【インタビュー】ゲーム会社の声から実現した「ゲームインフラ最適化ソリューション」…エイチームとNHN JAPANにきく立ち上げ経緯とその想いとは
NHN JAPANは、ゲームのサーバー開発を支援する目的として「ゲームインフラ最適化ソリューション」の提供を開始した。
「ゲームインフラ最適化ソリューション」とは、NHN JAPANにて長年にわたるゲーム開発・運営やクラウド・データセンター事業の実績をもとに、サーバー開発におけるコンサルティング、クラウドインフラの提供、インフラ移行や運営の技術支援をトータルでサポートするサービスであり、第一弾としてエイチームに導入されている。
今回、Social Game Infoでは、NHN JAPANの伊藤氏と、エイチームのエンターテインメント事業本部マネージャー Y氏、サーバーエンジニア S氏にインタビューを実施。導入までの経緯や効果、今後の展望などについて詳しく聞いてきた。
株式会社エイチーム
エンターテインメント事業本部
マネージャー
Y氏(写真中央)
サーバーサイドエンジニア
S氏(写真左)
NHN JAPAN株式会社
クラウド事業推進室
マーケティングマネージャー
伊藤 史亮氏(写真右)
――:まずは、簡単な自己紹介からお願いします。
伊藤:私はもともと、インフラエンジニアやセキュリティーベンダーのテクニカルサポートなど、技術寄りの仕事をしていました。その後ベンチャー企業でのマーケティングを経て、現在はNHN JAPANで総合クラウドサービス「TOAST」の事業企画やマーケティングのリードをしています。
Y:私はエイチームではゲームプロデューサーとして入社し、前職でもディレクターやプロデューサーとして働いていました。直近の業務としては、プロジェクト全体のコストダウンや最適化を進めており、その取り組みのひとつとして「TOAST」等を利用させていただいています。
S:私はエイチームにエンジニアとして入社し、様々なゲームの開発経験を経て、現在はサーバーのエンジニアリーダーを担当しています。コードを書くだけではなく、インフラ側にも関わるなど、サーバー全般の業務に携わっています。
――:まず初めに昨今のスマホゲーム市場は、皆様からはどのように見えていますか?
Y:ざっくりとした言い方をすると、しっかりとホームランを打てる体制を維持し続けることが大事になっているのかなと思っております。当たるか当たらないかが読みづらい状況になっているので、打席に立つ回数だけではなく狙ってホームランを打つ回数を増やす事が重要だと感じています。
打席に立つ回数を増やすために、コストダウンを考える場面も増えるかと思います。なるべく良い体制を長く維持できるように、既存プロジェクトの筋肉質化が弊社の方針としても打ち出されています。そのために、サーバーの移管や海外への展開・協力などの取り組みは、業界的に今後より増加するものと思っております。
S:昨今の新型コロナウィルスの影響も少なからず感じますし、その中で今まで通りの仕事ができる環境が大事だと思います。例えば、何かしらローカルで物理的なサーバーを使うだけではなく、クラウドのサーバーを利用するなど、在宅作業でも今までと変わらないクオリティのものを提供していくことが必要だと感じていますね。
伊藤:セールスランキングをみていると、海外勢の参入やロングヒットの作品が定着しているような印象で、新規のヒット作や収益化するゲームを作るのが難しくなっていると感じています。特に小規模の会社や、自社タイトルを昔は出していたけれども今は出せない状況の会社は、受託開発のみ行っているところも多くなっていると思いますね。
Y:開発費の高騰や海外企業の参入もあり、打席に立つ事自体が難しい市場にはなっていると感じています。ただ、ハイパーカジュアルゲームや配信型ゲームなど、多様性が出てきている一面もあるので、決して悲観的に見ているわけではありません。ゲームの内容のみならず開発手法や体制も会社毎に変化していく必要性が強まってきたという印象です。エイチームでもマルチデバイス展開でグローバル市場を狙っていくように方針を立てています。
