで間に合わせられる」と松本が発言したことも後押しとなりました。
 
松本:アニメと比べると、実写ドラマの方がスパンは短く完成させられますからね。

 

【ふたりモノローグPV】

 
葛西:僕は実写化の知識があまりなかったので、その言葉には驚きました。実際に、実写ドラマ化の話が動き出したのは2017年2月頃で、始動から半年ほどで公開していますからね。
 
また、Cygamesとしても初の実写ドラマ化になりますので、漫画事業部のミッションである「新しいIPを創出する」という理念にも合致します。Cygamesの新たなメディアミックス展開としても良いのではないかと思いました。

 
――:松本さんとしては、最初に話を聞いた時はどのような心境でしたか。
 
松本:『ふたりモノローグ』は、作品内容として百合的な部分が入っていたり、表現が過激な場面がありますので、実写ドラマ化するということに驚きました。ただ、これをガッツリ制作できることはチャレンジングで、面白いと思いましたね。そして、このスケジュールで制作できるとは言ったものの、やると決めてからのスピード感が非常に迅速だったことにも驚きました。
 
――:「サイコミ」では他にも多数の作品が連載されておりますが、『ふたりモノローグ』の人気が当時から高かったというほかに、メディア化される決め手となったのはどういったところだったのでしょうか?
 
葛西:漫画事業部としてオリジナルの作品をメディア化していくことは大事だと考えていました。『ふたりモノローグ』は、物語としてもモノローグ中心に展開するという他の漫画とは異なる手法が用いられています。こうした作品をメディア化できるのはCygamesの強みのひとつであり、「サイコミ」の面白さや可能性を提示することに繋がるのではないかという想いがありました。
 


――:改めて『ふたりモノローグ』の魅力を教えてください。
 
葛西:まずひとつは、先ほども言ったように通常の漫画とはセオリーが違う形で作られていることです。

通常では、これだけモノローグを多用すると読みづらかったり、漫画として成立していなかったりすると思います。そこを突き抜けた表現で漫画として描いている点は大きな魅力です。これは、ひとえにツナミノ先生のキャラクター造形やセリフ回しが秀逸だからというほかありません。どのキャラクターも凄く個性が強く立っていながら、うまくバランスが取れているので、どのキャラも埋もれることがない。キャラクター同士の掛け合いでは、セリフやモノローグの中のハートの数といった細かいところまで、ひと文字までこだわって作っているので、その辺りも楽しんでいただけると嬉しいですね。

 
――:先日、ドラマ版の1話がAbemaTVやYouTubeにて先行公開されましたが、ドラマならではの見所を教えて下さい。
 
松本:キャスティングが勝負になると思っていたので、オーディションは繰り返し実施しました。福原さんと柳さんに行き着くまでにはかなり長い時間がかかりましたね。2人の可愛さプラス、普通のキュンキュン学園ものではない、ある種変態めいたスパイスが効いているところが見所になります。
 


――:オーディションでは主にどのような部分を見られていたのですか?
 
葛西:キャラクターを大事にしたいという想いは漫画同様に強くありますので、演技力や技術力ももちろんですが、「ひなた」と「みかげ」それぞれに合っているかを中心に見させていただきました。
 
松本:先ほど葛西からも紹介があったように、基本的に物語がモノローグで進んでいくので、現場の2人は息を合わせるのが大変です。モノローグ部分の間をとりながら芝居をする必要があるため、お互い心の中でセリフを言ってから次の行動に移ります。ただ、撮影中は声に出ているわけではないので、相手のモノローグがどこまで進んでいるのか分からない。そこを福原さんも柳さんも見事に呼吸を合わせて演技している点が面白く仕上がっていると思います。

撮影時は、スタートからカットまで芝居しているものの一言も発さないことがあるので、現場の雰囲気は独特なものがあるかもしれませんね(笑)。


 
 
――:1話を視聴されたユーザーから声は届いていますか。
 
松本:TwitterやAbemaTVのコメント欄は非常に盛り上がっているのを拝見しました。
 
葛西:そうですね。今回、ドラマ版『ふたりモノローグ』の1話を先行配信することができたおかげでいろいろと反響をいただいています。自分たちで見ても良い作品になったと感じますし、これは松本をはじめスタッフの方々が頑張ってくれたからだと思っています。いざ完成すると、アニメよりドラマの方が向いていたのではないかと思えるほどの出来に仕上がっています。
 
実際に視聴いただいた方からは「すごく良くできている」「面白い」「キャスティングが素晴らしい」「脚本も良い」と、本当に良い反応をいただいており、作った甲斐があったと感じています。


――:1話の冒頭でみかげがサングラスを掛けたり、みかげの行動にビビったひなたが机をソーっと離すシーンは漫画では描かれていないドラマ版ならではの演出だったのですが、二人の空気間がよりリアルに表現されていると感じました。目線の動きや間の取り方は、やはり漫画の世界観をそのままに実写ならではの表現を追求したいという部分を意識されていたのでしょうか?
 
