【インタビュー】「課金者が勝つゲームではなく、より多くの人が楽しめるように」 開発者に聞くスマホ版『Dead by Daylight』…クロスプレイも視野に
Behavior Interactiveは、6月21日、大人気ホラーアクション『Dead by Daylight』(以下、DbD)のスマートフォン版をリリースすると発表した。
『DbD』は非対称対戦型ホラーアクションと呼ぶジャンルになる。同タイトルは端的に言えば、猟奇的な鬼ごっこをするという内容だ。プレイヤーが1人のキラー(殺人鬼) と4人のサバイバー(生存者)に別れてプレイする。2016年にPC版を発売し、その後PlayStation4といったコンシューマー機でもリリースし、今では世界に1200万人ものプレイヤーがいるという。
今回Behavior Interactiveはメディア向けに『DbD』スマートフォン版の先行体験会を開催、それと共にBehavior Interactiveのゲームディレクターパートナーシップ部門統括であるマシュー・コート氏、シニアプロダクトマネージャーで『Dead by Daylight』モバイルアプリ担当のアレクサンダー・ロゴム氏にインタビューする機会が設けられたので、その内容をお届けしよう。
『DbD』は非対称対戦型ホラーアクションと呼ぶジャンルになる。同タイトルは端的に言えば、猟奇的な鬼ごっこをするという内容だ。プレイヤーが1人のキラー(殺人鬼) と4人のサバイバー(生存者)に別れてプレイする。2016年にPC版を発売し、その後PlayStation4といったコンシューマー機でもリリースし、今では世界に1200万人ものプレイヤーがいるという。
今回Behavior Interactiveはメディア向けに『DbD』スマートフォン版の先行体験会を開催、それと共にBehavior Interactiveのゲームディレクターパートナーシップ部門統括であるマシュー・コート氏、シニアプロダクトマネージャーで『Dead by Daylight』モバイルアプリ担当のアレクサンダー・ロゴム氏にインタビューする機会が設けられたので、その内容をお届けしよう。
■『DbD』は唯一無二のタイトル。より多くのユーザーに楽しんで欲しい。
Behavior Interactive
ゲームディレクター・パートナーシップ部門統括 マシュー・コート氏(左)
シニアプロダクトマネージャー・『Dead by Daylight』モバイルアプリ担当 アレクサンダー・ロゴム氏(右)
ーー本日はよろしくお願いいたします。スマートフォン版を開発することになった背景について教えてください。
マシュー:『DbD』は様々なプラットフォームで人気です。移動中などでもさらに多くの人達に楽しんでもらうためにスマートフォン版の開発をはじめました。期間で言うとおよそ1年前くらい、2018年6月です。スマートフォン版の構想は前からありました。
ーー昨年の6月とのことですが、なぜそのタイミングだったんでしょうか。
マシュー:人手の問題でなかなか着手できませんでした。3年前に30名だったチームが、今では150名を超えるようになり、ようやく開発体制が整ったからです。
ーー満を持しての開発開始だったのですね。スマートフォン版で注力している点を教えてください。
アレクサンダー:「『DbD』の世界観を壊したくない」というのがまずあるので、そこに注力しています。例えばコントロール部分やアルゴリズムなど、既存のプラットフォームと変わらないように調整しています。
ーーコントロールと言うと、先日のApple WWDCでiOS13やiPadOS上でPS4やXboxなどのコントローラー対応が発表になりました。私個人としても期待しているところです。
アレクサンダー:今のそのオプションは用意していません。ただ様々な技術に対して可能性は常に探っています。具体的に「いつ」や「何」とは言えませんが、その可能性を全てのプレイヤーに届けたいと思っています。
ーー最近ではクロスプレイ対応のゲームが増えました。スマートフォン版は他のプラットフォームと一緒にプレイできるのでしょうか。
アレクサンダー:リリースの時点ではスマートフォン版はそのプラットフォーム内だけで完結する予定です。ただいずれ出来るようにしたいと思っています。
いずれとしているのは、スマートフォン版で初めてプレイする人と、すでにプレイしている人とでは経験値が違います。新規ユーザーが毎回負け戦になるのは避けたいというのが理由です。そこはプレイ状況のバランスを見ながら時期を見て対応していく予定です。
ーースマートフォンだと課金方式がプレイヤーにとって気になるところだと思います。
アレクサンダー:スマートフォン版はフリートゥープレイでリリースするので、PC・コンシューマー版とは最初に遊べるキャラクターに違いがあります。しかし基本的な課金方式はそれらと一緒です。つまりPay to Win(課金者が有利になるゲーム)にはなりません。Pay to Winや課金が多い仕組みは私達のタイトルにとってふさわしいものではないのです。
ーースマートフォンではBehavior InteractiveのパートナーであるNetEaseが、同じジャンルである非対称対戦ゲーム『Identity V』をリリースしています。差別化はどのように考えているのでしょうか?