伊藤:多くのゲーム会社様からヒアリングをさせていただくのですが、コスト面やゲーム運営のご相談など、お悩みの種類は様々になってきたと感じます。弊社ではこれまで「TOAST」の提供を行なっていましたが、更なるご要望に応えるべく「ゲームインフラ最適化ソリューション」をリリースさせていただきました。
――:ゲーム会社の声から生まれたんですね。まず初めに、「TOAST」を含めたゲームインフラ最適化ソリューションの概要について教えてください。
伊藤:「ゲームインフラ最適化ソリューション」は、NHNグループの長年のゲーム開発ノウハウが集約したクラウドサービス「TOAST」を軸に、NHNのスマホゲームを運営しているエンジニアが、インフラのコンサルティングや移行支援、運営フォローをサポートするトータル的なソリューションになっています。
「TOAST」の費用としては、他社のクラウドインフラよりも平均して2~3割ほど安価になるかと思いますし、ボリュームディスカウントもさせていただくので、インフラコストの削減に貢献できるクラウドサービスになっております。また、コンサルティングによって、既存インフラのスペックや構成を見直してリサイジングの提案や、必要に応じてバックエンドサービスを組み合わせて最適なインフラ構成を提案しています。
――:「ゲームインフラ最適化ソリューション」の強みはなんでしょうか?
伊藤:コンサルティングから移行支援、その後の運営フォローまでワンストップでサービスを提供しているのは、他社には真似できない部分だと思います。実際にNHNグループが数多くのスマホゲームを長年開発・運営しているからこそできるサービスです。
――:エイチームさんが、「TOAST」や「ゲームインフラ最適化ソリューション」の導入に至ったきっかけはどういったものでしょうか?
S:私たちのプロジェクトでは、これまであえて比較的ハイスペックな物理サーバーを中心にシステムを構成することで、コストパフォーマンスを最適化してきました。今回、運用体制の変化やゲームを取り巻く状況の変化を鑑みて、改めて仮想サーバーも含めたより良い最適化を検討し直しました。そして様々な部分を考慮した結果、TOASTを選ばせていただきました。
伊藤:ゲームインフラ最適化ソリューションに関しては、エイチーム様が「TOAST」を選んでいただき、その中で構成のご相談やリサイジングの提案、移行作業のバックアップなどの活動を繰り返していくことで一つのソリューションとして出来上がっていきました。お互いが話し合っていく中で、運用されていったと言う感じです。
Y:「大きい施策を打つので、監視を強化してください」などの要望にも臨機応変に答えてくださるので、サポートも充分していただいているかなと。
――:今まで使用していたサーバーやインフラサービスのリプレイスはなかなか決断が難しいと思いますが、その点はどうでしたか?
Y:実際には一度頓挫した計画でした。去年の8月ごろに一度社内提案をしたんですが、そのときは移管のリスクと、得られるメリットが見合わないのではとの意見が多く、導入自体は流れてしまったんです。もともと採用していたインフラ環境でもできるのではという声もありました。しかしその後、アプリのステージが変化し、根本的なコストダウンが必要だとプロジェクトで考え直して再度導入の話が持ち上がりました。
S:エンジニアからしても、導入することで色々と仕様が変わるのは怖いという声はどの会社でも挙がるかと思いますが、私たちにも当てはまっていました。しかし、1年間でクラウド分野も進化しており、今がちょうど導入できる状況だったのかなと感じます。この1年と言うのは結構大きかったと思います。
――:実際に導入されて、どのような成果が上がった、変化があった等の具体的なエピソードはありますか?
