エイチーム、22年7月期は売上高1.7%増と増収確保も2.9億円の営業赤字に 『FFVII ザ ファーストソルジャー』リリースとEC事業の投資で費用が膨らむ

  • エイチーム<3662>は、9月9日、2022年7月期の連結決算を発表、エンターテインメント事業の既存タイトルが減衰傾向をたどったものの、ライフスタイルサポート事業においてこれまで投資していた新規サービスの成長と一部既存サービスでの好調な推移により増収を確保した。

    一方、利益面では、エンターテインメント事業での新規タイトルとEC事業での新商品リリースへの投資が重なり、損失計上となった。

    なお、最終損益については、一部オフィスおよび店舗解約に伴う減損処理と、将来の回収可能性の低下に伴う減損処理で5億9100万円を特別損失に計上したことも影響している。

    売上高317億9000万円(前期比1.7%増)
    営業損益2億9800万円の赤字(前年同期7億100万円の黒字)
    経常損益2億1900万円の赤字(同8億9500万円の黒字)
    最終損益13億3700万円の赤字(同8億7700万円の黒字)

    各セグメント別の状況は以下のとおり。

    ①エンターテインメント事業 売上高63億1600万円(前期比13.1%減)、セグメント損益8億9400万円の赤字(前期3億6900万円の黒字)
    売上高は引き続き主要既存ゲームアプリでの減少に加え、2021年11月にリリースした新規ゲームアプリ『FINAL FANTASY VII THE FIRST SOLDIER(ファイナルファンタジーVII ザ ファーストソルジャー)』の売上高が既存ゲームアプリのダウントレンドを補完するに至らず、前期比で減少となった。セグメント利益は、新規ゲームアプリの広告費および開発費が上期から軽減し、第4四半期期間では黒字化達成となるも、通期では大幅な赤字にとどまった。

    ②ライフスタイルサポート事業 売上高211億4700万円(同3.7%増)、セグメント利益16億1000万円(同11.0%増)
    売上高は、引越し関連事業において電力価格の高騰による取引先からの送客制限により前期比で減少となるも、引き続き中古車市場の活況に伴い「ナビクル」が好調に推移し、またこれまで投資フェーズであった転職メディア「CAREER PICKS」が大きく成長した。なお、当該サービスについては、2021年2月に運営会社であったリンクス(現エイチームフィナジー)のM&Aを実施し、双方が持つWebマーケティングの強みを掛け合わせたことにより、目覚ましい売上高成長を実現した。セグメント利益は、「ナビクル」の増収に伴う増益と、金融メディアの一部新規サービスが下期で黒字化し、全体として増加した。

    ③EC事業 売上高43億2600万円(同20.3%増)、セグメント損益7700万円の赤字(前期8400万円の黒字)
    売上高は「cyma-サイマ-」においてモール型ECサイトでの販売が好調に推移し、前期比で大きく増加した。セグメント利益は、新規サービス「Obremo(オブレモ)」でのラインアップ拡充に向けた新商品の開発へ投資し、前期比で減少した。

    ■今期は黒字転換の見込み
    2023年7月期通期は、引き続き既存事業および組織の筋肉質化を進めながら事業への投資は継続するも、これまでに投資してきた事業が全体の収益率改善に貢献するよう、より付加価値の高いサービス・事業運営に注力するとしている。

    エンターテインメント事業については、引き続き『ヴァルキリーコネクト』『ユニゾンリーグ』などの既存の主力ゲームアプリの効率的な運用を進めながらも、事業のダウントレンドを脱却し再成長を遂げるべく、暗号資産を用いたNFTゲームやメタバースなど新領域での開発およびリリース後の運営に注力していくとしている。

    なお、通期の業績予想については以下のとおり。

    売上高310億円(前期比2.5%減)
    営業利益5億円
    経常利益5億円
    最終利益4億円

株式会社エイチーム
https://www.a-tm.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社エイチーム
設立
2000年2月
代表者
代表取締役社長 林 高生
決算期
7月
直近業績
売上高275億5200万円、営業利益5億4300万円、経常利益7億1100万円、最終利益1億4300万円(2023年7月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3662
企業データを見る