「位置情報はクリエイティブと違った、新しい体験が提供できる。既存IPゲームと競合しない」 ドリコム、位置情報&3DリアルマップPF「アロー」を本格展開へ
ドリコム<3793>の内藤裕紀社長は、この日(10月31日)開催の第2四半期の決算説明会で、位置情報が新しいユーザー体験を提供する「解」になるとの見方を示した。昨今のゲームアプリの開発においては、グラフィック部分を中心にクリエイティブを良くしていくことで新しいユーザー体験を提供するコンテンツの制作手法が取られていた。これはコンシューマゲームや映画などでよく見られたものが、開発費が高騰する大きな要因となっている。
他方、『ドラゴンクエストウォーク』の大ヒット以来、IPを活用した位置情報ゲームへの注目度が上がっているが、位置情報系のIPタイトルには、既存型のIPゲームアプリと異なるメリットがあるそうだ。一般的にIPタイトルは、第2弾、第3弾タイトルが第1弾を超えることが難しいが、位置情報を使うことで第1弾を超えることが可能になっているという。『ドラゴンクエストウォーク』がいい例だろう。
また、原作ファンとは違ったユーザー層にアプローチできるため、既存タイトルとユーザーの取り合いを引き起こすなど悪影響を与えないという。『ポケモンGO』や『ドラゴンクエストウォーク』は、既存ファンはもちろんん、これまで原作タイトルに触れたことのないユーザー層にアプローチしているといわれている。『星のドラゴンクエスト』は、『ドラゴンクエストウォーク』以降、順位を落としてはいない。
内藤社長は、短期間かつ安価で位置情報ゲームが開発できる、位置情報と3DリアルマップによるARスマートフォンアプリ構築プラットフォーム「AROW」(アロー)について、研究開発フェーズが終わり、いよいよ実用化段階に入ったことを明かした。B2Bサービスとしてゲーム会社向けに本格的に営業をかけていく考えで、現在、複数のゲーム会社や版元などに提案を行っているそうだ。
なお、「アロー」については、既存のマップAPIや地図情報サービスなどと比べて、手軽で導入コストが安価であることから、個人開発のゲームやインディーズゲームでの利用も想定しているという。「第1回 AROW スマホゲームアプリコンテスト」は、サービスの知名度拡大と普及を狙った取り組みといえよう。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793