【決算レポート】サイバーエージェント、第3四半期は『ウマ娘』反動減で営業益76%減 広告とABEMA成長で売上10%減にとどめる 通期計画は「難なく達成」(藤田社長)

サイバーエージェント<4751>の2022年9月期 第3四半期(22年4月~22年6月)の連結決算は、売上高1721億5500万円(前年同期比10.4%減)、営業利益103億7100万円(同76.7%減)、経常利益105億4900万円(同76.4%減)、最終利益35億4400万円(同81.7%減)と大幅な減益だった。前年同期は、『ウマ娘 プリティーダービー』が大ヒットし、四半期の営業利益445億円という記録的な水準となったが、今年はその反動が出た格好だ。ネット広告とメディアの売上が伸びたことで売上高は引き続き高い水準を維持しているが、営業利益については落ち着いた。

・売上高:1721億5500万円(同10.4%減)
・営業利益:103億7100万円(同76.7%減)
・経常利益:105億4900万円(同76.4%減)
・最終利益:35億4400万円(同81.7%減)

 

オンライン決算説明会に臨んだ藤田晋社長(写真)は、「昨年2月にリリースした『ウマ娘』は、翌四半期の21年4-6月に『フィーバー状態』だったこともあり、その反動減で下がるのは想定線だった」と振り返った。続けて「その反動をいかこなしていくか、ソフト・ランディングするかが経営上の課題だったが順調にこなしてきている」と手応えを感じているという。ネット広告が拡大を続けるほか、「ABEMA」を中心とするメディア事業も拡大し、ゲームの減収をかなりカバーした。

セグメント別の状況を見ていこう。

 

■ゲーム

・売上高:462億0900万円(同50.0%減)
・営業利益:98億9800万円(同77.6%減)

大幅な減収減益となった。藤田社長は、『ウマ娘 プリティダービー』が前年同期は、(リリース後翌四半期の)「フィーバー状態」だったことによる反動減に加えて、前四半期に『ウマ娘』以外の複数の主力タイトルでも周年イベントを行っていた反動が出ていたとの見方を示した。

 

 

現在、『ウマ娘』については、(目先の収益を追求するより)「10年タイトル」に育てていくための取り組みを行っているとのこと。直近では、韓国と繁体字圏でのリリース、そして新作アニメの制作・放送決定など、「しっかりと展開ができている」とコメントした。

 

なお、新作では『呪術廻戦 ファントムパレード』(サムザップ)や『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』(アプリボット)、『東京リベンジャーズ ぱずりべ! 全国制覇への道』(GOODROID)の開発を進めており、このなかから「新しいヒットが生まれることを期待したい」と述べた。『呪術廻戦 ファントムパレード』と『東京リベンジャーズ ぱずりべ! 全国制覇への道』は年内リリース予定だ。

ちなみに、『ファイナルファンタジーVII エバークライシス』の表記については、これまでは2022年提供予定としていたが、2022年クローズドβテストに変更となった。

 

■メディア

・売上高:295億0400万円(同48.2%増)
・営業損失:39億7500万円(前年同期は38億3000万円の損失) 

インターネットテレビ局「ABEMA」を展開するメディア事業の売上高が伸び、引き続き四半期ベースの過去最高売上を更新した。伸びをけん引したのは、ペイパービューと周辺事業だ。ペイパービューについては、那須川天心選手と武尊選手による格闘技ドリームマッチ「THE MATCH 2022」の貢献をあげた。

 

試合のペイパービューのチケットは5500円だったが、50万枚超を発売するなど、リアルイベントでは考えられない規模のセールスを記録した。藤田晋社長は「実質的に独占中継となり、反響を呼んだ。自分たちで調べた限りだが、国内歴代1位の販売記録だ」とコメント。

 

さらに、周辺事業も引き続き伸びた。公営ギャンブルの券売を行う「WINTICKET」の取扱高が735億円と引き続き拡大した。公営ギャンブルの券売がオンラインに移行したことが追い風になっているという。競輪の市場規模もオンラインへの移行で大きく伸びた。

 

藤田社長は「『WINTICKET』は、自分たちでゼロから立ち上げたサービスだが、市場シェア34%まで拡大することができた。当社の技術力と運営力、そしてABEMAという放送を持つ強みを存分に発揮できたのではないか」と述べた。

 

急速に成長する「ABEMA」に関して、気になるのは黒字化のタイミングだが、「すぐに黒字にしようとは考えていない」という。目下、11月のサッカー・ワールドカップに向けて全社で準備するなど、積極投資を続けている真っ只中で、十分な規模まで拡大を目指していく、とした。

 

■インターネット広告

・売上高:995億7200万円(同21.6%増)
・営業利益:61億9100万円(同18.9%増)

広告事業は増収増益となった。売上高はさらに過去最高を更新した。顧客企業の決算期は3月末であるため、予算消化のための出稿は第2四半期に集中し、その次の四半期は反動減になることが多いが、この四半期も反動減をこなして増収を達成した。

 

同社では、現在、ネット広告の中長期的な強みを作るための投資を並行して行っているという。もっとも力を入れているが「協業DX」となる。パートナーと組んで進めるDXで、ターゲットは主に小売となる。小売や金融、モビリティ、通信などの企業と組み、データを活用した広告事業の創出を目指しているそうだ。
 

▲協業企業

 

■投資育成

・売上高:1600万円(同95.3%減)
・営業損失:1億8700万円(同2800万円の利益)

 

■その他

・売上高:63億5300万円(同32.4%増)
・営業損失:400万円(同300万円の利益)

 

■2022年9月通期の業績見通し

2022年9月通期の業績は、売上高7000億円(前期比5.0%増)、営業利益700億円(同32.9%減)、経常利益700億円(同33.1%減)、最終利益250億円(同39.8%減)、EPS49.43円を見込む。

・売上高:7000億円(同5.0%増)
・営業利益:700億円(同32.9%減)
・経常利益:700億円(同33.1%減)
・最終利益:250億円(同39.8%減)
・EPS:49.43円

 

計画に対する進捗率は、売上高76.3%、営業利益79.9%、経常利益80.4%、最終利益82.8%となっている。

・売上高:76.3%
・営業利益:79.9%
・経常利益:80.4%
・最終利益:82.8%

 

藤田社長は、「年間の3/4を終えたが、(現時点での進捗率は)それを上回っているため、業績予想は難なく達成できると思われる」とコメント。四半期業績推移をみると、第2四半期と第4四半期に高めに出る傾向がみられ、上ぶれも期待できそうだ。

株式会社サイバーエージェント
http://www.cyberagent.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社サイバーエージェント
設立
1998年3月
代表者
代表取締役 藤田 晋
決算期
9月
直近業績
売上高6664億6000万円、営業利益1043億8100万円、経常利益1046億9400万円、最終利益415億5300万円(2021年9月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
4751
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