Y:コストの面はかなり削減に協力していただきました。また、クラウド環境に変わって柔軟なスケジュールが立てられるようになりましたね。例えば、物理サーバーのままだともう少し早くスケジュールを出していなければいけないところが問題なくなるなど、予想外の急な大型の施策にも対応できるようになりました。特に企画側はかなり作業がやり易くなったと思います。
S:大きな施策を打つ際、スケールアップ・スケールダウンがやりやすくなったという印象です。最適化が容易になり、施策が検討しやすくなるなど、インフラと直接関わりのないチームにも良い影響が少なからずあるかなと感じます。
また、今回は非常に早い期間でサーバー移管をしていただきました。それこそ、正式な動き出しから1ヵ月かからない程度でしたね。
――:すごく素早いですね。他社の事例を聞いていると、ものによっては半年ほどかかる場合もあるとか。
Y:リードタイムを含めて3ヶ月程度かかると僕も想定していたんですが、本当にスムーズでしたね。お話しさせていただいてから、その日にはもう作業が始まったと言う感じでした。契約して「こういうスケジュールでやります」「今日からすぐ用意します」と言っていただけたのはありがたかったです。
契約から全ての移管作業を完了するまでに2ヶ月かかりませんでした。
伊藤:お客様のスケジュール次第ではありますが、今回は素早くやりたいというご要望もあり、こちらもサポート体制をすぐに整えさせていただきました。他社様に対しても、お問い合わせをいただいたらすぐ窓口として営業をアサインしますし、こちらのエンジニアもすぐに対応できる体制になっておりますので、ここは早いと思います。また、移行後も様々な要望に対して関係者間で議論し、それに対応できるようなアフターフォローにも力を入れています。
Y:早かった理由として、コミュニケーションを密に取れたこと、そこで発生したこちらの要望に対して柔軟な対応をしていただいた点は間違いなくありました。
伊藤:エンジニア同士でコミュニケーションを細かくとっていただいたことが、スムーズに実施できた理由かなと感じています。
――:実際に導入した感覚として、こういった会社やタイトルに向いているんじゃないかというイメージはありますか?
S:相談等をしっかりさせていただけるということで、初めてクラウドへの移管を考えている会社様や、コミュニケーションを密にとって柔軟に動ける会社様に合っていると思います。
Y:自分達だけでは不安が残るという会社様ですと、NHN JAPANさんのサポートもあるので適しているかと思います。
伊藤:ゲームの売上に対してインフラコストの割合が大きいゲーム会社様や、これからゲームを開発するのにインフラ構成の検討などにあまりリソースを割きたくないゲーム会社様に適していると思います。インフラサイドのことは我々に任せて、ゲームのクオリティを上げるための開発に集中してほしいです。
――:実際に使用されているエイチーム様から見て、こうしてほしいというリクエスト等はあるのでしょうか。
伊藤:機能の要望やサービスについてもそうですし、会社としても何かご意見があればお気軽に言っていただければ幸いです(笑)。
S:共に良いインフラが作れているとは感じますが、ゲームに最適化しているといっても、どうしてもマシンスペック上これ以上いけないというところがあります。今後はそうした細かい部分のすり合わせを積極的に行い、より良いものに仕上げていければいいなと思います。
Y:インスタンスの種類をもう少し細かくしていただけたら嬉しいなと思います。他社さんであるインスタンスなどが無かったりしたことがあったので……。かなり細かい話で申し訳ないですけど(笑)。
伊藤:いえいえ、ありがとうございます。社内にフィードバックしておきます。「ゲームインフラ最適化ソリューション」はゲーム会社様の要望を応えていけるサービスにしたいので、今後のブラッシュアップにおいてもご一緒していけたら嬉しいですね。
――:「TOAST」は今後どのように展開されていくのでしょうか?
