【決算レポート】gumi、第2四半期は大幅増収も自社タイトルの比率上昇や新作関連の費用で営業損失が拡大 BLCゲームやメタバースにも注力

木村英彦 編集長
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gumi<3903>の第2四半期(2021年8月~10月)の連結決算は、売上高49億2800万円(前四半期比35.0%増)、営業損失9億7600万円(前四半期は5億9600万円)、経常損失10億5200万円(同18億0800万円)、最終損失27億6500万円(同15億9300万円)と大幅増収・赤字幅拡大となった。新作リリースで売上が伸びたものの、自社タイトルの比重増加に伴う利益率低下、新作開発に伴う外注費の増加、大規模プロモーションに伴う広告宣伝費の増加が負担となった。

・売上高:49億2800万円(同35.0%増)
・営業損失:9億7600万円(同5億9600万円)
・経常損失:10億5200万円(同18億0800万円)
・最終損失:27億6500万円(同15億9300万円)

 

この四半期では、gumi本体より『乃木坂的フラクタル』と、子会社のエイリムより『ブレイブ フロンティア レゾナ』、そして、同じく子会社のグラムスより『ラグナドール』の合計3タイトルの新作をリリースした。『乃木坂的フラクタル』と『ラグナドール』が好調で、売上は大きく伸びた。『ブレイブ フロンティア レゾナ』については苦戦したという。

 

同時に費用も大きく増えた。支払手数料が同145.3%増の15億7000万円と植えたほか、新規タイトルの開発に伴い外注費が同5.1%増の14億1900万円となった。これに伴い、売上総利益が同10.7%減の1億5900万円と大きく減った。

支払手数料の増加は、いわゆるプロダクトミックスの変化による。例えば、『WAR OF THE VISIONSファイナルファンタジーブレイブエクスヴィアス幻影戦争』のように協業相手のパブリッシャーの場合、スクウェア・エニックスが支払手数料を支払っているが、新作はいずれも自社配信だ。このため、売上は大きくなるものの、決定手数料を負担するため、利益率が落ちる傾向にある。

さらに大型プロモーションを実施したことに伴い、広告宣伝費が同179.7%増の6億2700万円と大きく伸びた。販売管理費が同46.6%増の11億3600万円となり、営業損失が拡大することになった。

 

なお、最終損失については大きく膨らんだ。法人税等調整額(益)として5億5500万円を計上したものの、運用中の一部タイトルに関して減損処理を行ったため。減損損失として連結、個別でそれぞれ19億0600万円の特別損失を計上したという。このほか、遊休資産(建物)についても4100万円の減損損失を行ったそうだ。

■新作タイトルについて
2022年4月期中に予定していたタイトルはすべてリリースが完了した。すでに触れたように、『乃木坂的フラクタル』と『ラグナドール』、『ブレイブ フロンティア レゾナ』をリリースしたほか、受託でスクウェア・エニックスより『Voice of Cards ドラゴンの島』(10月28日発売)の開発を担当した。

現在のパイプラインは合計5本となる。オリジナルIPについては『ラグナドール』海外言語版、大手パブリッシャーと協業案件、その他1本、他社IPについては大型IPを活用したタイトルを開発しているそうだ。これ以外にも1本の受託開発を行っているという。今後は、年間1~2本ペースで配信していくという。

 

■メタバース領域に注力
メタバース領域に注力する方針も明らかにした。他社に先駆けて参入して構築したブロックチェーンゲームとXR(VR・AR)コンテンツの事業基盤に加えて、有力IPを活用したモバイルオンラインゲームの開発ノウハウを活用し、新たな体験ができるゲームコンテンツの開発を目指す、としている。

 

Play-to-Earn型のゲームなど新たなマネタイズを取り入れたゲーム開発や、他社有力IPを活用したコンテンツの早期投入を目指していく。他社IPを活用したNFT販売についても推進していく考えだ。

 

このほか、新たに約100億円規模のgCC2号ファンドも組成し、数億円規模の収益を実現したノード事業の拡大を図っていくほか、XR事業で親和性の高い投資先との協業などでコンテンツ開発も検討していくという。

 

株式会社gumi
http://gu3.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社gumi
設立
2007年6月
代表者
川本 寛之
決算期
4月
直近業績
売上高120億6600万、営業損益50億4000万円の赤字、経常損益45億1400万円の赤字、最終損益59億3400万円の赤字(2024年4月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3903
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