【決算レポート】コナミグループ、第1四半期(4~6月)は主力シリーズの新作投入で同期間での最高売上高を更新 制作費の償却やプロモ費用で利益は減少
コナミグループ<9766>の2023年3月期の第1四半期(4~6月)の連結決算(IFRS)は、主力コンテンツの新作タイトルを順次投入したことにより、売上高は第1四半期における過去最高業績を更新した。
一方、利益については、新作タイトル投入直後の制作費の償却やプロモーション費用の負担に加え、原材料費の上昇もあり、大幅な減益となった。
売上高719億500万円(前年同期比5.2%増)
営業利益140億4000万円(同27.8%減)
最終利益114億3200万円(同16.3%減)
デジタルエンタテインメント事業は、家庭用ゲームに続き『eFootball 2022』のモバイル版を6月に配信開始した。また、パワプロシリーズ2年ぶりの新作となる家庭用ゲーム『eBASEBALLパワフルプロ野球2022』を発売した。
継続した取り組みでは、『プロ野球スピリッツA』でイチローさんとのコラボ施策が大きな反響を呼んだ。また、1月に配信を開始した『遊戯王 マスターデュエル』において、リリース後初の新カード追加や継続したイベントを実施し、好調な推移となった。
カードゲームでは「遊戯王トレーディングカードゲーム」が前期からの好調を維持しグローバルで売上が伸長した。eスポーツの取り組みとしては『eFootball 2022』の公式eスポーツ大会「eFootball Championship 2022」を開催したほか、『遊戯王 デュエルリンクス』の大規模オンライン大会「KCグランドトーナメント2022」の予選を開催した。
アミューズメント事業は、オンライン対戦型麻雀ゲーム「麻雀格闘倶楽部」シリーズが20年目の節目を迎え、最新作「麻雀格闘倶楽部 Extreme」が稼働を開始した。
また、アーケードゲームをPCやスマートフォンでいつでも楽しむことができるサービス「コナステ(KONAMI AMUSEMENT GAME STATION)」のユーザー数が引き続き増加した。
さらに音楽とeスポーツを融合させたプロリーグ「BEMANI PRO LEAGUE」は、チームオーナーとして新たに2社を加えた全8社で規模を拡大して開幕した。
ゲーミング&システム事業は、主力商品である「DIMENSION 49(ディメンション フォーティーナイン)」の各種筐体の販売が好調であり、引き続き事業収益に貢献した。ゲーミングコンテンツでは、北米市場において、「Fortune Mint(フォーチュン ミント)」が高稼働を維持し、スロットマシンの販売増加につながった。
さらに、ニューヨーク州において、コナミとしては初となるVLT(ビデオ・ロッテリー・ターミナル)市場へ参入した。
スポーツ事業は、資産を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態である受託事業において、新たに神奈川県横浜市、神奈川県秦野市、京都府京都市、福岡県福岡市のスポーツ施設の業務受託運営を開始した。また、学校水泳授業の受託ニーズの高まりを受け、埼玉県志木市内の全8校の小学校にて水泳指導業務を開始した。
こども向け運動スクール「運動塾」では、スイミングスクールにて、映像とAIを活用した「スマートスイミングレッスンシステム」と、コナミスポーツクラブインストラクターの指導技術との相乗効果により、練習効果を向上させる新たなデジタルサービスとして、「運動塾デジタルノート」の提供を推進した。
デジタルエンタテインメントの第1四半期と第2四半期以降の新作リリーススケジュールは以下のとおり。7月には、香港・カナダ・オランダの3ヵ国で『遊戯王クロスデュエル』の配信を開始している。
本作は、日本では7月17日より事前登録の受付を開始しており、リリースに向けた今後の続報が注目されるところ。
さらに、「ボンバーマン」シリーズのコンシューマ向け最新作『スーパーボンバーマン R 2」の制作を進めている。
なお、2023年3月期通期の連結業績予想については、従来予想から変更なく、以下のとおり。
売上高3200億円(前期比6.8%増)
営業利益765億円(同2.8%増)
最終利益550億円(同0.4%増)
会社情報
- 会社名
- コナミグループ株式会社
- 設立
- 1973年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 上月 景正/代表取締役社長 東尾 公彦
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上高3603億1400万円、営業利益802億6200万円、最終利益591億7100万円(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム(ロンドン証券取引所にも上場)
- 証券コード
- 9766