伊藤:最近では、コンテナサービスのリリースや、ゲームのKPIの部分を拡充するなど、利用者様のビジネスを加速させるように、積極的に機能追加を行っています。今後のアップデートについては、既存のサービスと連携したいという要望に応えるべく、外部のサービスとの連携を強化することを考えています。よりゲームの開発や運営を素早く、やりやすくなるような機能やソリューションの提供を準備中です。
――:最後に、読者に向けて一言コメントをお願いします。
S:今後、サーバーエンジニアは、ゲーム業界の変化に合わせてより幅広いインフラの形態への対応と、激化する競争のための最適化の両方を求められるようになると思っています。しかし、いきなり全てをやるのは難しいと思いますし、今回のような形で外部から助けをいただきながら、最適化をしていくことが大事になってくる時代なのかなと思います。エイチームでは、今後も外部から様々な情報を仕入れつつ、エンジニア集団として成長することを考えています。NHN JAPAN様と共に、ゲーム業界の成長にも貢献していきたいですね。
Y:エイチームはこれまで以上に、国内だけでなく世界の市場も狙っていこうと考えております。最近では6月25日、全世界向けに『初音ミク -TAP WONDER-』というタイトルをリリースしました。
「みんなで作る!」をテーマに、BGMやイラスト作品を公募して定期的にゲームに実装しています。人気イラストレーターさんの描き下ろしイラストも登場するので、ぜひ読者の皆様にプレイいただけたらと思います。※初音ミク -TAP WONDER- はTOASTを使用したサービスではありません。
伊藤:最近はスマホゲームの収益安定化が困難なために、新作タイトルの開発に消極的だったり、すぐにサービスが終了するゲームが増えてきています。我々は、適切な部分に費用を充てるなど、コスト管理を徹底することで、より長くユーザーに愛されるゲームを作ることが可能だと考えています。
NHNグループにはユーザーに長く遊んでいただいているゲームが多くありますので、そのノウハウを少しでも多くの皆様に提供して、皆様がより良いゲーム開発ができるようにサポート致します。そうすることで、一緒に日本のゲーム市場を盛り上げていきたいなと思っていますので、「ゲームインフラ最適化ソリューション」にご興味のある方は、ぜひTOASTのWebページから問い合わせてみてください。よろしくお願いします。
――:本日は、ありがとうございました。
「ゲームインフラ最適化ソリューション」とは、NHN JAPANにて長年にわたるゲーム開発・運営やクラウド・データセンター事業の実績をもとに、サーバー開発におけるコンサルティング、クラウドインフラの提供、インフラ移行や運営の技術支援をトータルでサポートするサービスであり、第一弾としてエイチームに導入されている。
今回、Social Game Infoでは、NHN JAPANの伊藤氏と、エイチームのエンターテインメント事業本部マネージャー Y氏、サーバーエンジニア S氏にインタビューを実施。導入までの経緯や効果、今後の展望などについて詳しく聞いてきた。
■それぞれの会社で考える必要性が出てきた開発体制の在り方
株式会社エイチーム
エンターテインメント事業本部
マネージャー
Y氏(写真中央)
サーバーサイドエンジニア
S氏(写真左)
NHN JAPAN株式会社
クラウド事業推進室
マーケティングマネージャー
伊藤 史亮氏(写真右)
――:まずは、簡単な自己紹介からお願いします。
伊藤:私はもともと、インフラエンジニアやセキュリティーベンダーのテクニカルサポートなど、技術寄りの仕事をしていました。その後ベンチャー企業でのマーケティングを経て、現在はNHN JAPANで総合クラウドサービス「TOAST」の事業企画やマーケティングのリードをしています。
Y:私はエイチームではゲームプロデューサーとして入社し、前職でもディレクターやプロデューサーとして働いていました。直近の業務としては、プロジェクト全体のコストダウンや最適化を進めており、その取り組みのひとつとして「TOAST」等を利用させていただいています。
S:私はエイチームにエンジニアとして入社し、様々なゲームの開発経験を経て、現在はサーバーのエンジニアリーダーを担当しています。コードを書くだけではなく、インフラ側にも関わるなど、サーバー全般の業務に携わっています。
――:まず初めに昨今のスマホゲーム市場は、皆様からはどのように見えていますか?
