DeNA、2022年3月期決算は税引前利益が6%減の294億円 営業益49%減もCygamesの貢献やMobility Technologiesの一時収益で小幅な減益に

ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>は、5月10日、2022年3月通期の連結決算(IFRS)を発表し、売上収益1308億6800万円(前の期比4.5%減)、営業利益114億6200万円(同49.0%減)、税引前利益294億1900万円(同5.9%減)、最終利益305億3200万円(同19.1%増)だった。

・売上収益:1308億6800万円(同4.5%減)
・営業利益:114億6200万円(同49.0%減)
・税引前利益:294億1900万円(同5.9%減)
・最終利益:305億3200万円(同19.1%増)

売上収益は、ライブストリーミング事業が成長し、スポーツ事業が回復したものの、ゲーム事業の減収が響いた。営業利益については、ゲーム事業の動向やライブストリーミング事業における成長投資などが響いた。

ただ、Cygamesの貢献や、Mobility Technologiesの第三者割当増資に伴う一時収益で、持分法による投資利益が4.3倍増の142億円と大きく伸び、税引前利益は小幅な減少にとどまった。


■セグメント別の動向
セグメント別の状況は以下のとおり。

①ゲーム事業
ゲーム事業の売上収益は746億9700万円(同18.2%減)、セグメント利益は115億9600万円(同38.5%減)となった。既存のタイトルを中心とした事業運営となり、ユーザ消費額は減少し、減収減益となった。収益基盤の強化に向けては、新規タイトルのリリースに加え、引き続き、費用構造の筋肉質化や固定費の最適化を図った。

②スポーツ事業
スポーツ事業の売上収益は147億1200万円(同14.7%増)、セグメント損失は25億7500万円(前の期は35億8900万円の損失)となった。新型コロナウイルス感染症拡大により、シーズンのプロ野球の公式戦は、例年より遅い、6月19日からの開幕となり、当初は無観客での試合開催となる等の影響があったが、シーズンは、3月26日に例年通り開幕し、観客動員の制約等の感染症対策は引き続き要したものの、業績が回復した。

③ライブストリーミング事業
ライブストリーミング事業の売上収益は346億6400万円(同43.2%増)、セグメント利益は34億8400万円(同32.9%減)となった。国内の「Pococha(ポコチャ)」が引き続き堅調に推移したほか、「IRIAM(イリアム)」をはじめとした、ジャンルの多様化を伴った市場の成長・発展を見据えた新たなジャンルへの挑戦や、「Pococha」のグローバル版の取り組みも進捗した。また、それぞれの分野で市場成長機会を捉えるべく、成長投資を積極的に行った。

なお、8月2日には、キャラクターの姿でライブ配信を楽しめる「IRIAM」を運営するIRIAMが100%子会社となった。また、SHOWROOMの業績は、6月30日を期日とした同社の同社保有株式の一部譲渡により、同社の持分法適用関連会社となっており、前第2四半期よりセグメント別の業績には含んでいない。


■2023年3月期の見通しは非開示
2023年3月期の連結業績予想については合理的な数値の算出が困難であるため開示していない。ただ、前期と比べて増収、一時利益を除いた営業増益を目指す、としている。

①ゲーム事業
2023年3月期は、下期を中心に5本程度の新規タイトルを予定しており、その動向如何では業績のアップサイド要因となるが、貢献期間や事業全体の構造等を勘案すると、2023年3月期の業績貢献は、既存タイトルが主体となる見通し。

②スポーツ事業
プロ野球の公式戦は例年どおり3月下旬に開幕し、観客動員の制約なく興行を実施できている。こうした状況が2023年3月期を通じて継続し、試合数等も例年どおりとなった場合にはセグメント損益は改善するものと見込んでいるが、新型コロナウイルス感染症の影響は引き続き注意を要し、見通しの算出にあたっての合理的な前提の策定が引き続き困難な状況となっている。

③ライブストリーミング事業
2023年3月期は引き続き、売上収益の成長、展開する各地域でのポジショニングを重視していく。中長期を見据えては、国内の「Pococha(ポコチャ)」は、収益部門として更なる成長・強化を図っていく。また、グローバル版のサービスや新たなジャンルでの取り組み等、非連続な成長に向けた挑戦を行っていく。これらの投資は、通期でのセグメント損益の黒字を確保しつつ、期中の戦略進捗に応じて、機動的かつ規律をもって行っていく。

④ヘルスケア事業
2022年3月期までの実績を踏まえ、2023年3月期以降は、ヘルスビッグデータに関する戦略等、中長期での成長に向けた戦略を一層強く推進していく。成長投資にあたっては、バランスシートの活用も含め、機動的に実施していく。



株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
https://dena.com/jp/

会社情報

会社名
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
設立
1999年3月
代表者
代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
決算期
3月
直近業績
売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
2432
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