ブロッコリー<2706>は、10月9日、2021年2月期の8月中間決算(非連結)を発表し、売上高29億9100万円(前年同期比9.4%増)、営業利益6億2000万円(同82.0%増)、経常利益6億3600万円(同83.1%増)、最終利益4億3800万円(同58.2%増)と大幅な増益を達成した。採算性の高い「うたの☆プリンスさまっ♪」関連の収益が伸びたことに加えて、販売管理費など経費圧縮に取り組んだことが奏功し、営業利益、経常利益、最終利益が大きく伸びた。
まず、売上高について見ていくと、「うたの☆プリンスさまっ♪」のスペシャルコンセプトショップ「All-Star Shop」を開催しており、関連グッズの売上は前年同期比9.1%増の9億4500万円と伸びた。新型コロナへの対策を行ったことで購入者数は前年の夏季限定ショップを下回ったものの、客単価が向上し、全体の売上がプラスとなった。「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム」や3周年を迎えたアプリの収益も押し上げた。
また、コロナ禍で影響を受けたTCG「Z/X(ゼクス)」については同8.1%減の3億8800万円と健闘した。オンラインイベント開催や関連グッズの通販強化を行ったことで落ち込みをカバーしたという。他社ライセンスグッズについては、リアルイベント中止の影響があったが、他社オンラインライブの通販向けグッズ販売や、フィギュアの販売が好調に推移したとのこと。
コンテンツ別の売上構成の変化は以下のとおり。
なお、販売管理費については、前年同期7億5900万円から1億0700万円も減らして6億5200万円にしたことも明かした。前年同期比で14.1%減となる。
【追記】
10月21日開催の決算説明会で確認したところ、前年同期は新しい中期経営計画の初年度だったこともあり、積極的に人員募集をかけていたため、採用費を増やしていたという。また新規コンテンツのプロモーション費用も多かったとのこと。今期はこれらの費用が大きく減ったため、販売管理費も圧縮できた、と会社側は説明した。
2021年2月期通期の見通しは、従来予想から変更なく、売上高73億円(前期比12.7%増)、営業利益9億円(同32.2%増)、経常利益9億3000万円(同32.2%増)、最終利益6億円(同58.6%増)とした。12月に発売を予定していたニンテンドースイッチ用ソフト「ジャックジャンヌ」は来年3月に発売延期とし、この影響も含めた通期の業績見通しを精査したが、上半期の好調な業績もあり、現時点では変更しない、とした。
「ジャックジャンヌ」については、石田スイ氏ら携わっているクリエイターから制作物の納品は既に完了しており、ゲームの完成に向けて開発を進めている段階にあるものの、表現方法やゲームバランスなどの品質向上に時間が要するためと説明している。今期リリースされないことは残念だが、来期以降のブロッコリーの成長要因になったとみることができる。万全な形でリリースし、業界を盛り上げてほしいところだ。
(編集部 木村英彦)
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブロッコリー
- 設立
- 1994年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 鈴木 恵喜
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 売上高65億6300万円、営業利益2億8300万円、経常利益3億1200万円、最終利益1億6800万円(2022年2月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 2706