Y:ざっくりとした言い方をすると、しっかりとホームランを打てる体制を維持し続けることが大事になっているのかなと思っております。当たるか当たらないかが読みづらい状況になっているので、打席に立つ回数だけではなく狙ってホームランを打つ回数を増やす事が重要だと感じています。
打席に立つ回数を増やすために、コストダウンを考える場面も増えるかと思います。なるべく良い体制を長く維持できるように、既存プロジェクトの筋肉質化が弊社の方針としても打ち出されています。そのために、サーバーの移管や海外への展開・協力などの取り組みは、業界的に今後より増加するものと思っております。
S:昨今の新型コロナウィルスの影響も少なからず感じますし、その中で今まで通りの仕事ができる環境が大事だと思います。例えば、何かしらローカルで物理的なサーバーを使うだけではなく、クラウドのサーバーを利用するなど、在宅作業でも今までと変わらないクオリティのものを提供していくことが必要だと感じていますね。
伊藤:セールスランキングをみていると、海外勢の参入やロングヒットの作品が定着しているような印象で、新規のヒット作や収益化するゲームを作るのが難しくなっていると感じています。特に小規模の会社や、自社タイトルを昔は出していたけれども今は出せない状況の会社は、受託開発のみ行っているところも多くなっていると思いますね。
Y:開発費の高騰や海外企業の参入もあり、打席に立つ事自体が難しい市場にはなっていると感じています。ただ、ハイパーカジュアルゲームや配信型ゲームなど、多様性が出てきている一面もあるので、決して悲観的に見ているわけではありません。ゲームの内容のみならず開発手法や体制も会社毎に変化していく必要性が強まってきたという印象です。エイチームでもマルチデバイス展開でグローバル市場を狙っていくように方針を立てています。
伊藤:多くのゲーム会社様からヒアリングをさせていただくのですが、コスト面やゲーム運営のご相談など、お悩みの種類は様々になってきたと感じます。弊社ではこれまで「TOAST」の提供を行なっていましたが、更なるご要望に応えるべく「ゲームインフラ最適化ソリューション」をリリースさせていただきました。
■ゲーム会社の要望で生まれた「ゲームインフラ最適化ソリューション」
――:ゲーム会社の声から生まれたんですね。まず初めに、「TOAST」を含めたゲームインフラ最適化ソリューションの概要について教えてください。
伊藤:「ゲームインフラ最適化ソリューション」は、NHNグループの長年のゲーム開発ノウハウが集約したクラウドサービス「TOAST」を軸に、NHNのスマホゲームを運営しているエンジニアが、インフラのコンサルティングや移行支援、運営フォローをサポートするトータル的なソリューションになっています。
「TOAST」の費用としては、他社のクラウドインフラよりも平均して2~3割ほど安価になるかと思いますし、ボリュームディスカウントもさせていただくので、インフラコストの削減に貢献できるクラウドサービスになっております。また、コンサルティングによって、既存インフラのスペックや構成を見直してリサイジングの提案や、必要に応じてバックエンドサービスを組み合わせて最適なインフラ構成を提案しています。
――:「ゲームインフラ最適化ソリューション」の強みはなんでしょうか?
伊藤:コンサルティングから移行支援、その後の運営フォローまでワンストップでサービスを提供しているのは、他社には真似できない部分だと思います。実際にNHNグループが数多くのスマホゲームを長年開発・運営しているからこそできるサービスです。
――:エイチームさんが、「TOAST」や「ゲームインフラ最適化ソリューション」の導入に至ったきっかけはどういったものでしょうか?
