【決算レポート】トーセ、2月中間は営業益1億4400万円と黒字転換 家庭用ゲームの案件が複数進行し大幅増収 市場環境は家庭用は伸長、モバイルは足踏み

木村英彦 編集長
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ゲームソフトの受託開発大手トーセ<4728>の2022年8月期の第2四半期累計(21年9月~22年2月)の連結決算は、売上高26億3800万円(前年同期比43.6%増)、営業利益1億4400万円(前年同期は8500万円の損失)、経常利益1億3200万円(同8300万円の損失)、最終利益6600万円(同1億0300万円の損失)だった。

・売上高:26億3800万円(同43.6%増)
・営業利益:1億4400万円(同8500万円の損失)
・経常利益:1億3200万円(同8300万円の損失)
・最終利益:6600万円(同1億0300万円の損失)

大幅増収・黒字転換に成功したが、同社では、家庭用ゲームソフトの大型案件が複数進行したことで売上が大きく伸びたため、としている。また、取引価格の改善や原価抑制、新型コロナ関連費用の一巡など、売上原価や販売管理費の抑制も収益を押し上げた。

なお、公表した業績予想を下回った要因についても説明した。売上については、主にアニメ題材のスマホゲームの開発が顧客都合で中止になったため。前期より開発を始めていたが、開発中止までの成果物に対する対価は受け取っているため、損失は発生しなかったとのこと。

利益が下回った要因は、前期でコスト釣果の発生していたスマホゲームの開発案件だ。今季に関しても想定以上に改修作業が発生したことで9000万円のコスト増につながったそうだ。組織変更も行い、12月に納品は完了したという。

 

■マーケット状況についてもコメント
ゲーム業界としては、コロナ禍による巣ごもり消費が急増した前年同期と比較すると反動減も見受けられるが、引き続き市場は堅調な状況にあると見ているという。スマホゲームは足踏み状態が続いているが、家庭用ゲームソフトの需要は高まっているという状況にある。

昨年有機ELモデルが発売された「Nintendo Switch」は、引き続きハード・ソフトともに好調に販売が続いている。一方「プレイステーション5」と「Xbox Series X/S」のゲーム機については、需要は継続して高いものの、半導体不足解消の兆しが見えず、未だ供給量が追い付かない状況だが、普及は進んでおり、同機種に対応したソフトの販売も徐々に伸びている。


■受託開発におけるジャンル別の売上状況
家庭用ゲームは開発需要が旺盛で、多数の引き合いがある状況だった。「プレイステーション5」や「Xbox Series X/S」を含む、複数の大型開発案件が進行中。また、工事完成基準を適用していた案件が多かった中、検収完了をする案件が少なかったため、開発売上が僅少だったことも、大きく増収した要因のひとつだった。その結果、ゲームソフト関連の売上高は、同261.9%増の14億9900万円となった。

モバイルコンテンツ関連は、スマートフォンゲームのタイトル間の競争が激しく、新規コンテンツの投入が難しい状況が継続していることから、ユーザーからの開発の依頼は減少しており、開発途中で中止となった案件もある。また、運営が終了となったゲーム案件もあることから、同16.1%減の9億4100万円となった。パチンコ・パチスロ関連は、以前から需要の高いゲームソフト関連やモバイルコンテンツ関連に開発人員をシフトしているため減収となった。

 

■2022年8月通機の見通しは据え置き
続く2022年8月通期の業績については、売上高62億4200万円(前期比4.8%増)、営業利益4億8000万円(同80.5%増)、経常利益4億8800万円(同71.9%増)、最終利益2億8600万円(同93.3%増)を見込む。従来予想からの据え置きとなった。

・売上高:62億4200万円(同4.8%増)
・営業利益:4億8000万円(同80.5%増)
・経常利益:4億8800万円(同71.9%増)
・最終利益:2億8600万円(同93.3%増)

通期計画に対する進ちょく率は、売上高42.3%、営業利益30.0%、経常利益27.0%、最終利益23.1%となっている。

・売上高:42.3%
・営業利益:30.0%
・経常利益:27.0%
・最終利益:23.1%

株式会社トーセ
http://www.tose.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社トーセ
設立
1979年11月
代表者
代表取締役会長 齋藤 茂/代表取締役社長 渡辺 康人
決算期
8月
直近業績
売上高46億1500万円、営業損益5億2200万円の赤字、経常損益5億100万円の赤字、最終損益2億6000万円の赤字(2024年8月期)
上場区分
東証スタンダード
証券コード
4728
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