【決算レポート】KLab、『スクスタ』運営移管の影響で大幅減収に コスト削減効果で赤字幅は縮小 BLC関連事業の子会社を設立し、年内のサービス提供目指す
KLab<3656>の2022年12月期の第1四半期(1~3月)は、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル ALL STARS』(『スクスタ』)の運営を他社に移管し、運営タイトル数が減少した影響もあり、大幅減収となった。
なお、引き続きコスト抑制に努めたほか、昨年のコスト削減の効果もあり、売上高減少の中でも赤字は縮小した。経常損益の赤字幅縮小には円安に伴う為替差益の発生も影響している。
売上高41億1100万円(前年同期比35.7%減)
営業損益2億8100万円の赤字(前年同期5億500万円の赤字)
経常損益1億2300万円の赤字(同3億8600万円の赤字)
最終損益1億7700万円の赤字(同13億83700万円の赤字)
運営タイトルの動向を見ると、『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』(『スクフェス』)は減衰傾向でありながらも期初よりおおむね想定通りに推移となったほか、『BLEACH Brave Souls』(『ブレソル』)は3月14日より提供を開始したPS4が想定を上回って好調に推移した。
また、『キャプテン翼 ~たたかえドリームチーム~』は1月に実施した各種キャンペーンが好調に推移したものの、2月から3月にかけては軟調に推移し、『うたの☆プリンスさまっ♪ Shining Live』(『シャニライ』)は減衰傾向ではあるものの、堅調に推移した。
海外売上高に目を移すと、この第1四半期は売上高18億6200万円と17四半期ぶりに20億円の大台を割り込んだ。既存タイトルの減衰が例年よりも大きかったことに加え、『スクスタ』の移管による運営タイトルの減少も影響した。
続いて新作パイプラインを見てみると、新規開発のElectronic Arts(EA)との共同タイトルがサッカーシミュレーションゲームであることが明らかにされたほか、支援モデルでアニメ「天元突破グレンラガン」初のスマートフォンゲームの制作プロジェクトに参画していることが新たに発表された。
また、事前登録を実施中の『東方アルカディアレコード』が同社の支援モデルのタイトル『弾幕幻想』の日本版タイトルであることも確認されている。
新たな動きとしては、ブロックチェーン関連事業を手掛ける子会社BLOCKSMITH&Co.を4月1日に設立した。代表取締役社長をKLab創業者の真田哲弥氏が務め、2022年内にサービスの順次提供開始を目指すという。
また、BLOCKSMITH&Co. は、VRゲーム開発会社であるThirdverseグループと、Web3およびブロックチェーンゲームの開発・運営に関する基本合意契約の締結も発表しており、Thirdverseグループがパブリッシャー、BLOCKSMITH&Co.が受託開発者となって、IPを用いたブロックチェーンゲームを共同開発し、海外でのサービスを展開する予定だ。
2022年12月期通期の予想は非開示。合理的な業績予想の算出が困難であるため、としている。なお、今期は新作タイトルのリリースまで厳しい状況が継続する見通しだという。
会社情報
- 会社名
- KLab株式会社
- 設立
- 2000年8月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 森田 英克/代表取締役副会長 五十嵐 洋介
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高107億1700万円、営業損益11億2700万円の赤字、経常損益7億6100万円の赤字、最終損益17億2800万円の赤字(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3656