ワンダープラネット、21年8月通期の業績予想を下方修正 gumiと同じくIPOからわずか77日で 「ジャンプチ日本版」と「このファン繁体字版」想定下回る

ワンダープラネット<4199>は、8月26日、2021年8月通期の業績予想の下方修正を行い、売上高35億7800万円(前回予想38億4200万円)、営業利益2億6500万円(同4億9200万円の利益)、経常利益2億6500万円(同4億8400万円の利益)、最終利益7億8400万円(同10億0300万円の利益)とし、売上高と各利益項目の予想をそれぞれ引き下げた。

 

・売上高:35億7800万円(前回予想38億4200万円)
・営業利益:2億6500万円(同4億9200万円の利益)
・経常利益:2億6500万円(同4億8400万円の利益)
・最終利益:7億8400万円(同10億0300万円の利益)

 

従来予想からの修正率は、売上高6.8%減、営業利益46.1%減、経常利益45.2%減、最終利益21.8%減となっている。

 

・売上高:6.8%減
・営業利益:46.1%減
・経常利益:45.2%減
・最終利益:21.8%減

 

同社では、第4四半期に複数タイトルの周年や大型イベントの効果を見込み、想定を下回っていた第3四半期の需要の回復を試みていたが、「ジャンプチ ヒーローズ日本版(ジャンプチ日本版)」は想定を下回るユーザー数の推移が続いたことに加えて、「この素晴らしい世界に祝福を!ファンタスティックデイズ 繁体字版(このファン繁体字版)」は想定以上の減衰進行を止めるに至らず、売上高は通期で想定を下回る見込みになった、としている。

売上高と費用見通しの詳細は以下の通り。

 

(売上高)
・「ジャンプチ日本版」は、2021年4月の周年イベント以降に実施した大型プロモーションによるユーザー獲得が過去実績値との比較で想定通りの効果を得ることが出来ず、第4四半期においてユーザー数が想定を下回る推移が続いていることを主因に、通期で想定を下回る見込み。
・「このファン繁体字版」は、2021年9月のリリース以降、ユーザー数の減少が続いており、第4四半期においてゲームプレイ環境改善やマネタイズコンテンツ追加を試みるも十分な効果は得られず、通期で想定を15%程度下回る見込み。
・「クラッシュフィーバー日本版」は、2021年6-7月の6周年イベントにおいて概ね想定通りとなり回復傾向が見られたものの、以降の反動減が見られ、通期で想定を下回る見込み。
・これら3タイトルによる売上高の合計額は、前回予想比で2億1000万円減少する見込み。

 

(費用)
・上記の売上高の減少に伴い、プラットフォーム手数料が想定を下回り、また広告宣伝費は売上推移やプロモーション効果を見極め一部未消化としたことから、想定を下回る見込み。
・準備中タイトルのうち、「名古屋スタジオとグローバルスタジオ共同で進行している新規開発中のタイトル」の人件費は想定を15%程度上回る見込みであり、これを主な要因として、2021年8月期に想定していた新規開発費用は3億3200万円から3億5300万円に増加する見込み。

 

(その他)
・前回発表予想において、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討を行った結果、2021年8月期において企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」における会社分類の変更を行い、将来の合理的な見積可能期間内の課税所得見込み額に基づいて、当該見積可能期間の繰延税金資産は回収可能性があるものと判断し、法人税等調整額(△は利益)△6億1400万円を計上する見込みとしていたが、当該金額については現時点では変更していない。今後変更が生じた際は公表する。

同社の売上高と経常利益、最終利益の推移は以下の通り。

 

 

同社は、今年6月10日に東証マザーズに新規上場したばかりだったが、それからわずか77日後に下方修正することになった。過去にgumi<3903>も2014年12月18日に新規上場を果たし、翌年3月5日に下方(赤字)修正を行った。こちらも上場から77日後の下方修正だったが、これはさすがに偶然だろう。

スマホゲーム企業の多くが業績予想については非開示やレンジ予想、次の四半期に限定の対応をとっているのは、業界環境の変化が激しく合理的な見通しを立てづらいためだ。今回の下方修正もその意味で致し方ない部分もあるが、さすがに上場直後で下振れしてしまうのは投資家をはじめとする資本市場関係者に良くない印象を与える。準備中の新作をヒットさせ、来期の挽回に期待したい。資本市場での信頼は結果でしか取り戻せない。

ワンダープラネット株式会社
http://wonderpla.net/

会社情報

会社名
ワンダープラネット株式会社
設立
2012年9月
代表者
代表取締役社長CEO 常川 友樹
決算期
8月
直近業績
売上高34億6400万円、営業利益4900万円、経常利益2800万円、最終損益2億3600万円の赤字(2023年8月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4199
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