【決算レポート】コロプラ、『黒猫のウィズ』のストーリー完結でFY13ものの売上が大幅減 宮本社長「今後もXR/メタバース領域での取り組みを加速」

コロプラ<3668>の2022年9月期の第1四半期(10~12月)の連結決算は、『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』(以下『黒猫のウィズ』)のストーリーが完結し、運営的な節目を迎えたことで前年同期比で売上が大きく減少したこともあり、2ケタ超の減収減益となった。

売上高74億600万円(前年同期比14.1%減)
営業利益7億5800万円(同44.8%減)
経常利益10億9100万円(同37.3%減)
最終利益6億7700万円(同45.8%減)

エンタメ事業は、『ディズニー ツムツムランド』と『アリス・ギア・アイギス』(以下『アリスギア』)を含むFY18ものと、FY19ものの『ドラゴンクエストウォーク』が堅調に推移した。

一方で、前述の『黒猫のウィズ』を含むFY13ものの売上が大きく落ち込んだ。さらにバンダイナムコエンターテインメントと共同開発した新作『テイルズ オブ ルミナリア』が対象となるFY22ものもネット計上(レベニューシェア分)での売上高ではあるものの、10~12月期は3700万円にとどまっている。有力IPタイトルとしては、かなり弱めの初動になっていると言えそうだ。

投資育成事業は、営業投資有価証券残高が第1四半期末時点で75億円となり、EXIT期に差し掛かっている。なお、この第1四半期は、6社に新規、追加投資を実施した。

エンタメ事業の新作パイプラインは、スマートフォン向けが7本(自社IP5本・他社IP2本)、コンシューマ向けが8本(自社IP3本・他社IP5本)となっている。スマホ向けタイトルでは、『白猫GOLF』の事前登録が2022年1月20日より開始となっており、リリースの時期が迫っているようだ。

一方、コンシューマ向けタイトルは、『アリスギア』では初となるコンシューマータイトルを2022年に発売する予定であることを発表した。『アリスギア』は、TVアニメ化の発表も行っており、ゲーム内外でIP力を高める施策を続々と展開していくとしている。

注目される取り組みは、メタバース関連だろう。同社はXR/メタバースへの取り組みについて、子会社の360Channelが先日発表した「Webメタバースシステム」を軸に展開していくようだ。

「Webメタバースシステム」は、高品質な3D空間で高い操作性を有する独自のWebサービスで、登録やログイン、アプリインストール不要で誰もが視聴することが可能になっている。また、これまで同社グループが積み上げてきたノウハウを活用することで、いわゆる“VR酔い”への対策なども取り込んでいるという。

新社長に就任後、初の決算説明会を迎えた宮本貴志社長は「今後もXR/メタバース領域での取り組みを加速していく」としていた。

なお、2022年9月期の業績予想については、グループを取り巻く事業環境は短期的な変化が激しいことから、適正かつ合理的な数値の算出が困難であるとして非開示としている。

第2四半期の広告宣伝費は約4億円(第1四半期は約2億8000万円)を予定しており、外注費は新作リリースが近づくにつれて増加する見込みだという。

株式会社コロプラ
https://colopl.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社コロプラ
設立
2008年10月
代表者
代表取締役会長 チーフクリエイター 馬場 功淳/代表取締役社長 宮本 貴志
決算期
9月
直近業績
売上高309億2600万円、営業利益28億5800万円、経常利益32億7600万円、最終利益18億9300万円(2023年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3668
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