エイチーム、21年7月期は営業益44.9%減に…『FFVII ザ ファーストソルジャー』の開発費が先行 EC事業は初の黒字化を達成 今期予想は非開示に
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エイチーム<3662>は、9月10日、2021年7月期の連結決算を発表、オペレーション効率の改善でEC事業は前期比で増収となったが、エンターテインメント事業で既存タイトルが引き続き減収となったほか、新規ゲームの開発費を先行して計上したことで、減収減益となった。
なお、前回予想との比較では売上高は若干下回ったものの、経費の抑制や投資事業組合運用益の計上などで各利益項目は予想を上回る着地となった。
最終利益は、Incrementsに係るのれん及び商標権の減損損失を計上した一方で、投資有価証券の売却益を計上したこともあり、大幅な黒字転換となっている。
売上高312億5200万円(前々期比1.5%減)
営業利益7億100万円(同44.9%減)
経常利益8億9500万円(同28.3%減)
最終利益8億7700万円(前々期5億1900万円の赤字)各セグメント別の状況は以下のとおり。
①エンターテインメント事業…売上高72億7200万円(前々期比13.9%減)、セグメント利益3億6900万円(同52.4%減)
売上高は引き続き既存ゲームが減少傾向にあり、前々期比で減少した。セグメント利益は、既存ゲームアプリの効率的な運用をしつつも、スクウェア・エニックスとの共同開発による、グローバル市場を対象としたスマートデバイス向けアプリ『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー)』の開発費を計上しているため、前々期比では減少した。②ライフスタイルサポート事業…売上高203億8400万円(同1.5%増)、セグメント利益14億5000万円(同23.5%減)
売上高は、主に結婚式情報サイト「ハナユメ」が引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により前期比で減少したものの、引越し比較サイト「引越し侍」の繁忙期が堅調に推移したことにより、ライフスタイルサポート事業全体において前期比で微増となった。セグメント利益は、「ハナユメ」の売上減少に伴う利益の減少に加え、2020年12月に行われたGoogleアルゴリズムアップデートによるキャッシング・カードローン総合検索サイト「ナビナビキャッシング」やクレジットカード総合検索サイト「ナビナビクレジットカード」のSEO(検索エンジン最適化)への影響が続き、リスティング広告への投資が増加したため、全体として前期比で減少した。③EC事業…売上高35億9500万円(同12.5%増)、セグメント利益8400万円(前々期4300万円の赤字)
引き続きオペレーション効率の改善および在庫管理の徹底、品揃えの見直しなどが功を奏したことに加え、コロナ影響における「三密」を避ける外出手段として高い自転車需要が追い風になるとともに、2021年7月期下半期より、タレントを起用したマスプロモーションを実施し、前期比で売上増収、セグメント利益も大幅に改善し、はじめての通期黒字化を達成した。引き続き「cyma-サイマ-」の安定的な事業成長を実現するとともに、8月30日より新たに国内素材調達・国内生産、合成添加物を使わないことにこだわったヒューマングレードドッグフード「Obremo(オブレモ)」をリリースし、今後は複数商材での成長を目指していく。■2022年7月期予想は非開示
なお、2022年7月期の連結業績予想は非開示。2022年7月期は新規協業IPゲーム『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー)』の影響が非常に大きくなると想定されるが、そのリリースのタイミングや立ち上がりの状況による業績への影響が不確定なことから、適切かつ合理的な数値の算出が非常に困難なため、としている。
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662