【インタビュー】リリースから約1ヵ月半が経過した『新日本プロレスSTRONG SPIRITS』…開発スタッフに訊いた究極のプロレスラー育成ゲームの今後の展望
ブシロード<7803>とドリコム<3793>が共同開発しているスマートフォンゲームアプリ『新日本プロレスSTRONG SPIRITS』(新日SS)。
2月28日に世界同時リリースされた本作は、今年旗揚げ50周年を迎え数多の歴史と様々な熱狂的ファンの支持を得る「新日本プロレス」のファンに向けて作られた、究極のプロレスラー育成ゲームである。
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リリースから1ヶ月半が経過した今回、本作プロデューサー及びディレクターへのインタビューを実施。さらなる進化を目指す『新日SS』の今後のアップデート構想など、ユーザーが気になる話を聞いた。
新日本プロレスファンに捧げる新たなプロレスゲームの形
――:このインタビューを読んで『新日SS』に興味を持つ方もいるかと思います。改めて本作で注力された部分やセールスポイントを教えてください。
スタッフA(以下、A)『新日SS』は「新日本プロレスファンに贈る」というコンセプトのもと、とにかくファンが満足するものを出そうと開発当初から言い続けてきました。
いかにファンを満足させるか? その為にはどうすればいいか? という所を繰り返し検討して落とし込んだものが、現状のプロレスラー育成ゲームという形になっています。
開発陣もコアなプロレスファンがほとんどなので、「何がプロレスファンに一番好まれるか?」というものをチームで検証していく中で、実写表現という今までのプロレスゲームにはなかった特長的な要素を入れようと考えました。
開発期間は手応えを感じつつも中々上手くいかない時期もありましたが、リリースのタイミングではチーム全員が納得できるようなゲームには仕上がっていました。
スタッフB(以下、B)「ここはこうしたほうがいい!」「プロレスファンの楽しみ方ってこうじゃない?」という話し合いがチーム内で活発でしたね。
あと、ゲームとして面白くするというものとは別に、「この表現、ゲームとしてはいいけどプロレス的にはおかしくない?」など"新日本プロレスファンとしてありかなしか"という取捨選択が多かったです。
でもそれだけ、我々は新日本プロレスという題材を大切に扱って作りました。
▲熱心に身振り手振り今後の展望について語ってくれた2名
――:実際に『新日SS』をリリースできた時の率直な気持ちは?
A 正直、リリースするまではユーザーからどのようなリアクションがあるか結構不安でした。
というのも、他のプロレスゲームってバトルをメインにしたものがほとんどで、『新日SS』のようにバトル以外をメインにしたプロレスゲームは無かったと思うんです。
B そうですね。プロレスゲームというと、やはりエディットでオリジナル選手を作る、という所に視点を当てた作品が多い。
その中で『新日SS』は自分の好きな選手を好きなように育てられるという所に、プロレスファンとしての別の楽しみを表現できたかなと思っています。
――:本当に企画の段階から新日本プロレスファンの事を考えて作られた本作ですが、現時点での手応えをどのように感じていますか?
B 思っていたより色々な楽しみ方をしていただいているようです。
自分の好きな選手を育てる遊び方はもちろんですが、トレーニングシーンの実写撮り下ろしや実際のエピソードをベースにしたシナリオなど、我々がこだわった部分もしっかり見てもらえています。
A このプロジェクトはプロレスに詳しい僕を基準にして「ファンならこう思う」「ゲームとしては気になるけどプロレスとしてはどうなのか」というものも自分を貫いて進めていきました。
それでファンから違う意見が来たらどうしようと思ってリリース前後は不安でした。ただ、そうした中でもしっかりと確信してこだわったものを出してみて、それがしっかりユーザーに届いて安心したし、うれしかったです。
――:その他にSNS等を見て印象深いユーザーの反応などはありましたか?
A 田口隆祐選手を30人くらい育成して揃えているユーザーさんがいて、選手固有の愛を示すという楽しみ方もあるのかと思いました(笑)
ゲームとして強さを極めたい方もいれば、自分のこだわりを貫きたい方や、あのユニットの5選手を揃えたいという方など、楽しみ方は人それぞれですね。
――:逆にリリースしてみて感じた改善点などはありますか?
A 改善点は諸々ありますが、僕が想定していたよりもユーザーの皆さんのプレイ進捗が早かったので、そういう意味では今後の為にある程度コンテンツを追加していく必要があると思っています。
もちろん動いている施策もありますが、そこの優先順位を変えつつ、ユーザーにより新しい遊びを届けるためのスピード感を上げていかないといけないと感じています。
あと細かい所ですが、育てた選手たちを使って色々な形で遊べるようなコンテンツを追加していくと、よりユーザーの皆さんが色々な育成結果を目指してプレイできると思っているので、そういった部分も対策を立てながら進めています。
B ゲーム的な改善はもちろんですが、撮り下ろしの要素もすごく楽しんでもらっているので、トレーニング映像やシナリオの写真も新しいものや専用のものを撮影できるとおもしろいと思っています。
まだ実現できるかわかりませんが、ゲーム性と合わせてコンテンツとしての楽しみ方みたいなものをより出していければなと考えています。
――:『新日SS』は普段ゲームで遊ばない層も、新日本プロレスが題材だからと遊んでいる人も多いと思います。
B そうですね。メインはゲーム好きなユーザーというよりも、新日本プロレスファンが新日本プロレスのファンアプリに近い感覚で楽しんでいるというイメージです。
――:そういう意味ではプロモーションは普通のゲームとは違う難しさがあるのでは?
