【ネクソン決算説明会】2019年10~12月期は韓国売上高が前年同期比56%増に 「『メイプルストーリー』が過去最高の売上を記録」(マホニー社長)


ネクソン<3659>は、2月13日、2019年12月期の連結決算(IFRS)を発表するとともに東京都内で決算説明会を開催した。決算説明会に先立って発表した決算の内容は、売上収益2485億円(前々期比2.0%減)、営業利益945億円(同3.9%減)、税引前利益1219億円(同3.9%増)、最終利益1156億円(同7.4%増)となった。

決算説明会では、同社のオーウェン・マホニー社長(写真は2018年12月期の第2四半期決算説明会にて撮影)と植村士朗CFO(最高財務責任者)がまずは説明を一通り行い、その後に質疑応答が行われた。その内容も踏まえつつ、会見の様子をまとめてみた。
 

■韓国での好調が業績けん引 『メイプルストーリー』はPC、モバイルとも過去最高の売上に


まずは、第4四半期期間(10~12月)の業績を見てみると、売上収益は前年同期比6.9%増の492億円、営業利益は同15.6%増の45億円、最終利益は同49.6%減の32億円となった。売上収益は、韓国『メイプルストーリー』と『FIFA ONLINE 4』の好調に加え、新作モバイルMMORPGの『V4』も想定を上回るなど韓国での好調が増収につながった。なお、韓国での売上は前年同期比56.7%増となっている。

一方、営業利益は前年同期は上回ったものの、Pixelberry Studiosののれん等の資産に係る減損損失として92億円を計上したこともあり、業績の予想レンジより下ブレしての着地となっている。
 

続いて地域セグメント別を見てみたい。まずは、中国だが主力の『アラド戦記』の売上収益は想定をやや上回ったが、昨年のアニバーサリー、サマーアップデートから調子が悪くなった流れは大きくは変わっておらず、旧正月アップデートの売上収益は好調だった2019年との比較では大きく減少した。特にライトユーザーが減少しており、3月のアップデートで「離れたライトユーザーに戻ってきてもらうことを狙う」(植村CFO)としていた。

続いて韓国は「『メイプルストーリー』が過去最高の売上を記録した」(マホニー社長)とするなど、PC向け『メイプルストーリー』とスマホ向け『メイプルストーリーM』がともに好調だった。また、『FIFA ONLINE 4』も貢献したほか、11月にリリースした新作『V4』も厳しい競争環境下で想定を上回るスタートを切った。
 


日本については、『メイプルストーリーM』など、モバイルの売上収益が想定を下回ったことで、業績予想を下回っての着地となった。また、12月1日にgloopsのモバイルブラウザ事業を売却したため、ブラウザゲーム事業からの寄与が前年同期比で1ヶ月分少なくなっている。

北米では『Choices』の売上収益が想定を上回ったものの、その『Choices』に加えて『Darkness Rises』と『メイプルストーリーM』も売上収益は前年同期比では減少した。

欧州も10月に配信を開始した『Spiritwish』のグローバルサービスの売上収益が想定以上となったものの、『メイプルストーリーM』『Darkness Rises』『Choices』の減少により、売上収益は前年同期比で減少した。
 
 

■1Qは中国の売上減少による減収減益を見込む 『アラド戦記』の主要アップデートを実施予定


続く2020年12月期の第1四半期(1~3月)の見通しについては、韓国の好調が継続することを見込むものの、中国が主な要因となり前年同期比では20.5%~13.3%の減収となる見通し。主に中国『アラド戦記』の売上収益の減少が減収要因となっている。『アラド戦記』は、レベルキャップ開放や三次覚醒などを含む内容の主要アップデートを2020年3月に実施予定であり、この第1四半期で回復の兆しが出てくるのか注目されるところだ。

また、営業利益は31.6%~20.0%の減益を見込んでいる。なお、この第1四半期では、前払いロイヤリティなどに係る減損損失29億円を計上する予定だ。
 

新作パイプラインの主なタイトルについては、以下の通りとなっており、同社では2020年の注目タイトルとして『2Dアラド戦記モバイル』『KartRider: Drift』「Embark Studiosの初タイトル」の3つを紹介していた(関連記事)。

なお、日本向けでは既に発表済みの『Final Fantasy XI R』(『FFXIモバイル』)と『真・三國無双8モバイル(仮称)』の開発が進められているもようだ。
 

 
株式会社ネクソン
http://www.nexon.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ネクソン
設立
2002年12月
代表者
代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
決算期
12月
直近業績
売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3659
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