東映、第3四半期(4~12月)決算は売上高・利益ともに過去最高に 映画「ONE PIECE FILM RED」と「THE FIRST SLAM DUNK」のヒットが奏功
-
東映<9605>は、2月14日、2022年3月期の第3四半期累計(4~12月)の連結決算を発表、映画「ONE PIECE FILM RED」と「THE FIRST SLAM DUNK」のヒットによる映像関連事業の好調が関連事業へ波及・相乗効果を及ぼし、売上高・利益ともに第3四半期としての過去最高業績を達成した。
売上高1281億6000万円(前年同期比48.2%増)
営業利益289億3900万円(同106.1%増)
経常利益325億4600万円(同84.9%増)
最終利益142億2000万円(同95.1%増)セグメント別の状況は以下のとおり。
①映像関連事業 売上高1001億8500万円(前年同期比52.8%増)、営業利益281億9900万円(同85.3%増)
映画事業では、提携製作作品等33本を配給し、このうち「ONE PIECE FILM RED」が同社グループ歴代第1位の興行収入を記録したのに加え、「THE FIRST SLAM DUNK」「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」が大ヒットした。テレビ事業では、「相棒season21」「科捜研の女」「仮面ライダーギーツ」などを制作して作品内容の充実と受注本数の確保に努め、キャラクターの商品化権営業は玩具などに関する消費者の嗜好が多様化するなか、堅調に推移した。
コンテンツ事業では、劇場用映画等の地上波・BS・CS放映権およびビデオ化権の販売に加え、VOD(ビデオ・オン・デマンド)事業者向けのコンテンツ販売などを行うとともに、劇場用映画のDVD・ブルーレイディスク作品やテレビ映画のDVD・ブルーレイディスク作品を販売した。アニメ関連では、「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」「ONE PIECE FILM RED」「THE FIRST SLAM DUNK」の海外上映権販売や海外映像配信権販売に加え、国内外における「ワンピース」や「ドラゴンボール」シリーズなどの商品化権販売などが好調に稼働した。
②興行関連事業 売上高140億5300万円(同32.4%増)、営業利益9億1500万円(前年同期1億2600万円の赤字)
映画興行業では、「ONE PIECE FILM RED」などヒット作の上映を背景に興行収入は堅調に推移した。なお、2022年12月4日に同社直営館である「渋谷TOEI」(2スクリーン)が閉館し、第3四半期連結会計期間末現在において、212スクリーン体制(東映直営館2スクリーン含む)で展開している。③催事関連事業 売上高63億3700万円(同95.3%増)、営業利益7億6900万円(前年同期4億5200万円の赤字)
催事事業では、「生誕50周年 The仮面ライダー展」や「出版120周年 ピーターラビット展」、人気キャラクターショーなど各種イベントの提供を行うとともに、映画関連商品の販売および催事関連商品の通信販売を行った。東映太秦映画村においては、行動制限の緩和により入場者数に回復基調が見られた。④観光不動産事業 売上高42億5300万円(同14.1%増)、営業利益15億2600万円(同47.0%増)
不動産賃貸業では、「プラッツ大泉」「オズ スタジオ シティ」「渋谷東映プラザ」「新宿三丁目イーストビル」「広島東映プラザ」などの賃貸施設が稼働した。ホテル業においては、水際対策緩和によるインバウンドの増加や全国旅行支援の実施により観光需要の回復が見られた。⑤建築内装事業 売上高33億3000万円(同0.6%減)、営業利益7700万円(同65.0%減)
建築内装事業では、景気見通しが不透明な中、公共投資は底堅く推移した。民間設備投資は増加基調にあり、建設需要は堅実な動きを見せている。一方、幅広い資機材の価格が上昇し、受注や調達における対策が必要な状況にある。このような状況ではあるが、従来の顧客確保および受注拡大を目指して積極的な営業活動を行い、シネコン関係の工事などを手掛けた。■通期業績予想は据え置き
2023年3月期通期の連結業績予想は、前回発表予想時から変更なく、以下のとおり。売上高1570億円(前期比33.6%増)
営業利益316億円(同77.4%増)
経常利益363億円(同55.8%増)
最終利益160億円(同78.2%増)
会社情報
- 会社名
- 東映株式会社
- 設立
- 1949年10月
- 代表者
- 代表取締役会長 多田 憲之/代表取締役社長 吉村 文雄
- 決算期
- 3月
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 9605