アレクサンダー:『Identity V』は、プレイヤー層がそもそも違うと思っています。『Identity V』は若いプレイヤーが多いと思いますが、私達はホラー映画のIPとコラボをしていることもあり、もう少し上の層のプレイヤーが多いので、そういった違いがあると思っています。
マシュー:そうですね。NetEaseとはパートナーであり色々なプロジェクトを組んでいます。『Identity V』は独自の良いアイディアもあります。しかし、『DbD』は唯一無二でオリジナルのゲームであると思っています。
ーー日本はコアなホラームービーファンが多いと思います。個人的にまだ日本の「キラー」が少ないと思っていますが、今後増える予定はありますか?
マシュー:よくされる質問です(笑)
お答えできる範囲ではまだ何もないのですが、昨年リリースした「断絶した血脈」では日本をテーマにしており非常に好評です。まだ完結をしていないので、是非楽しんでほしいです。
ーー2019年の5月末に日本語のTwitterのアカウントが作られました。今後日本向けに今まで以上にコミュニケーションを取っていくのでしょうか。
マシュー:去年から日本向けの色々なコミュニティへの取り組みをはじめました。色々なツールを使ってコミュニケーションをしたいと思っています。
ーー最後にファンに向けて一言をお願いいたします。
アレクサンダー:これだけ毎日熱心にプレイしてくれる日本のプレイヤーには感謝しています。スマートフォン版と2019年9月にリリースするスイッチ版にも是非期待してください。
マシュー:アレックス(アレクサンダー氏)の言葉に加えて、私達は『DbD』からインスパイアされたコスプレやアーティストのパフォーマンスを見ています。そこから我々はさらにインスパイアされています。是非これからもサポートをお願いします。
ーーありがとうございました。
■スマホでも”らしさ”を失わない猟奇的鬼ごっこ体験
先行体験では、マシュー氏とアレクサンダー氏と一緒にプレイしている。筆者はキラーで、2人はサバイバーを選択しているため、今回はキラー視点でお伝えする。プレイした感想を一言で言えば間違いなく『DbD』で、PC・コンシューマー版と非常に近い感覚で体験ができた。
操作は画面上をタップするが、非常に直感的な作りになっている。コントローラーで例えれば、左手は十字キー、右手ではボタン操作ということになる。実際の操作する際には左手は画面上にある丸の中で、上下左右スライドすることで移動ができる。移動操作は特定の方向に固定もできるので、長距離を移動する際には重宝する。
コンシューマー・PCを経験済みのプレイヤーであれば、すぐにその世界に没入できるだろう。
一方で右手は画面上をスライドして視点を変え、表示されているアイコンで攻撃やトラップの設置などスキル使用していく。このアイコンも『DbD』、その世界観と用途ににあったアイコンが表示されているのでわかりやすく、没入感を高める上でのポイントにもなっていた。
またキラーは、ダメージを与えたサバイバーの捕獲ができるが、その際には別途アイコンが表示されタップする仕組みとなる。またサバイバーから障害物などでの妨害を排除する際にも同様の操作だった。
グラフィックに関してはPC・コンシューマー同様にUnreal Engineを使用しているため、非常に雰囲気のある世界となっている。既存プレイヤーにとっては良い意味でいつもと同じ体験ができるだろう。グラフィックにおいては更にブラッシュアップしていくそうだ。そして鬼気迫るサウンドも健在となっている。
今回の体験は非常に白熱した戦いになった。オンライン上でのプレイは楽しい。が、実際一つの机の上で、「うっわ、トラップだ!!」など相手の言動、喜怒哀楽、仕草を感じながらプレイするのは、非常に熱い体験だ。スマートフォンでプレイする利点の1つと言える。
そんな白熱した戦いもできるスマートフォン版の配信は2019年内を予定しているそうだ。リリースまで待ちきれない人にはSteam、PlayStation4、XBOX ONEや、9月26日には任天堂スイッチ版も控えているので、先にプレイしておこう。
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