S:私たちのプロジェクトでは、これまであえて比較的ハイスペックな物理サーバーを中心にシステムを構成することで、コストパフォーマンスを最適化してきました。今回、運用体制の変化やゲームを取り巻く状況の変化を鑑みて、改めて仮想サーバーも含めたより良い最適化を検討し直しました。そして様々な部分を考慮した結果、TOASTを選ばせていただきました。
伊藤:ゲームインフラ最適化ソリューションに関しては、エイチーム様が「TOAST」を選んでいただき、その中で構成のご相談やリサイジングの提案、移行作業のバックアップなどの活動を繰り返していくことで一つのソリューションとして出来上がっていきました。お互いが話し合っていく中で、運用されていったと言う感じです。
Y:「大きい施策を打つので、監視を強化してください」などの要望にも臨機応変に答えてくださるので、サポートも充分していただいているかなと。
――:今まで使用していたサーバーやインフラサービスのリプレイスはなかなか決断が難しいと思いますが、その点はどうでしたか?
Y:実際には一度頓挫した計画でした。去年の8月ごろに一度社内提案をしたんですが、そのときは移管のリスクと、得られるメリットが見合わないのではとの意見が多く、導入自体は流れてしまったんです。もともと採用していたインフラ環境でもできるのではという声もありました。しかしその後、アプリのステージが変化し、根本的なコストダウンが必要だとプロジェクトで考え直して再度導入の話が持ち上がりました。
S:エンジニアからしても、導入することで色々と仕様が変わるのは怖いという声はどの会社でも挙がるかと思いますが、私たちにも当てはまっていました。しかし、1年間でクラウド分野も進化しており、今がちょうど導入できる状況だったのかなと感じます。この1年と言うのは結構大きかったと思います。
■コスト削減のみならず手厚いサポートも
――:実際に導入されて、どのような成果が上がった、変化があった等の具体的なエピソードはありますか?
Y:コストの面はかなり削減に協力していただきました。また、クラウド環境に変わって柔軟なスケジュールが立てられるようになりましたね。例えば、物理サーバーのままだともう少し早くスケジュールを出していなければいけないところが問題なくなるなど、予想外の急な大型の施策にも対応できるようになりました。特に企画側はかなり作業がやり易くなったと思います。
S:大きな施策を打つ際、スケールアップ・スケールダウンがやりやすくなったという印象です。最適化が容易になり、施策が検討しやすくなるなど、インフラと直接関わりのないチームにも良い影響が少なからずあるかなと感じます。
また、今回は非常に早い期間でサーバー移管をしていただきました。それこそ、正式な動き出しから1ヵ月かからない程度でしたね。
――:すごく素早いですね。他社の事例を聞いていると、ものによっては半年ほどかかる場合もあるとか。
Y:リードタイムを含めて3ヶ月程度かかると僕も想定していたんですが、本当にスムーズでしたね。お話しさせていただいてから、その日にはもう作業が始まったと言う感じでした。契約して「こういうスケジュールでやります」「今日からすぐ用意します」と言っていただけたのはありがたかったです。
契約から全ての移管作業を完了するまでに2ヶ月かかりませんでした。
伊藤:お客様のスケジュール次第ではありますが、今回は素早くやりたいというご要望もあり、こちらもサポート体制をすぐに整えさせていただきました。他社様に対しても、お問い合わせをいただいたらすぐ窓口として営業をアサインしますし、こちらのエンジニアもすぐに対応できる体制になっておりますので、ここは早いと思います。また、移行後も様々な要望に対して関係者間で議論し、それに対応できるようなアフターフォローにも力を入れています。
Y:早かった理由として、コミュニケーションを密に取れたこと、そこで発生したこちらの要望に対して柔軟な対応をしていただいた点は間違いなくありました。
伊藤:エンジニア同士でコミュニケーションを細かくとっていただいたことが、スムーズに実施できた理由かなと感じています。
――:実際に導入した感覚として、こういった会社やタイトルに向いているんじゃないかというイメージはありますか?
