ブシロード、22年6月期決算は営業利益885%増の33億円と"大幅増益" 「ヴァイスシュヴァルツ」中心にTCGが過去最高売上 「新日本プロレス」や「スターダム」も拡大
ブシロード<7803>は、本日(8月12日)、2022年6月通期(22年7月~22年6月)の連結決算を発表し、売上高419億6600万円(前の期比28.9%増)、営業利益33億9000万円(同885.5%増)、経常利益51億1300万円(同777.1%増)、最終利益35億0800万円(前の期は2億8400万円の損失)だった(前の期は11ヶ月決算となるため、比較は参考値となる)。売上、利益とも過去最高となった。
・売上高:419億6600万円(同28.9%増)
・営業利益:33億9000万円(同885.5%増)
・経常利益:51億1300万円(同777.1%増)
・最終利益:35億0800万円(同2億8400万円の損失)
参考ながら大幅増益となったが、同社では、「ヴァイスシュヴァルツ」や「カードファイト‼ ヴァンガード」「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」などのトレーディングカードゲームが好調に推移したほか、音楽やスポーツなどライブIP事業が回復基調に入ったため、としている。
■デジタルIP事業
デジタルIP事業は、TCG(トレーディングカードゲーム)部門、ゲーム部門、MD(マーチャンダイジング)部門、メディア部門の4部門が属している。なお、第1四半期より、MOG(モバイルオンラインゲーム)部門をゲーム部門に名称変更している。売上高317億3900万円、セグメント利益34億3800万円となった。
①TCG部門
海外の著しい伸長と「ヴァイスシュヴァルツ」のプラットフォームとしての地位確立、新規タイトルの発売により、TCG部門として前期の売上は過去最高となった。「ヴァイスシュヴァルツ」は日本語版・英語版ともに昨年から大きく伸長し、両言語版ともに過去最高の売上を達成した。
「カードファイト!! ヴァンガード」は、新シリーズ「カードファイト!! ヴァンガード overDress」から続編の「カードファイト!! ヴァンガードwill+Dress」へ向けてリアルイベントと連動した施策を行うなど、オリジナルIPとして展開をさらに拡大している。また、Cygamesとの共同制作となる新タイトル「Shadowverse EVOLVE(シャドウバース エボルヴ)」を2022年4月に発売した。
②ゲーム部門
2021年9月に「D_CIDE TRAUMEREI(ディーサイドトロイメライ)」を、2022年2月に「新日本プロレスSTRONG SPIRITS」を新たにリリースした。また、「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」が2022年3月に5周年を迎え、各種施策を実施するとともに6周年に向けた超大型アップデートの告知を行った。
しかし、上位寡占が進むモバイルオンラインゲーム市場において同社の既存アプリゲームタイトルの売上は伸び悩み、部門全体としては軟調に推移した。
なお、当期よりコンソールゲームに本格参入し、2021年9月に「バンドリ! ガールズバンドパーティ!for Nintendo Switch」、2022年3月に「小林さんちのメイドラゴン 炸裂!!ちょろゴン☆ブレス」を発売しており、新たな収益の柱として広げていく。
③MD部門
2022年5月から6月にかけて富士急ハイランド・コニファーフォレストで自社IPの大型ライブが続き、ECにおける販売も含めライブグッズがコロナ禍から順調に復調している。カプセルトイも人気IPのほか、TAMA-KYUをはじめとしたノンキャラ商品が健闘し、年間を通して好調に推移した。合わせて、催事販売では「Dead byDaylight」が安定的な人気を見せるなど、総じて多種多様な取扱いIPの広がりが見られた。その結果、MD部門として前期の売上は過去最高となった。
④メディア部門
2021年7月に、中米共同制作のフル3DCGアニメ映画『「白蛇:縁起」日本語吹替版』の配給・制作を、ブシロードムーブがチームジョイと共同で行った。その後、2022年4月に同社はチームジョイの第三者割当増資を引受けて資本業務提携を行い、この先重要となる海外IPに目を向けた取り組みを開始した。
■ライブIP事業
ライブIP事業は、音楽部門、スポーツ部門の2部門が属している。売上高102億2700万円、セグメント損失4700万円となった。
①音楽部門
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、マスクプレイミュージカルを中心に一部公演の中止・延期が重なったが、年末から年始にかけては中小規模でのイベントや舞台を多数開催したのち、2022年5月と6月に富士急ハイランド・コニファーフォレストで大型音楽ライブを複数開催した。
音楽・映像ソフトにおいては、自社IPだけではなく「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」など他社IPの商品も多数販売したことによって売上が拡大し、音楽部門として前期の売上は過去最高となった。
また、2021年10月にはIPプロデュースの拡充および公演会場の確保円滑化を図る狙いからイベントホールを取得、2022年3月に「飛行船シアター」としてリニューアルオープンした。
②スポーツ部門
新日本プロレスリングでは、国内の観客動員が回復傾向にあり、また2022年6月27日(日本時間)に米国イリノイ州シカゴで開催した米国のプロレス団体「All Elite Wrestling」との合同興行「AEW x NJPW: FORBIDDEN DOOR」の収入も大きく寄与したことで第4四半期は収益率が大きく改善した。
女子プロレスブランド「スターダム」では、SNSを駆使したオンラインのプロモーション施策及び、興行の開催エアを全国へ拡大するオフラインでのファン獲得施策を推進し、各SNSの登録者数、観客動員数が引き続き好調に伸長しており、ブシロードファイトとして前期の営業利益は過去最高となった。
■2023年6月期の業績見通し
2023年6月期の業績は、売上高500億円(前期比19.2%増)、営業利益35億円(同3.2%増)、経常利益35億円(同31.5%減)、最終利益23億円(同34.4%減)を見込む。
・売上高:500億円(同19.2%増)
・営業利益:35億円(同3.2%増)
・経常利益:35億円(同31.5%減)
・最終利益:23億円(同34.4%減)
・EPS:70.97円
会社情報
- 会社名
- 株式会社ブシロード
- 設立
- 2007年5月
- 代表者
- 代表取締役社長 木谷 高明
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高462億6200万円、営業利益8億8200万円、経常利益18億9800万円、最終利益8億400万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 7803