フィールズ、21年3月期は売上高41%減の387億円、営業損失22億円と大幅減収・赤字転落 『シン・ウルトラマン』公開に向けて準備も

フィールズ<2767>は、2021年3月期の連結決算を発表し、売上高387億9600万円(前の期比41.7%減)、営業損失22億4100万円(前の期は7億1300万円の利益計上)、経常損失20億3200万円(前の期は9億3900万円の利益計上)、最終損失34億5200万円(前の期は4億9000万円の利益計上)と大幅減収・赤字転落となった。


売上高:387億9600万円(前の期比41.7%減)
営業損失:22億4100万円(前の期は7億1300万円の利益計上)
経常損失:20億3200万円(前の期は9億3900万円の利益計上)
最終損失:34億5200万円(前の期は4億9000万円の利益計上)


パチンコ業界では、政府の緊急事態宣言に応じてホールが休業や営業自粛を強いられる局面もあったが、その後は万全の感染症対策を講じて営業を継続し、業界全体でクラスターは発生していない状況。また、高齢者の遊技機会が減少する一方、若年層の遊技機会が増え、若者に適した遊技機が市場に浸透する傾向が見られた。

ただ、一般生活者の消費動向が大きく停滞する中、商品の販売への影響は大きく、当期末時点におけるホール軒数は8,063店舗(前年比647店舗減)、市場総設置台数は360万台(同22万台減)、市場総販売台数は、パチンコ81万台(前年比35万台減)、パチスロ43万台(同14万台減)、合計125万台(同49万台減)と、いずれも減少した。

こうした状況の中、同社グループの主力事業であるパチンコ・パチスロ事業(PS事業)では、政府針を遵守してテレワーク勤務を導入する等感染症対策を徹底しつつ、ホールのニーズに応える商品の販売に注力した。しかしながら、市場の購買マインド低下や度重なる緊急事態宣言の影響により販売台数の伸び悩みや商品の販売スケジュールの延期を余儀なくした結果、当期のパチンコ・パチスロ総販売数は9.5万台(前期は19.1万台)となった。

IPビジネス領域については、グループ中期事業戦略に基づき、先ずは円谷プロダクションとデジタル・フロンティアの2社をグローバルなIP企業として育成し、そこで得られた知見や仕組みを次のステップで拡張・横展開していくという展望のもと進めているが、当期は両社において、これまでの水面下での戦略的取組みが目に見える形で現れる結果となった。

同社グループの成長ドライバーとしてIPビジネスを担う位置付けの円谷プロダクションは、ファン層に適した実写・アニメ等の映像作品を映画・テレビ・配信等を通じて国内外に提供して『ウルトラマン』ファンを拡大し、映像事業とライセンス事業の双方で収益化する中期事業戦略を推進している。映像事業では、企画・脚本/庵野秀明氏、監督/樋口真嗣氏の映画『シン・ウルトラマン』の特報映像・特別ビジュアルを解禁し、現在、新たな公開時期を調整している。

また、NTTドコモ社との協業により、円谷プロ公式定額制デジタル・プラットフォーム・サービス『TSUBURAYA IMAGINATION』の提供を開始したほか、ライセンス事業領域においてはアパレル・食品等の大手企業とのパートナーシップを新たに獲得、海外事業領域においても中国市場中心に大きく利益に貢献する等国内外とも順調に推移した。

PS事業とIPビジネスにおけるCG映像領域の中核企業であるデジタル・フロンティアでは、国内ゲーム会社を中心としたCG映像制作や、国内外からのVFX映像制作に継続して対応した。また、世界最大級のストリーミングサービスを提供するNetflixと、Netflixオリジナル作品において、複数年にわたりVFX制作及びバーチャル・プロダクションの映像制作リソースを提供する業務提携をした。これは、国内企業において同社が初となる。
円谷フィールズホールディングス株式会社
https://www.tsuburaya-fields.co.jp/

会社情報

会社名
円谷フィールズホールディングス株式会社
設立
1988年6月
代表者
代表取締役社長 グループ最高経営責任者 山本 英俊
決算期
3月
直近業績
売上高1419億2300万円、営業利益118億2700万円、経常利益129億4700万円、最終利益115億5100万円(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2767
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