【決算レポート】コナミグループ、9月中間期は過去最高売上も大幅減益　新作ゲームの制作費の償却や広告宣伝費が利益圧迫

コナミグループ<9766>が11月2日に発表した第2四半期累計(22年7月～22年9月)の連結決算(IFRS)は、売上高1483億5900万円(前年同期比6.4%増)、事業利益256億1100万円(同33.7%減)、営業利益253億9600万円(同35.1%減)、最終利益198億4700万円(同28.0%減)と増収・減益となった。

・売上高:1483億5900万円(同6.4%増)
・事業利益:256億1100万円(同33.7%減)
・営業利益:253億9600万円(同35.1%減)
・最終利益:198億4700万円(同28.0%減)

新作タイトルの投入や為替の円安などで過去最高の売上高となったものの、全体の売上の7割、事業利益の9割を占めるデジタルエンタテインメント事業が減益となったことが響いた。主力コンテンツの新作タイトルの制作費の償却やプロモーション費用などが発生し、収益を圧迫したとのこと。

 
■デジタルエンタテインメント事業
・売上高:1027億0300万円(同4.1%増)
・事業利益:235億0300万円(同34.4%減)

同社では、マルチデバイスタイトル「eFootball 2023」や、モバイルゲーム「遊戯王クロスデュエル」の配信を開始したほか、「Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection」を発売した。とりわけ「Teenage Mutant Ninja Turtles: The Cowabunga Collection」は欧米を中心に好調な出足だったという。

新作リリースに伴う制作費の償却、そして広告宣伝費などの費用が増えたことで事業利益が圧迫された。

既存では「プロ野球スピリッツA」が順調だったことに加え、「遊戯王マスターデュエル」も新カード追加やレギュレーション変更による環境変化が奏功し好評を博した。「遊戯王トレーディングカードゲーム」も引き続き好調だった。「遊戯王 マスターデュエル」経由で始めたユーザーも多く、デジタルゲームとの間で相乗効果が生まれた。

 
■アミューズメント事業
・売上高:71億7900万円(同27.9%減)
・事業利益:10億5000万円(同38.0%減)

減収減益だった。前年同期では「マジカルハロウィン」シリーズの最新機種「マジカルハロウィン～Trick or Treat！～」を発売し、好調な受注状況で売上に大きく貢献していたが、今期はこれに相当する新製品がなかった。

アーケードゲームをPCやスマートフォンで楽しめる「コナステ」が引き続き堅調に推移したほか、アーケードゲーム「ボンバーガール」を題材とした、「パチスロボンバーガール」を6.5号機第1弾として発売した。

 
■ゲーミング&システム事業
・売上高:171億1900万円(同39.5%増)
・事業利益:20億0100万円(同9.5%増)

増収増益だった。スロットマシン販売では、「DIMENSION 49」が市場で高稼働を維持した。レベニューシェアでは、75インチの湾曲したモニターが特徴の「DIMENSION 75C」のカジノ施設への導入が拡大。

ゲーミングコンテンツでは、「All Aboard」が2年にわたって業界トップクラスの稼働を記録しているほか、「Lucky Envelope」や「Ocean Spin」などのタイトルも市場から高く評価された。

カジノマネジメントシステムでは、キャッシュレスカジノを実現する「Money Klip」など、多彩な機能を充実させることにより、前四半期に引き続き堅調に推移した。

 
■スポーツ事業
・売上高:224億6000万円(同12.6%増)
・事業利益:5億0100万円(同8.9%減)

増収減益だった。スポーツクラブ運営では、天井ミラーを設置したピラティススタジオの2号店「Pilates Mirror（ピラティスミラー）吉祥寺」を8月にオープンした。

受託事業では、新たに神奈川県横浜市、神奈川県秦野市、京都府京都市及び福岡県福岡市のスポーツ施設の業務受託運営を開始した。

こども向けスイミングスクールでは、新たに磯子（神奈川県横浜市）、川西（兵庫県川西市）、自由が丘（東京都目黒区）、和泉中央（大阪府和泉市）の4施設でスイミングスクールを開講した。

 
■2023年3月期の業績見通し
2023年3月期の業績は、売上高3200億円(前期比6.8%増)、営業利益810億円(同0.9%増)、経常利益765億円(同2.8%増)、最終利益550億円(同0.4%増)、EPS411.74円を見込む。

・売上高:3200億円(同6.8%増)
・営業利益:810億円(同0.9%増)
・経常利益:765億円(同2.8%増)
・最終利益:550億円(同0.4%増)
・EPS:411.74円

計画に対する進捗率は、売上高46.4%、営業利益31.6%、営業利益33.2%、最終利益36.1%となっている。

・売上高:46.4%
・営業利益:31.6%
・営業利益:33.2%
・最終利益:36.1%

主力のデジタルエンタテインメント事業では以下の取組を行うとのこと。

【開発中の新作】
・「SILENT HILL」シリーズの復活に向け、過去作の「SILENT HILL2」のリメイク、完全新作。
・「幻想水滸伝」と「幻想水滸伝II」のHDリマスター版「幻想水滸伝 I&II HDリマスター 門の紋章戦争 / デュナン統一戦争」。
・縦スクロール型シューティングゲームの新作「CYGNI: All Guns Blazing」。
・TVアニメ「シャインポスト」のモバイルゲーム「シャインポスト Be Your アイドル!」。
・「ボンバーマン」シリーズの最新作「スーパーボンバーマン R2」。

【既存タイトルの取り組み】
・「eFootball2023」は、今冬の世界的なサッカーに対する注目度・熱量の高まり(サッカーワールドカップサッカーとみられる)にあわせて新機能の追加やコンテンツの充実を続ける。
・「プロ野球スピリッツA(エース)」など各モバイルタイトルでも魅力ある施策を引き続き講じる。
・「遊戯王トレーディングカードゲーム」「遊戯王 マスターデュエル」、「遊戯王 デュエルリンクス」でも様々なイベントや大会の開催などを通じてコンテンツの盛り上げに注力する。