【決算レポート】ブロッコリー、「ジャックジャンヌ」と「呪術廻戦」はく落で1Q大幅減収・赤字転落 「うたプリ」12周年施策と「Vividz」で通期76%営業増益目指す
ブロッコリー<2706>の2023年2月期 第1四半期(22年3月~22年5月)の決算は、売上高9億4100万円(前年同期比36.6%減)、営業損失4600万円(前年同期は8200万円の利益)、経常損失3800万円(同8900万円の利益)、最終損失2400万円(同6100万円の利益)と大幅減収・赤字転落となった。
・売上高:9億4100万円(同36.6%減)
・営業損失:4600万円(同8200万円の利益)
・経常損失:3800万円(同8900万円の利益)
・最終損失:2400万円(同6100万円の利益)
同社では、前年同期に業績に貢献した「ジャックジャンヌ」と、「呪術廻戦」関連グッズに相当する売上がなかったことが主な要因としている。減収に伴う売上総利益の減少が響いた。また制作・開発ライン強化を進めており、人員拡充に伴う労務費の増加も収益を圧迫したという。
品目別の売上を見ると、売上構成の変化が如実に現れている。例えば、前年同期で最も大きな割合だった他社グッズが6億1700万円から3億1900万円に落ち込んだ。他社主催のライブイベントに関連したグッズで想定を上回ったが、「呪術廻戦」グッズの取り扱いが増えた前年同期には及ばなかった。
同様にゲームについても2億4700万円から2100万円に大きく落ち込んだ。すでに触れたように、前年同期はゲーム「ジャックジャンヌ」を発売しており、これに相当するものがこの四半期はなかった。この2つで減収のほとんどが説明できる。
主力IPである『うたの☆プリンスさまっ♪』については、グッズやCDの売上が減った一方で、3Dライブの収益計上などもあり、微減にとどまった。またTCG「Z/X(ゼクス)」も減収だが、商品構成の見直しや関連製品の販売強化が奏功し、売上総利益はプラスになったそうだ。
コンテンツ別の売上を見ると、「ジャックジャンヌ」が17.1%から6.6%、他社が41.8%から35.4%にそれぞれ比率を落とす一方、相対的に落ち幅の少なかった「うたの☆プリンスさまっ♪」と「Z/X(ゼクス)」の比率がそれぞれ上昇した。
■2023年2月通期の業績見通し
2023年2月通期の業績は、売上高63億円(前期比4.1%減)、営業利益5億円(同76.7%増)、経常利益5億3000万円(同69.9%増)、最終利益3億6000万円(同114.3%増)を見込む。従来予想からは変更なし。下期(2022年9月~2023年2月)偏重の予算となっているため、通期計画は達成できる見通しとした。
・売上高:63億円(同4.1%減)
・営業利益:5億円(同76.7%増)
・経常利益:5億3000万円(同69.9%増)
・最終利益:3億6000万円(同114.3%増)
・EPS:41.16円
主力IP「うたの☆プリンスさまっ♪」の12周年の施策として、「うたの☆プリンスさまっ♪All Star After Secret for Nintendo Switch」(2022年12月予定)や、「劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEスターリッシュツアーズ」の9月上映、コンセプトショップの展開などを控えている。
また、復調基調にある主力TCG「Z/X(ゼクス)」に加えて、完全新作TCGである「Vividz(ビビッヅ)」の発売を8月に控えており、収益への貢献が期待されるところだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブロッコリー
- 設立
- 1994年3月
- 代表者
- 代表取締役社長 鈴木 恵喜
- 決算期
- 2月
- 直近業績
- 売上高65億6300万円、営業利益2億8300万円、経常利益3億1200万円、最終利益1億6800万円(2022年2月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 2706