【決算レポート】coly、第3四半期は既存と新作振るわず営業赤字3億2300万円 先行投資も影響 新作『永久少年』や『スタマイ』リニューアルと新展開も


coly<4175>の2023年1月期 第3四半期累計(22年2月~22年10月)の決算は、売上高36億9500万円(前年同期比18.8%減)、営業損失3億2300万円(前年同期は10億6600万円の利益)、経常損失3億2200万円(同10億3400万円の利益)、最終損失2億0400万円(同6億6700万円の利益)と減収・赤字転落となった。運営中の既存タイトルの減収に加えて、新作開発費や採用教育費、人件費などが増えたことが主な要因だ。

・売上高:36億9500万円(同18.8%減)
・営業損失:3億2300万円(同10億6600万円の利益)
・経常損失:3億2200万円(同10億3400万円の利益)
・最終損失:2億0400万円(同6億6700万円の利益)

 

売上高を見ると、モバイルオンラインゲームは同24.5%減の28億1000万円だった。既存ゲーム『スタンドマイヒーローズ』6周年記念イベントが成熟化に伴い伸び悩んだことに加え、『魔法使いの約束』『&0』で山場を作りきれなかったことが影響したとしている。『&0』はサービス終了が決まった。他方、常設店舗「coly more! 池袋PARCO店」の好調によりMD売上は6.6%増の8億8400万円と伸びた。

 

費用面を見ると、『&0』のリリースに前後して、新規タイトルの研究開発費が増えたほか、組織体制強化のための採用教育費や人件費など先行投資が増えたことで販売管理費が高止まりした。売上原価も増加した。ただ、減益要因となった研究開発費は、第3四半期会計期間においては第1四半期、第2四半期に比べて減少傾向にあるという。

 

続く2023年1月通期の業績見通しは非開示。『魔法使いの約束』の周年イベントが第4四半期に行われるため、もっとも売上が出る四半期になると予想されるものの、同社では、以下のような非開示とした理由をあげた。

【売上について】
・運営中のゲームに関して環境の変化が速く、動向を予測することが困難であること
・MDについても新型コロナの影響で売上高の振れ幅が大きいこと

【費用について】
・複数の新規タイトルの開発を予定しているが、研究開発費が未確定であること
・採用人数についても見通せないこと

 

なお、新作については2026年1月期(2025年2月~2026年1月)にリリースする予定の大手エンターテインメント企業との協業案件のほか、2023年初ジョンリリース予定のフジテレビとの協業タイトル『永久少年 Side Project -トワイライトなスピカ-』など複数が進行していることを明らかにした。

また、既存IPについては、2023年春リリース予定の『スタンドマイヒーローズ』のリニューアル、そして、『ドラッグ王子とマトリ姫 for Nintendo Switch』なども控えているという。いずれも開発には上場時に調達した資金や、手元資金の一部を投下する、としている。

 

『&0』については、2022年5月30日よりサービスを開始したものの、期待に届かず、サービス開始から約8ヵ月でのサービス終了となる予定。一部機能を制限したオフライン版を一定期間公開するほか、アプリ以外でのIP展開を継続していく考えだ。

 

株式会社coly(コリー)
https://colyinc.com/

会社情報

会社名
株式会社coly(コリー)
設立
2014年2月
代表者
代表取締役社長 中島 杏奈/共同創業者 代表取締役副社長 中島 瑞木
決算期
1月
直近業績
売上高50億6400万円、営業損益8億1300万円の赤字、経常損益7億9400万円の赤字、最終損益8億3000万円の赤字(2023年1月期)
上場区分
東証グロース
証券コード
4175
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