B 最初は新日本プロレス関係の番組にCMを入れたり、興行で協賛したりと、新日本プロレスに寄り添ったプロモーションが大事でした。
それから、リリース時に出して良かったと思ったのが交通広告でした。選手中心のビジュアルなので、広告を見つけたファンが選手にリプを送ったりというコミュニケーションの手段としても展開できたのかなと思います。
新日本プロレス自体のPRにもなるので、そこも含めて色々と露出できたことは良かったです。今後はビッグマッチなど、新日本プロレスの年間スケジュールに合わせてゲーム内でも色々な盛り上がりを作っていければと考えています。
▲新日本プロレスの大会に合わせた施策も『新日SS』ならではと言える。
――:『新日SS』はファンだけではなくレスラーの皆さんもプレイしている様子をSNSや動画で目にします。お二人にレスラーから何か反応はありましたか?
B タイチ選手からは事あるごとに「こうしたほうがいい!」「これはどうなの?」と『新日SS』に対するご意見を頂戴しています。
A ゲーム好きということで、ご意見も開発者目線なんです(笑) 実際リリース前にいただいた意見を元に修正した箇所もあります。
B あとは矢野通選手を始め、多くのレスラーの皆さんが『新日SS』を遊んでいただけているようでうれしいですね。
更なる進化を目指す『新日SS』の今後の展望に迫る
――:お話できる範囲で、今後のイベントやアップデート予定を教えてください。
A いくつか大きいものがあります。
1つ目は、GWごろにようやく「選手」の獲得イベントを実施できる予定です。またこの獲得イベントに連動して、特定の選手の総合力をランキングで競うイベントを実施予定です。こちらの報酬には、新日ファン必見のここでしかもらえない特別な報酬を準備中です。
まだ準備の走り出しの段階のため、お話している内容が概要ベースになりますが、G Wまでにしっかりとアナウンスできるよう準備しておりますので、今しばらくお待ちください。
2つ目は機能面になりますが、コレクションの部分を大幅に強化したいと考えています。『新日SS』はパートナーカードやスナップショット等、コレクション要素がたくさんあるので、それらを収集する意味を強めていきたい。
具体的にはコレクションランクのようなものを加えたり、自分のコレクションルームがより豪華になるような、1人でも楽しめるコレクティブな部分も伸ばしていきたいですね。
――:その他、具体的な予定ではなくとも将来的に実現させたいというものは?
B 試合中の動画などは、ぜひ選手自身に選んでもらいたいですね。それとシナリオに関しても、選手自ら書いて頂いたシナリオにも挑んでみたいです。
ありがたいことに、選手たちも『新日SS』を自分たちのゲームとしてすごく盛り上げてくれているので、我々も選手の皆さんと一緒に面白がりながら作っていければと思います。
A 実際の選手とゲームがクロスできるといいなと思っています。例えばゲーム内の成績によって実際に選手とコミュニケーションがとれたり、自分が投票した何かが選手自身のメリットになったり。
ゲームを頑張った結果として実際に選手と繋がれるような事ができるとゲームとしても新日本プロレスファンは楽しめる状況になるし、実際の試合ともクロスできればゲームも団体も、より盛り上がると思います。
――:ちなみに他団体とコラボする可能性は?
B 『キングオブプロレスリング』というカードゲームでは、新日本プロレスのリングに上がった事がある選手は登場していたので、レジェンドも含めてそういった選手であれば登場する可能性はゼロではないと思います。
A 個人的は●●選手を出ていただきたいですね。昔、G1などにも参戦していたので機会があれば出したいと思っています。
――:それでは最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
B 新日本プロレスファンの皆さんと同じように、我々も新日本プロレスが好きで『新日SS』を作っているので、実際のプロレスと一緒にゲームも楽しんでいただけたらうれしいです。
A これからも実際の試合を見て一喜一憂しつつ、「ここはゲームに使えるなと」いう部分はゲームに反映させていきます。『新日SS』に触れていただいて、単純にプロレスを楽しみながらプロレスゲームも遊ぶ、というサイクルを生み出していきたいと思います。
■関連サイト
(C)New Japan Pro-Wrestling Co.,Ltd. (C)bushiroad All Rights Reserved. (C)Drecom Co., Ltd.
会社情報
- 会社名
- 株式会社ドリコム
- 設立
- 2001年11月
- 代表者
- 代表取締役社長 内藤 裕紀
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高97億7900万円、営業利益9億300万円、経常利益7億9300万円、最終利益1億400万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 3793
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803