【決算レポート】ネクソン、第3四半期は過去最高の売上収益 PC・モバイルともにヒット作生まれ営業益拡大 先行投資こなし第4四半期も営業増益へ

ネクソン<3659>の2022年12月期 第3四半期(22年7月~22年9月)の連結決算(IFRS)は、売上収益974億6300万円(前年同期比28.5%増)、営業利益315億2400万円(同5.7%増)、最終利益433億0300万円(同14.3%増)と増収増益だった。売上収益は過去最高を達成した。

・売上収益:974億6300万円(同28.5%増)
・営業利益:315億2400万円(同5.7%増)
・最終利益:433億0300万円(同14.3%増)

 

同社は、『FIFA ONLINE4』や韓国『メイプルストーリー』の成長に加え、『アラド戦記モバイル』や『HIT2』など新作モバイルゲームが収益に寄与した、としている。人件費や広告宣伝費が増えたが、増収効果で吸収した。

最終利益の伸びが目立ったが、これは為替の円安に伴い現預金などにかかる為替差益264億円が発生したことによる。税金費用が増えたが、営業利益の伸びと為替差益でカバーした。

 

▲ネクソンタイトルのKPIをみると、MAU(月次アクティブユーザー数)が減る一方で、ARPUが上昇していることが確認できる。グラフは掲載していないが、課金率も上がっており、いわゆる"無課金ユーザー"が減り、お金を支払うユーザーが残っている状況にあることが見て取れる。 

▲デバイス別の売上高の推移。PCゲームの比率が大きかったが、最近はモバイルゲームでもヒットが相次いでおり、モバイルゲームの売上比率も上がっている。


■韓国
・売上収益:628億2100万円(同55.6%増)

【PC】
PCオンラインゲームの売上収益は同40.2%増の401億2700万円と大きく伸びた。『FIFA ONLINE 4』が大きく成長し、過去最高の四半期売上収益を達成したほか、『メイプルストーリー』も夏季アップデート、イベント、セールスプロモーションが好調で47%成長を達成。さらに『マビノギ』もローンチ18年目にして66%成長と過去最高の収益を達成した。

【モバイル】
モバイルゲームの売上収益は同93.3%増の226億9400万円と大きく伸びた。『風の王国:Yeon』や『V4』、『KartRider Rush+』が減収となったものの、『HIT2』や『アラド戦記モバイル』、『ブルーアーカイブ』が増収に寄与した。

 
■中国
・売上収益:197億円(同14.1%減)

主力の『アラド戦記』の売上が低下した。好調だった前年同期の反動で、想定していたという。短期的なマネタイズよりもユーザーエンゲージメントの向上に注力した結果、ARPPUが当初の計画よりも減少した。

 

 ▲ネクソンといえば一時は中国市場の売上が非常に大きかったが、いまや韓国での売上が最も大きくなっている。


■日本
・売上収益:27億9200万円(同12.5%増)

『TRAHA』と『V4』が減収となったものの、『ブルーアーカイブ』が伸びたほか、『カウンターサイド』も貢献した。


■北米及び欧州
・売上収益:50億2600万円(同10.5%増)

『メイプルストーリーM』と『Choices』が減収となったものの、『メイプルストーリー』とその他新作ゲームが貢献し、2桁の増収となった。


■その他
・売上収益:71億2400万円(同28.1%増)

『メイプルストーリー』とその他新作ゲームが貢献した。

 
■第4四半期の業績見通し
続く第4四半期(2022年10~12月)の業績は、売上収益754億7400万円~837億4900万円(前年同期比39.1%増~54.3%増)、営業利益75億4400万円~139億6100万円(同153.4%増~369.0%増)、最終利益54億6500万円~101億4700万円(同75.1%減~54.0%減)を見込む。

・売上収益754億7400万円~837億4900万円(同39.1%増~54.3%増)
・営業利益:75億4400万円~139億6100万円(同153.4%増~369.1%増)
・最終利益:54億6500万円~101億4700万円(同75.1%減~53.8%減)

 

『FIFA ONLINE 4』が大きく成長するとともに、中国『アラド戦記』や韓国『メイプルストーリー』など主力既存タイトルの継続的な成長が見込まれる、としている。

また、モバイルについては、『HIT2』や『アラド戦記モバイル』、そして第4四半期に日本で配信開始予定の『テイルズウィーバー:SecondRun』の増収寄与が見込まれるとのこと。

人材やマーケティング投資を行なうものの、増収効果で営業利益は大きく伸びる見通し。

また最終利益は大きく減少する見通し。前年同期では、繰延税金資産146億円と、主に米ドル建ての現金預金等について32億円の為替差益を計上していたが、この四半期はそれに相当するものがないため。

株式会社ネクソン
http://www.nexon.co.jp/

会社情報

会社名
株式会社ネクソン
設立
2002年12月
代表者
代表取締役社長 イ・ジョンホン(李 政憲)/代表取締役CFO 植村 士朗
決算期
12月
直近業績
売上収益4233億5600万円、営業利益1347億4500万円、最終利益706億0900万円(2023年12月期)
上場区分
東証プライム
証券コード
3659
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