松本:みかげに関しては、ギャル感やキャラクター性を実写でよりリアルに再現するためにはどうすれば良いかという部分を話し合い、サングラスを掛けさせ、その後折ってしまおうという流れになりました。ひなたが机をズラすシーンも、あの場の二人の気まずい空気を実写化するなら自然とああいった動きになるだろうなという理由があり加えています。原作のすれ違い感を実写で上手く表現するために、監督を含めて間やアクションについて何度も打ち合わせしました。

 

【ふたりモノローグ 第1「隣の席の元・親友」】

 
――:ちなみに、全何話放送予定なのでしょうか?
 
松本:全6話になります。
 
――:そんな10月の本放送へ向けて注目してほしいポイントを教えてください。
 
松本:原作の中でも厳選した話数をドラマ化しておりますので、先行配信された1話にも増して二人の可愛いシーンやすれ違い度の高いシーンが面白くまとまっています。
 
葛西:制作の現場はスタッフ同士、距離感の近い関係で、作家さんもテンション高く乗ってくれています。ファンの期待を裏切らないレベルの作品になっていることはもちろん、漫画ではできない表現をドラマに取り入れているので、原作とはまた違った楽しみ方もできます。

 
 

■Cygamesとしてのこれから

 
――:「サイコミ」としては、今後『ふたりモノローグ』以外にも実写ドラマ化していくビジョンはあるのでしょうか。
 
葛西:まだ経過を見つつという部分はありますが、今回で「できる」という手ごたえを得ましたので、今後も積極的に他作品の実写化をする、という考えは持っていたいですし、実現の可能性は十分あると思います。。
 
――:実写化に限らず、アニメ化などマルチメディア展開に関してはいかがでしょうか?
 
葛西:書店や読者の反応を見ても、Cygamesにマルチメディア展開を期待しているという声は非常に多いです。漫画・ゲーム・アニメ・実写と、何でもできる会社だと思っておりますので、その期待には応えていきたいですね。

――:「サイコミ」としての今後の目標をお聞かせください。
 
葛西:「サイコミ」としては7月28日に単行本が創刊し、まだスタートラインに立ったばかりという認識があります。ここから、どこまで読者さんや書店員さんに愛してもらえるアプリに成長させられるか。Cygamesが漫画サービスを行っているという知名度自体がまだまだ高くはない状態だと感じておりますので、まずは「Cygamesの漫画、面白いね」という部分をアプリ、書店を通じてアピールしていきたいと思います。

それと並行して、今回の『ふたりモノローグ』実写ドラマ化などのメディア展開や、リアルイベントなどを展開することでCygamesとしての強みを活かしながら、より多くの方に「サイコミ」を知っていただき、好きになっていただければと考えています。

 

――:また、Cygames漫画事業部では現在スタッフを募集されているとのことですが、どのような人材を求めておられるのでしょうか?
 
葛西:まずは、漫画・アニメ・ゲームが好きというのが大前提だと思っています。最新のエンターテインメントに関しても当然、追いかけていてほしいです。またもちろん、自身がこれまでに培ったスキルを漫画事業に活かせる方ですね。
 
あとは、すごくスピード感の早い会社なので、判断や決済も早い。そういった部分を楽しめる方・求めている方に来ていただきたいです。
 
また、今回の『ふたりモノローグ』実写化では漫画事業部とアニメ事業部が協力しているように、各プロジェクトで部署の垣根がなく、いつでも相談を持ち掛けられる環境があります。自分が面白いと思った提案も理に適っていればできてしまう会社なので、チャレンジ精神や意欲が旺盛な方には向いています。
 
9月には漫画事業部が何をしているか、どういった考えを持っているかをより詳しくお話できる採用セミナーもありますので、興味がある方はご参加いただきたいです。

 
▼▼▼お申し込みはこちらから▼▼▼ 
 
――:最後に読者の方々に向けてひと言お願いします。
 
葛西:『ふたりモノローグ』をはじめ、「サイコミ」では様々なジャンルの面白いオリジナル漫画を揃えており、今後も数多くの新連載を予定しています。『グランブルーファンタジー』『アイドルマスター シンデレラガールズ』『神撃のバハムート』『Shadowverse』といった人気ゲームのコミカライズもありますので、漫画ファンだけでなくゲームファンなど、いろいろな層の方に楽しんでいただけるアプリになっています。単行本でもアプリでも、是非、Cygamesの漫画を読んでいただければと思います。
 
松本:アニメや実写ドラマなど、Cygamesは映像コンテンツの領域でも力を入れて作品を制作しております。クリエイティブにはとことんこだわる会社なので、『ふたりモノローグ』はもちろん、みなさんに喜んでいただける作品がどんどん出てくると思います。今後も一挙手一投足注目していただけると嬉しいです。

 
――:本日はありがとうございました。 


 
■『サイコミ』
 

Android版

iOS版

ブラウザ版

公式Twitter

公式Facebookページ