【決算レポート】エイチーム、第3四半期は既存タイトルの落ち込みを新作『FFVII ザ ファーストソルジャー』がカバーできず減収減益に NFTゲームは「開発がかなり進捗」
エイチーム<3662>の2022年7月期の第3四半期(2~4月)の連結決算は、エンターテインメント事業で既存タイトル・新規タイトルともに売上が低調だったことが響き、減収減益となった。
売上高85億5900万円(前年同期比1.0%減)
営業利益1億8000万円(同49.9%減)
経常利益2億100万円(同45.7%減)
最終損益1億500万円の赤字(前年同期2億4000万円の黒字)
ライフスタイルサポート事業は、自動車関連事業が好調だったものの、金融メディアの減収が影響し、前年同期比で減収となった。
ただし、利益については自動車関連事業に加え、繁忙期の引越し事業も増益となり、全体で増益を確保した。
エンターテインメント事業は、新作『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー)』の売上高が既存ゲームアプリのダウントレンドを補完するに至らなかったことで前年同比で大幅な減収となった。
また、利益については、『FFVII ザ ファーストソルジャー』の広告宣伝費など初期投資は落ち着き、前四半期比では赤字幅を縮小したものの、引き続き赤字にとどまった。
なお、『FFVII ザ ファーストソルジャー』については、6月2日に新マップ「ミッドガル[市街地]」を追加するシーズン3の大型アップデートを実施し、足元はKPI(重要業績評価指標)が向上しているとのこと。さらに現状のコストバランスを改善することによって収益化を目指すとしている。
また、前四半期に発表したNFTゲーム・メタバースへの参入に向けた準備については、NFTゲームのオリジナルタイトルについて「開発がかなり進捗している」という。このNFTゲームなど新しい領域で収益を生み出していくことが同社の目標の1つとなっているもようだ。
EC事業については、繁忙期の「cyma-サイマ-」において、モール型ECサイトでの販売が好調に推移したことで、全体として前年同期比で大幅な増収を達成した。その一方、利益については、新規サービス「Obremo(オブレモ)」への投資を引き続き行っていることで、四半期ベースで黒字は回復したものの、前年同期比では減益となった。
なお、2022年7月期通期の連結業績予想については、第2四半期決算の発表時に開示した予想から変更なく、以下のとおり。新規ゲームアプリへの費用減少とともに、主要既存ゲームアプリにおいて周年イベントを予定しているため、全体では売上高・営業損益ともに予想通りの着地を見込んでいるとしている。
売上高325億円(前期比4.0%増)
営業損益7億円の赤字(前年同期7億100万円の黒字)
経常損益7億円の赤字(同8億9500万円の黒字)
最終損益8億5000万円の赤字(同8億7700万円の黒字)
会社情報
- 会社名
- 株式会社エイチーム
- 設立
- 2000年2月
- 代表者
- 代表取締役社長 林 高生
- 決算期
- 7月
- 直近業績
- 売上高239億1700万円、営業利益5億6200万円、経常利益6億900万円、最終利益9億5300万円(2024年7月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3662