【決算レポート】グリー、第4四半期は賞与引当金の増加で営業減益 第1四半期はメタバースへの投資や新作開発で数億円の営業赤字の可能性も

 

グリー<3632>の2021年6月期の第4四半期(2021年4月~6月)の連結決算は、売上高139億4600万円(前四半期比[QonQ]0.2%増)、営業利益14億9800万円(同13.1%減)、経常利益19億3800万円(同53.8%減)、最終利益42億0700万円(同17.2%減)と微増収・減益となった。

・売上高:139億4600万円(同0.2%増)
・営業利益:14億9800万円(同13.1%減)
・経常利益:19億3800万円(同53.8%減)
・最終利益:42億0700万円(同17.2%減)

 

 

売上については、『アナザーエデン』を中心に周年タイトルが貢献した一方、『アサルトリリィ Last Bullet』の運営が一服したことに伴い、トータルとしては前四半期比で微増にとどまった。

 

費用面では、周年タイトルを盛り上げるための広告宣伝費を増やしたものの、自社IPタイトルの売上比率が上がったことに伴い、ロイヤリティの支払いが減少。その結果として、変動費は差し引きで5000万円の増加となった。

また、固定費については、期末ということで賞与の引当金繰入が増えたことに伴い、人件費が2億5000万円増えたとのこと。これが営業利益の主な減益要因となった。

 

なお、経常利益と最終利益は、営業利益よりも大きいが、投資先の株式上場による有価証券売却益を計上したことに加えて、繰延税金資産の回収可能性の改善などで追加計上したことによる。

同社では、2021年6月期は営業増益を達成し、業績面で底打ちと考えているという。2022年6月期においては既存タイトルの安定運用とともに、複数本の新作タイトルリリースを軸にして増収増益を目指していく方針だ。

 

ただ、第1四半期(7~9月)から増収増益を想定しているわけではないようだ。この四半期は、新作の開発費がリリースに向けて増えるだけでなく、メタバース「REALITY」の先行投資を行うため、数億円規模の営業赤字となる可能性があるとした。

 

2022年6月期以降のリリース予定のタイトルは以下のとおり。これ以外にも複数のタイトルを企画・開発しているそうだ。

・『シドニアの騎士 掌位ノ絆』(リリース済み)
・『Heaven Burns Red』
・『聖剣伝説 ECHOES of MANA』
・『転生したらスライムだった件 魔王と竜の建国譚』

グリー株式会社
http://www.gree.co.jp/

会社情報

会社名
グリー株式会社
設立
2004年12月
代表者
代表取締役会長兼社長 田中 良和
決算期
6月
直近業績
売上高613億900万円、営業利益59億8100万円、経常利益71億2300万円、最終利益46億3000万円(2024年6月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3632
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