【決算レポート】東映アニメ、第3四半期は過去最高の売上・利益を達成 国内で映像配信権販売が大きく伸長 高採算の海外ゲーム化権・商品化権販売も好調

木村英彦 編集長
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東映アニメーション<4816>の第3四半期累計(2021年4~12月)の連結決算は、売上高425億2200万円(前四半期比13.0%増)、営業利益143億3100万円(同20.4%増)、経常利益144億7800万円(同19.0%増)、最終利益100億5000万円(同16.5%増)と売上・利益とも第3四半期としては過去最高水準を達成した。

・売上高:425億2200万円(同13.0%増)
・営業利益:143億3100万円(同20.4%増)
・経常利益:144億7800万円(同19.0%増)
・最終利益:100億5000万円(同16.5%増)

 

同社では、国内で映像配信権の販売が大きく伸びたことに加えて、収益性の高い海外のゲーム化権・商品化権販売も好調に稼働したことが増収増益の主な要因としている。

 
■版権事業
版権事業の業績は、売上高242億1100万円(同14.2%増)、セグメント利益121億2300万円(同16.7%増)となり、全体の売上・利益の伸びをけん引した。もちろん、アニメーション製作があってこその版権収益といえる。

版権事業で伸びたのは主に海外版権で、その売上はどう33.8%増の154億4100万円だった。「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」のゲーム化権販売に加え、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権販売が好調に稼働した。

その一方、国内版権は、同9.1%減の87億6900万円と減収になった。「ワンピース」などの商品化権販売が好調に稼働したものの、「ドラゴンボール」シリーズのゲーム化権販売が前年同期の勢いには至らなかったという。

 
■映像製作・販売事業
映像製作・販売事業の業績は、売上高162億6900万円(同11.4%増)、セグメント利益49億4300万円(同18.3%増)と2ケタの増収増益となった。

大きく伸びたのは、「その他」に属する国内の映像配信権販売で、売上高は同55.2%増の30億0500万円だった。

TVアニメも同53.3%増の25億5000万円と大きく伸びた。「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」「ワンピース」「トロピカル~ジュ!プリキュア」「ワールドトリガー」「デジモンゴーストゲーム」「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」「おしりたんてい」など販売本数が増えた。

このほか、「劇場アニメ」や「コンテンツ」「海外映像」については同0.6%増の100億8700万円とほぼ横ばいだった。「海外映像」はアジア向けの販売が伸びたものの、サウジアラビア向け劇場作品を納品した前年同期からの反動減でその増加を相殺する格好となった。

 
■2022年3月通期の見通し
続く2022年3月通期の業績については、売上高551億円(前期比6.8%増)、営業利益168億円(同8.4%増)、経常利益173億円(同7.9%増)、最終利益122億円(同10.2%増)、EPS298.30円を見込む。

・売上高:551億円(同6.8%増)
・営業利益:168億円(同8.4%増)
・経常利益:173億円(同7.9%増)
・最終利益:122億円(同10.2%増)
・EPS:298.30円


計画に対する進捗率は、売上高77.2%、営業利益85.3%、経常利益83.7%、最終利益82.4%となっている。上方修正を行ったが、まだ保守的という印象を受ける。

・売上高:77.2%
・営業利益:85.3%
・経常利益:83.7%
・最終利益:82.4%

東映アニメーション株式会社
http://corp.toei-anim.co.jp/

会社情報

会社名
東映アニメーション株式会社
設立
1948年1月
代表者
代表取締役会長 森下 孝三/代表取締役社長 高木 勝裕
決算期
3月
直近業績
売上高874億5700万円、営業利益286億6900万円、経常利益297億9100万円、最終利益209億円(2023年3月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4816
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