【決算レポート】モブキャストHD、第2四半期(4~6月)は「転スラ」の競合タイトルの影響が想定を上回り大幅減収に Web3領域でNFTメディアの立ち上げを実施へ

柴田正之 編集部記者
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モブキャストホールディングス<3664>の2022年12月期の第2四半期(4~6月)の連結決算は、子会社モブキャストゲームスが配信中のゲームタイトルが競合タイトルの影響を想定以上に受けたこともあり、大幅な減収・赤字計上となった。

売上高9億1200万円(前年同期比21.5%減)
営業損益9600万円の赤字(前年同期5300万円の赤字)
経常損益1億700万円の赤字(同6600万円の赤字)
最終損益1億1900万円の赤字(同6800万円の赤字)
※「収益認識に関する会計基準」等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、前年同期比較は参考値。

モバイルゲーム事業では、『転生したらスライムだった件~魔国連邦創世記(ロードオブテンペスト)~』の施策を継続的に行ったが、2021年10月に開始された競合となる同タイトルの新ゲームの影響を受け、売上が大きく低迷した。

新作については、『炎炎ノ消防隊 炎舞ノ章』『信長の野望・天道』など人気IPタイトルを複数開発している。ただ、中国において新規タイトル開発を推進していたものの、中国政府によるゲーム規制(コンテンツ内容やプレイ時間等)が強化されたことの影響を受け、配信エリアの変更を検討。台湾、香港、澳門での配信を目指したものの、今期売上計上は見送りになった。

成長分野のWebtoon領域では、グループIPを複数開発している。5月12日には、「スタジオドラゴンジャパン(仮)」を設立し、日本オリジナルwebtoon作品の映像化を目指している。

また、Web3領域にて、NFTメディアの立ち上げを実施する。

キッチン雑貨事業は、新型コロナウィルスによるインバウンド需要低迷の影響を受け、出店しているアウトレットモールの集客が想定よりも減少したことに加え、ウクライナ情勢による原価高騰分を販売価格へ転嫁したことによる影響で、一時的に百貨店などの店舗売上も減少した。

そうした状況下ではあるものの、2024年12月期を直前期としたIPOを目標に「4つの成長戦略」を推し進めており、オイシックス・ラ・大地<3182>とのIP開発拡大など新規事業の育成や、構造改革の推進などに取り組んだ。

なお、2022年12月期通期の連結業績予想は、モブキャストゲームスにおける新規ゲームの配信時期延期や既存ゲームの売上減などに加え、上記の要因やEC事業の新システムへの移行影響によるゆとりの空間の売上減を踏まえ、従来予想からの下方修正を第2四半期決算の発表と同時に実施した。下方修正後の予想は以下のとおり。

売上高37億9100万円(前期比16.4%減)
営業損益3億1500万円の赤字(前期3億7300万円の赤字)

株式会社モブキャストホールディングス
https://mobcast.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社モブキャストホールディングス
設立
2004年3月
代表者
代表取締役CEO 藪 考樹
決算期
12月
直近業績
売上高33億7100万円、営業損益4億2800万円の赤字、経常損益4億3600万円の赤字、最終損益3億8000万円の赤字(2023年12月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
3664
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