テレビ東京HD、アニメ・配信やWEB3、通販・ECなど新しい事業領域に総額200億円の戦略投資 放送以外の事業収入の拡大目指す

テレビ東京ホールディングス<9413>は、この日(11月2日)、新たに200億円の「成長投資枠」を設定し、2025年3月期までにアニメ・配信をはじめ、「WEB3」など新技術を活用したビジネスや通販・ECなどの事業領域に投資を行なう。過去5年間に進めてきた収益構造改革によって、放送事業だけに頼らない収益体制が固まりつつあり、今後は稼いだ利益を積極的に成長に向けた投資に振り向ける。

【成長に向けた重点投資分野】
① アニメ、配信の国内外の事業拡大
②「WEB3」「NFT」「VR」「メタバース」など新しい技術の研究開発・活用
③ コンテンツ制作力の強化
④ 電子商取引(EC)事業の拡大

重点投資分野を上記4分野とし、同分野で強みを持つスタートアップ企業との接点を増やすため、ベンチャーキャピタルへの投資やM&Aも検討する。10月下旬以降に公表したシンガポールの NFT プラットフォーム運営会社(Digital Entertainment Asset Pte. Ltd.)への出資、テレビ東京ダイレクトによるゴルフ用品EC会社(リアルマックス)の子会社化、ベトナムの映像配信サービス運営会社(POPS Worldwide)への出資は、この戦略に沿ったものだ。

この投資の原資は、同期間における3年間合計の営業キャッシュフロー300億円と想定し、そのうち200億円を成長投資に充てる。

また中期経営計画では、コンテンツ制作投資を3年間で130億円積み増すほか、人的投資も30億円増額する方針も打ち出している。今回の200億円規模の成長投資と合わせて、収益拡大に向けた取り組みをいっそう加速させたい、としている。

テレビ東京グループが進めている収益構造改革は、「配信とアニメ」を成長のエンジンとしつつ、EC・通信販売、イベントなども含めて放送事業との相乗効果を発揮させて収益を伸ばす戦略をとっている。

23年3月期の中間決算で、テレビ東京の放送事業と、配信・アニメ・イベントなどのライツ事業との事業利益の比率は54対46となった。19年3月期通期の比率66対34に対し、ライツ事業の割合が向上しており、収益構造改革は着実に進んでいる。

株式会社テレビ東京ホールディングス
https://www.txhd.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社テレビ東京ホールディングス
設立
2010年10月
代表者
代表取締役会長 小孫 茂/代表取締役社長 石川 一郎
決算期
3月
上場区分
東証プライム
証券コード
9413
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