【決算レポート】マーベラス、21年3月期は『サクナヒメ』&『牧場物語』大ヒットし大幅増益 オンラインゲーム急改善 今期は『ルンファク5』など期待作も
マーベラス<7844>は、5月12日に2021年3月期の決算を発表するとともに、同日、決算説明の動画を公開した。発表した決算は、売上高255億2000万円(前の期比0.6%増)、営業利益44億1400万円(同80.2%増)、経常利益45億5800万円(同82.2%増)、最終利益32億6500万円(同81.6%増)と大幅増益を達成した。
説明にあたった許田 周一社長(写真)は、「『天穂のサクナヒメ』と『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』の大ヒットが業績をけん引した。オンラインは、主力タイトルでコラボ施策が奏功したことや、不採算タイトルの整理も行ったことで利益率が向上した」と振り返った。
■セグメント別の状況
セグメント別の状況は以下のとおり。
コンシューマ事業
売上高が27.0%増の144億7400万円、セグメント利益が105.2%増の41億5800万円と大きく伸びた。
『天穂のサクナヒメ』は追加受注もあり、世界累計出荷本数が95万本を突破し、『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』については国内とアジアで2月に、北米・欧州で3月に発売し、世界累計出荷本数が70万本を突破した。
アミューズメントは、新型コロナの影響を大きく受けたが、『ポケモンメザスタ』が第4四半期に入って回復。また『ポケモンガオーレ』は、稼動開始した地域で好調な推移となった。
オンライン事業
売上高が同7.5%減の74億9700万円、セグメント利益が399.7%増の13億5900万円とこちらも大幅な増益となった。
『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』、『剣と魔法のログレス いにしえの女神』がコラボ施策や周年イベントの成功で堅調に推移したほか、11年目を迎える『ブラウザ三国志』もコスト圧縮で前期を上回る利益を達成した。
なお、新作『一騎当千エクストラバースト』は、プロモーション強化で巻き返しを図ったが、期待した成果が出ていないことから、初期開発費の回収が困難と判断し、ソフトウェア資産の評価減を実施したという。今後、減価償却費の負担減で黒字化を図っていく。
音楽映像事業
売上高が同39.7%減の35億5000万円、セグメント利益が同65.7%減の5億4000万円と大幅な減収・減益を余儀なくされた。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府のイベント自粛による公演中止や収容人数規制、映像作品の放送・公開延期などの形で影響を受けた。1月からの緊急事態宣言の影響で、舞台公演の券売が伸び悩み、第4四半期は赤字となった。
TVアニメ『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』を2020年7月~9月に放送したが、Blu-ray・DVDのセールスは好調とのこと。また人気シリーズの講演も行ったが、観客動員が伸び悩んだ。
■2022年3月期の見通し
続く2022年3月期の見通しは非開示となっている。新型コロナウイルスによる影響を現段階において合理的に算定することが困難なため、未定としている。
コンシューマ事業
新作タイトル『ルーンファクトリー』シリーズの最新作『ルーンファクトリー5』を5月20日、「NO MORE HEROES」シリーズの最新作『No More Heroes 3』を8月27日に発売する。
また、『天穂のサクナヒメ』と『牧場物語 オリーブタウンと希望の大地』につきましては、ミリオン達成を目指してさらなる拡販に注力する考えだ。
また、アミューズメントの『ポケモンメザスタ』については、4月22日より新弾「4弾」の稼動を開始した。今後も継続的な新弾投入など、運営強化に努める、としている。
オンライン事業
新作ゲームアプリ『千銃士:Rhodoknight』は今期中のサービス開始に向けて開発を進めている。
既存のタイトルについては、4月に『剣と魔法のログレス いにしえの女神』、『シノビマスター 閃乱カグラ NEW LINK』、『一騎当千エクストラバースト』で他社の人気IPや自社タイトル間でのコラボ施策を行っている。
とりわけ主力タイトル『剣と魔法のログレス いにしえの女神』では、「転生したらスライムだった件」とのコラボを実施したところ、セールスランキングでトップ10入りするなど好調だった、としている。
音楽映像事業
TVアニメ「プリキュア」の新シリーズ『トロピカル~ジュ!プリキュア』を2月28日より、TV アニメ『ミュークルドリーミー みっくす!』を4月11日より放送開始した。また、プリキュアの劇場版最新作が3月20日に公開となった。
ステージ部門では、昨年春から延期となっていた「ミュージカル『薄桜鬼 真改』相馬主計篇」を4月2日から11日まで公演を行った。
また、4月より公演を開始した『あんさんぶるスターズ!オン・ステージ』および「舞台『刀剣乱舞』」については、一部公演中止があったものの、各種要請に従いながら公演実施を予定している。
今後も、ミュージカル『テニスの王子様』」の4th シーズンや「『家庭教師ヒットマン REBORN!』the STAGE」、「ミュージカル『憂国のモリアーティ』」等、人気シリーズの新作公演を予定している。
また、新規タイトルとしては、人気漫画原作の『ワールドトリガー the Stage』の公演を11月から予定している。
会社情報
- 会社名
- 株式会社マーベラス
- 設立
- 1997年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 執行役員 兼 デジタルコンテンツ事業本部長 佐藤 澄宣
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高294億9300万円、営業利益24億1500万円、経常利益30億200万円、最終損益5億1700万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 7844