【Aiming決算説明会】不採算タイトル終了で3Qは減収に 国内の早期退職に加え「台湾でも人員を最適化」(椎葉社長) 4Qは『ログスト』寄与や周年イベントで増収見込む


Aiming<3911>は、10月29日、東京都内で2019年12月期の第3四半期決算の説明会を開催した。説明会に先立ち発表された第3四半期(1~9月)決算は、売上高42億5000万円、営業損益6億6600万円の赤字、経常損益6億7600万円の赤字、最終損益7億6400万円となった。

説明会では、同社の椎葉社長がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。今回はその内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■不採算タイトルの終了で減収に PS4版『キャラスト』が四半期でフル寄与


まずは業績を四半期推移(QonQ)で見てみると、第3四半期期間(7~9月)は、売上高は前四半期比5.4%減の12億8900万円、営業損益は2億9100万円の赤字(前四半期4億3400万円の赤字)、経常損益は2億9200万円の赤字(同4億3800万円の赤字)、最終損益は2億9500万円の赤字(同5億1700万円の赤字)と減収ながら赤字幅は縮小した。不採算タイトルの終了によって売上高は減少したものの、広告宣伝費や人件費の減少などで赤字幅は縮小した。

自社開発・自社配信タイトルは、『Lord of Knights』がサービス終了となるも、PS4版『CARAVAN STORIES』(以下『キャラスト』)が四半期にわたって寄与し、ほぼ横ばいの推移となった。売り上げの減少が目立ったのは、共同タイトルで、PC版『剣と魔法のログレス』と『ゲシュタルト・オーディン』のサービスを終了したことが大きく影響している。
 

一方、利益面だが、『ログレス物語』(以下『ログスト』)のリリースに伴い資産計上したことなどで売上原価が減少。早期退職などにより従業員数が減少したことによる人件費の減少などで販売管理費も減少した。
 

その早期退職の影響が大きい従業員数の推移だが、トータルでは前四半期比で126人の減少となっている。「50数名が早期退職を行ったほかにも台湾でも人員の最適化を進めている」(椎葉社長)とのことで、台湾の従業員数が前四半期の324人から52人減の272人となっている。
 
 

■ゲーム系IPタイトルのリリースが来期に期ずれする見込みに


次に運営タイトルの第3四半期の状況を見てみたい。主力の『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(以下『ログレス』)については、「堅調と言えば堅調」(同)という状況だ。長期運営タイトルのため、経年によるKPIの低下はあるが、アクティブユーザー数などは悪くはない数字だという。なお、12月17日に6周年を迎えるため、第4四半期は周年イベントの寄与が期待されることになる。


一方、『キャラスト』は「変わったコラボをやっている」(同)という言葉の通り、長野県阿智村や日本各地の動物園や水族館とのコラボを展開するなど、少し毛色の違ったコラボを行い、新規ユーザーの獲得に取り組んだ。こちらも11月28日に2周年を迎えるため、第4四半期は周年イベントの貢献が見込まれる。
 

新作パイプラインは、9月18日に『ログスト』のサービスを開始したことで、前四半期末の4本から3本に減少した。その中で、これまで年内のリリースが予定されていたゲーム系IPタイトルが、「正式決定したわけではないが、おそらく現状でいくと今期中のリリースは難しい」(同)とのことで、来期にリリースが期ずれとなる見込みだ。
 

なお、新作『ログスト』のリリース後の進捗については、「予想の範囲の下の方だが、まったくダメなわけではない」(同)とのことで、リリース当初はサーバーの安定稼働とゲームバランスの調整に目処がつくまでプロモーションを抑えていたが、11月のアップデートに合わせてプロモーションを実施していくとしていた。
 
 

■4Qは『ログスト』フル寄与や『ログレス』と『キャラスト』の周年で増収見込む


なお、新たに開示した2019年12月期通期の業績予想は、売上高57億7800万円、営業損益9億2700万円の赤字、経常損益9億3700万円の赤字、最終損益10億2800万円の赤字の見込み。

『ログスト』が四半期を通じて売上高に貢献することに加えて、周年イベントによるKPIの改善も見込まれるため、QonQで増収の予想としている。一方で、『ログスト』や周年イベントによる広告宣伝費の増加を見込むため、赤字幅の減少は限定的なものにとどまる見通しだ。
 
 
(編集部:柴田正之)