【決算まとめ②】ゲーム関連企業37社の10~12月の営業赤字企業数は1社減の11社に 『メメントモリ』大ヒットのBOIは大幅黒字転換 ボルテージは不採算絞り込みが奏功
主要モバイルゲーム企業の2022年10~12月期の決算を引き続き振り返ってみたい。今回は、この四半期の営業赤字計上企業についてを取り上げたい。
この四半期に営業赤字を計上した企業は、データ集計対象の37社中、11社となった。前四半期は11社で1社減となる。スポーツ事業の季節性も相まって、ディー・エヌ・エー(DeNA)<2432>が大幅な営業赤字に転落した。
また、この四半期は株式報酬費用として13億9400万円を計上したケイブ<3760>も営業赤字が大きく膨らんだほか、減損損失の発生とファンタジースポーツ事業への投資の加速により、マイネット<3928>も赤字幅が拡大している。
半面、驚異的なレベルの黒字転換を達成したのがバンク・オブ・イノベーション(BOI)<4393>だ。BOIは、新作『メメントモリ』のワールドワイドでのヒットにより、営業利益が前四半期の3億3400万円の赤字から28億3300万円の黒字に転換した。『メメントモリ』は、大ヒット時の初速からの減速は多少見受けられるが、依然としてストアランキングでも好推移を続けており、次の四半期以降も業績に大きく貢献してくることが期待される。
もう1社、この四半期で黒字転換を果たしたのがボルテージ<3639>だ。ボルテージは、アプリなどの不採算事業の絞り込みにより、売上高は減少したものの、採算性が改善して黒字転換を果たした。この利益体質を維持したまま、次の成長に向けた取り組みを深めていけるのかどうかが、次の四半期以降のポイントと言えそうだ。
会社情報
- 会社名
- 株式会社ケイブ
- 設立
- 1994年6月
- 代表者
- 代表取締役社長 秋田 英好/代表取締役CFO 伊藤 裕章
- 決算期
- 5月
- 直近業績
- 売上高122億7400万円、営業利益18億7000万円、経常利益19億4300万円、最終利益14億4100万円(2024年5月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3760
会社情報
- 会社名
- 株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)
- 設立
- 1999年3月
- 代表者
- 代表取締役会長 南場 智子/代表取締役社長兼CEO 岡村 信悟
- 決算期
- 3月
- 直近業績
- 売上収益1367億3300万円、営業損益282億7000万円の赤字、税引前損益281億3000万円の赤字、最終損益286億8200万円の赤字(2024年3月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 2432
会社情報
- 会社名
- 株式会社ボルテージ
- 設立
- 1999年9月
- 代表者
- 代表取締役社長 津谷 祐司
- 決算期
- 6月
- 直近業績
- 売上高34億5600万円、営業損益9400万円の赤字、経常利益1500万円、最終利益500万円(2024年6月期)
- 上場区分
- 東証スタンダード
- 証券コード
- 3639
会社情報
- 会社名
- 株式会社バンク・オブ・イノベーション(BOI)
- 設立
- 2006年1月
- 代表者
- 代表取締役社長 樋口 智裕
- 決算期
- 9月
- 直近業績
- 売上高213億3300万円、営業利益49億円、経常利益49億2000万円、最終利益32億9300万円(2023年9月期)
- 上場区分
- 東証グロース
- 証券コード
- 4393
会社情報
- 会社名
- 株式会社マイネット
- 設立
- 2006年7月
- 代表者
- 代表取締役社長CEO 岩城 農
- 決算期
- 12月
- 直近業績
- 売上高87億1700万円、営業利益1億6800万円、経常利益1億2500万円、最終利益1億4300万円(2023年12月期)
- 上場区分
- 東証プライム
- 証券コード
- 3928