S:相談等をしっかりさせていただけるということで、初めてクラウドへの移管を考えている会社様や、コミュニケーションを密にとって柔軟に動ける会社様に合っていると思います。
Y:自分達だけでは不安が残るという会社様ですと、NHN JAPANさんのサポートもあるので適しているかと思います。
伊藤:ゲームの売上に対してインフラコストの割合が大きいゲーム会社様や、これからゲームを開発するのにインフラ構成の検討などにあまりリソースを割きたくないゲーム会社様に適していると思います。インフラサイドのことは我々に任せて、ゲームのクオリティを上げるための開発に集中してほしいです。
――:実際に使用されているエイチーム様から見て、こうしてほしいというリクエスト等はあるのでしょうか。
伊藤:機能の要望やサービスについてもそうですし、会社としても何かご意見があればお気軽に言っていただければ幸いです(笑)。
S:共に良いインフラが作れているとは感じますが、ゲームに最適化しているといっても、どうしてもマシンスペック上これ以上いけないというところがあります。今後はそうした細かい部分のすり合わせを積極的に行い、より良いものに仕上げていければいいなと思います。
Y:インスタンスの種類をもう少し細かくしていただけたら嬉しいなと思います。他社さんであるインスタンスなどが無かったりしたことがあったので……。かなり細かい話で申し訳ないですけど(笑)。
伊藤:いえいえ、ありがとうございます。社内にフィードバックしておきます。「ゲームインフラ最適化ソリューション」はゲーム会社様の要望を応えていけるサービスにしたいので、今後のブラッシュアップにおいてもご一緒していけたら嬉しいですね。
■ゲーム会社がより良い開発と挑戦がしていけるように
――:「TOAST」は今後どのように展開されていくのでしょうか?
伊藤:最近では、コンテナサービスのリリースや、ゲームのKPIの部分を拡充するなど、利用者様のビジネスを加速させるように、積極的に機能追加を行っています。今後のアップデートについては、既存のサービスと連携したいという要望に応えるべく、外部のサービスとの連携を強化することを考えています。よりゲームの開発や運営を素早く、やりやすくなるような機能やソリューションの提供を準備中です。
――:最後に、読者に向けて一言コメントをお願いします。
S:今後、サーバーエンジニアは、ゲーム業界の変化に合わせてより幅広いインフラの形態への対応と、激化する競争のための最適化の両方を求められるようになると思っています。しかし、いきなり全てをやるのは難しいと思いますし、今回のような形で外部から助けをいただきながら、最適化をしていくことが大事になってくる時代なのかなと思います。エイチームでは、今後も外部から様々な情報を仕入れつつ、エンジニア集団として成長することを考えています。NHN JAPAN様と共に、ゲーム業界の成長にも貢献していきたいですね。
Y:エイチームはこれまで以上に、国内だけでなく世界の市場も狙っていこうと考えております。最近では6月25日、全世界向けに『初音ミク -TAP WONDER-』というタイトルをリリースしました。
「みんなで作る!」をテーマに、BGMやイラスト作品を公募して定期的にゲームに実装しています。人気イラストレーターさんの描き下ろしイラストも登場するので、ぜひ読者の皆様にプレイいただけたらと思います。※初音ミク -TAP WONDER- はTOASTを使用したサービスではありません。
伊藤:最近はスマホゲームの収益安定化が困難なために、新作タイトルの開発に消極的だったり、すぐにサービスが終了するゲームが増えてきています。我々は、適切な部分に費用を充てるなど、コスト管理を徹底することで、より長くユーザーに愛されるゲームを作ることが可能だと考えています。
NHNグループにはユーザーに長く遊んでいただいているゲームが多くありますので、そのノウハウを少しでも多くの皆様に提供して、皆様がより良いゲーム開発ができるようにサポート致します。そうすることで、一緒に日本のゲーム市場を盛り上げていきたいなと思っていますので、「ゲームインフラ最適化ソリューション」にご興味のある方は、ぜひTOASTのWebページから問い合わせてみてください。よろしくお願いします。
――:本日は、ありがとうございました。
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662
会社情報
- 会社名
- NHN Japan