【決算まとめ②】ゲーム関連企業33社の1-3月は11社が営業赤字を計上 ミクシィは大幅黒字転換 セガサミーHDとアエリアが赤字転落 DeNAは2四半期連続に

主要モバイルゲーム企業の2020年1~3月期の決算の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。

この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の33社中、11社となった。これは前四半期と同じ数字となる。具体的には、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>、アクセルマーク<3624>、ボルテージ<3639>、モブキャストHD<3664>、enish<3667>、オルトプラス<3672>、アエリア<3758>、ケイブ<3760>、Aiming<3911>、LINE<3938>、セガサミーHD<6460>がこの四半期に営業赤字を計上した。

前四半期との比較で見ると、主力の『モンスターストライク』の復調でミクシィ<2121>が大幅黒字転換を達成し、KLab<3656>も黒字に浮上した一方で、セガサミーHDとアエリアが赤字に転落した。
 

セガサミーHDは、アミューズメント機器で期末に評価減を実施したことに加え、アミューズメント施設が新型コロナウイルス感染症拡大などの影響を受けたことが大きく影響した。ただし、年間トータルでは大幅な黒字となっており、今回の赤字は一過性の要因が強いと言えそうだ。

一方、アエリアは、業績拡大のけん引役だったコンテンツ事業が営業赤字となっており、M&Aで急成長してきたシナリオが大きく崩れた格好だ。しかし、この四半期において、不採算タイトル整理や開発費見直しなどを進め、子会社買収時に発生した「のれん」とコンテンツ事業の固定資産の減損損失42億1100万円を特別損失として計上するなど、抜本的な対策にも取り組んでいる。次の四半期はその効果がどのくらい見え始めるのか、注目されるところだ。

前四半期からは赤字幅こそ大きく縮小したものの、2期連続での営業赤字計上となったDeNAは、このところ順調な成長を見せていたスポーツ事業が新型コロナウイルス感染症の流行の影響を大きく受けそうなことも懸念される。ゲーム事業についても『進撃の巨人 TACTICS』のサービスが2020年8月31日に終了となることが決定しており、収益回復に少し時間がかかる可能性がありそうだ。