【決算レポート】エイチーム、ライフサポートとEC伸び第3四半期の売上高は「久々の昨対比プラス」(林社長) 『FFVII FS』開発費や広宣費増加で営業減益
エイチーム<3662>は、6月11日、2021年7月期の第3四半期累計(20年8月~21年4月)の決算発表を行うとともに、決算説明会を開催した。第3四半期(21年2月~4月)に絞って連結決算をみていくと、売上高86億3700万円(前年同期比で3.0%増)、営業利益3億5900万円(同49.3%減)、経常利益3億7000万円(同45.7%減)、最終利益2億3900万円(前年同期は5億1100万円の損失計上)となった。
・売上高:86億3700万円(同3.0%増)
・営業利益:3億5900万円(同49.3%減)
・経常利益:3億7000万円(同45.7%減)
・最終利益:2億3900万円(同5億1100万円の損失計上)
ライフサポートとECが伸び、「久々の昨対比プラスになった」(林 高生社長)。ただ、主力のゲーム事業で新作開発費が発生したことに加えて、ライフサポートでの繁忙期に伴う広告宣伝費の増加や新規サービスへの投資が影響し、営業利益はマイナスとなった。
なお、最終利益が黒字転換したが、これは前年同期に計上した減損損失12億5500万円を計上したが、今期は計上しなかったため。前年同期の減損損失は、子会社Incrementsに係るのれんと商標権に関わるものだった。
■ライフサポート事業
売上高が57億5200万円(同5.2%増)、営業利益が5億0200万円(同39.5%減)だった。昨年は4月の1ヶ月のみが新型コロナの影響を受けたが、今年については3ヶ月全てが影響を受けたが、そのなかでも増収を達成した。ブライダル関連を中心にマイナスの影響が出ているという。
例年繁忙期になる四半期だが、引っ越し関連サービスが伸びたことに加えて、投資してきた「Qiita」など新規サービスの売上が伸びたことで増収を達成した。ただ、広告宣伝費の投下を増やしたこともあり、セグメント利益は前年同期比でマイナスとなったとのこと。
■エンターテインメント事業
売上高が17億8700万円(同8.0%減)、営業利益が1億0800万円(同36.1%減)と減収減益だった。既存タイトル中心となったため、減収となった一方で、営業利益については、『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー(FFVII FS)』など新規タイトルの開発など先行費用を計上したことが響いた。
▲『ユニゾンリーグ』と『ヴァルキリーコネクト』が海外で堅調だったこともあり、海外比率は前年同期の31%から41%に上昇した。
注目が集まったのは、『ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー』のクローズドβテストの状況だ。6月1日から8日まで実施したが、取締役の中内 之公氏は、非常に好評で手応えを感じていると述べた。『ファイナルファンタジーVII』の世界観から来る遊びの幅や戦略性がユーザーに好評だったという。
クローズドβテストの実施前は、『ファイナルファンタジーVII』でイメージするゲーム性ではないという意見や、「バトロワ」に『ファイナルファンタジーVII』のモチーフを乗せただけといったネガティブな意見が散見されたが、蓋を開けてみると非常にポジティブな意見が多かったという。
■EC事業
売上高が10億9700万円(同12.4%増)、営業利益が5200万円(同変わらず)だった。売上高は初めて10億円を突破した。自転車販売が繁忙期を迎えたが、オペレーションの効率化もあり、受注の増加をこなすことができたという。マスプロモーションを実施したため、営業利益については横ばいだった。
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662